ティファ……こんな奴にしてしまった私を許して……(汗)


投稿者 ゆきみ 日時 1997 年 9 月 27 日 11:38:00:

初めまして☆ここの小説を読んで、「私も書きたーい!」病が出てしまいました……
でもいきなりでやおっちゃうのも何なので(死)、ちょっと少女漫画ふうに(かな?)ティファの独白などを……


 雪が降るたびに、思い出すことがある。
あの寒い地で起こった戦い……そして、別れ。
皆、それぞれの場所に旅立っていった。自分を待ってくれている人の元へ……
……でも。
「私には…………」
ティファは、クラウドの残してくれた別荘で、たった一人、溜め息をついた。
クラウドは、いない。
ジェノバ細胞を埋め込まれた身で、普通の生活はできそうにないから……と、クラウドはたった一人、当てもない旅に出た。
神羅はなくなって、ソルジャーはみんな死んだ。セフィロスも……私たちが倒した。
今、体内にジェノバ細胞を宿すのは……ルクレツィアさんと、クラウドだけ……
ルクレツィアさんは滝の洞窟でひっそりと暮らしている。ヴィンセントが時折……様子を見に行くみたいだけど。
いつ死ぬのか……いつまで生きるのか、わからないけど。
クラウドはそう言って……私の前から姿を消した。

小さな頃は、いつも自分たちの方を見ている子だ、ぐらいにしか思っていなかった。「興味ないね」というような顔をして、でも時々うらやましそうな目をしている、金の髪の子。一緒に遊べばいいのにと、いつも思っていた……わけではない。きらきらした金の髪に吸い込まれそうな空色の目。男の子なのにどうしてあんなに綺麗なのかしらと、すこし嫉妬した事もある。
ママが死んだ日に、初めてクラウドは私の家に来たけど、その時はそれどころじゃなかった。私は死んだママに会いたくて、ニブル山に行くことだけを考えていた。遊び友達が止めるのも聞かなかった。それでもついてきた友達が、一人……また一人と帰っていってしまうのも、その時の私には全然関係なかった。でも、吊り橋から足を滑らせて……何日もたってから目を覚ましたとき、ただ一人クラウドだけが自分についてきてくれたことを知った。
クラウドのことを考え始めたのはそれから……
次にクラウドが遊んでいる私たちを見ていたら、絶対誘って遊ぼうと思って。
……でも、そんな日は二度と来なかった。
クラウドは……その時既に、神羅に行く事を考えていたから、それどころじゃなかったのだと……思う。

星の綺麗なあの晩、いきなりクラウドに呼び出されたときはとても驚いて、どうしようかと思った。ママが死んだ日からずっと、クラウドは遊んでいる私たちを見ていることがなくなったし、それで私は怒ってもいたから。せっかく一緒に遊ぼうと思ってるのにって。 だからおもいっきり遅刻して、困らせてやろうって思った。
ほんとは時間通りに来てたけど、物陰から困り顔のクラウドを見ようと思って、でも寒かったからすぐに出てくるつもりで……
星空の下で物憂げに座るクラウドは、今まで見たことがないくらい……綺麗だった。時折寒そうに震える姿は、子供だった私でもどきどきするくらい……かよわくて、頼りなげで、綺麗で。しばらく見とれちゃって、はっと気づいたときには、ものすごく時間がたってしまって慌てたっけ。
その給水塔で、クラウドは……「ソルジャーになる」って、言った。「神羅に行く。そしてソルジャーになる」……

あの時。何かを失った……気が、した。
私にとって大切なもの。失うわけにいかないもの。
でもその時は、そんなこと考えもしなかったから。無邪気な約束だけで、終わってしまって……

「私だけのクラウド」は……その瞬間、永遠に……失われたのだと、思う。

ニブルヘイムに来たソルジャーは、セフィロスと……ザックス。本当はクラウドも来てたけど、私はソルジャーしか……見ていなかった。クラウドに……ソルジャーのクラウドにあいたくて、「その他」でしかない神羅兵なんて、私は見向きもしなかった。だから、クラウドは来ていないんだと思ったし、せっかくニブルヘイムに神羅が来るのならクラウドを連れてきて欲しい、って思った。
私は全然、クラウドのこと、考えてなかった……

それから5年。
アバランチの傭兵としてセブンス・ヘブンにやってきたクラウド。
ウォールマーケットで、コルネオの館にエアリスと来たクラウド。
どんどん増える仲間のリーダーとなったクラウド。
それだけなら……昔のクラウドが戻ってきた、って喜べた……

「セフィロス」

クラウドは……その名前に過剰に反応した。ただの憎悪とは全然違う、もっと奥底で絡み合った複雑な感情。
クラウドはセフィロスに会うためだけに旅をしている。戦っている。
そしてその側にはいつも……エアリスが、いる。……私じゃなくて……
私じゃない。私はクラウドの力になっていない。クラウドは……セフィロスのもの?エアリスのもの?私の入っていく隙間はないの?セフィロスよりも、エアリスよりも、ずっと前からクラウドのこと、知っているのに?
 浅ましい嫉妬。でも私はそんなことしか考えていなかった。エアリスが死ぬまで。クラウドが竜巻の迷宮で……壊れてしまう、まで……

ライフストリームでクラウドを見た。
今まで全然見ていなかった本当のクラウド。
クラウドは戻ってきた。私たちの元へ。セフィロスを倒すために。
でも。
クラウドの心は、もう、私だけのものじゃない。
クラウドの心は……ただ一人、ただ一人の人の元に、ある。

セフィロス……あなたは、クラウドを永遠に、手に入れた。
その命と引き替えに、クラウドを永遠に手に入れた。
子供の時から知っていたクラウド……あの給水塔で、クラウドは確かに私だけを見ていた。でも……今は違う。
悔しいし、うらやましいし、腹も立つけど。認めるのはとても嫌だけど。
私は、セフィロスには……永遠に、勝てそうにない。

雪が降る度に思い出す。
竜巻の迷宮のクラウドを。最終決戦の時のクラウドを。
どんなクラウドも好きだった。エアリスのように、素直に「好き」と言いたかった。
子供じみた感情で、全然素直になれなかった私。ゴールドソーサーでデートをするクラウドとエアリスを見たときは、心臓が凍るかと思ったけど。
クラウド……

帰ってきてなんて、言わない。
クラウドの心は、クラウドのものだから。
でも、たった一つだけ……言えなかったことを言わせて欲しい。

クラウド……私はあなたが、好き。


…………ティファ、なんかすごく嫌な女みたいですけど……
おかしーなー、こんなつもりじゃなかったんだけどなあ。
これじゃあまるっきり自己中の女……(ティファ好きな人、ごめんなさい!)
しかも文章……もうちょっと文才つけてから出直してくるべきですね。
ではっ!(LRボタンを押して逃げる……笑)


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