『緑風』


投稿者 血吸ねこ 日時 1997 年 9 月 22 日 23:21:59:

・・・なんとなく、膝枕してるとことが書きたくなって・・・



 ヒュージマテリア全てを回収できた。その間に世界中を駆け回り、飛空挺ではいくことの出来ない洞窟をいくつか見かけていた。そして、チョコボ仙人なる人物より、特殊能力を持つチョコボのことを教えられると、クラウドはチョコボを育てるべく、チョコボ牧場にしばしば寄るようになった。

 一面の草の海。
 さわやかな風が吹いてくる。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
 牧場のはずれ近くの木陰で、シドが伸びをする。ついさっき牧場に着いたばかりで、これからクラウド達はチョコボの世話に取りかかる所だ。草の上に寝ころび、空を見上げる。ときどき、ちぎれたような雲がゆっくりと通り過ぎる。
(いい天気だぜ・・・メテオさえなけりゃーな)
 火の付いてない煙草をくわえたまま、目をつぶる。柔らかな風が頬を撫でる。
 ・・・目を閉じて3秒後には、寝入っていた。

 気が付くと、すでに木の影からはずれている。
「・・・やっと目が覚めたか・・・」
 笑いを含んだような声に、慌てて飛び起きると、ヴィンセントがいた。
「けっ・・・みんな、どうした?」
「なんでも、チョコボレースに出てみるそうだ。」
「チョコボレースだあ?」
「ああ。・・・出場してみれば、どのくらいの能力かがわかる、とか言っていた。」
 ヴィンセントはくすりと笑い、ついでにレースで一山あてるつもりらしい、と付け足した。どうやら、まだ獲得してないマテリアがレースの景品にあるらしく、それを狙っているようだ。
「そういや・・・闘技場の景品にも、いいのがあったんじゃねーか?」
「・・・それにも出るつもりのようだ。・・・リボンを付けていったぞ。」
 結局は、どこにいったかわからないシドを置いて、ゴールドソーサーに遊びに行ったようだ。おそらく、帰ってくるのは夜中だろう。
「じゃあ、ちっとはゆっくりできるな。」
 煙草に火を付ける。牧場主一家も、つられて観戦にいったらしい。シドは、ヴィンセントの膝を枕代わりにしてもう一度横になる。ちょっと驚いた表情のヴィンセント。
「・・・きれーな空だぜ・・・」
 見上げると、真上には雲一つない。かすかな風のそよぎ。ヴィンセントの手がシドの髪を梳く。
 静かな、穏やかな時が流れていく。

 しばらく、2人は黙って空を見ていた。時折、チョコボの鳴き声が聞こえてくる。シドは目を閉じ、たまに煙草の煙を吐きだしている。その煙を、時折吹く風が吹き散らす。
 ヴィンセントの手がシドの顔のラインをなぞる。シドは起きあがって煙草を消すと、ヴィンセントを抱き寄せた。
「シド・・・!」
「・・・誰もいねぇんだろ・・・?」
 そう言って、ヴィンセントの唇をむさぼる。そのまま草の上に倒れ込み、服の上から、その身体を撫でる。それだけで、ヴィンセントは切なげな吐息を吐き出した。
 そのまましばらく愛撫され、艶かしい喘ぎを漏らすヴィンセント。ふと手を伸ばし、シド自身に触れ愛撫する。シドが小さく呻く。ヴィンセントの手が巧みに追い上げる。一瞬、愛撫が止む。次の瞬間、暖かい、湿った感触に包まれる。
「はぅっ・・・」
 ねっとりと舌が絡み付き、更に敏感なところを刺激する。その痺れるような快感にシドはたまらず果ててしまう。
 ヴィンセントに口づけ、その顎から首筋にかけて舌を這わせる。そうしながら、シャツを脱がせ白い肌を露にさせる。その胸に軽く指先を滑らせ、胸の突起に触れる。ヴィンセントの身体がびくりと震える。シドの唇が、軽く触れながら胸元に降りてくる。
「あ・・・ぁっ・・・」
 指と舌で胸の突起を刺激され、大きく喘ぐ。シドの手が下腹部に移動し、ヴィンセント自身を捕らえる。そっと愛撫を始めると、ヴィンセントがしがみついてくる。自在に刺激され、更に艶かしい喘ぎを漏らす。ヴィンセントが切なげな瞳で見つめる。
「あぁぁっ」
 シドに貫かれ、大きく仰け反る。沸き上がる快感に身も心も委ね、ヴィンセントが更に乱れる。そんなヴィンセントを、シドは優しく見つめる。シドが奥深くへ突き上げるたびに、ヴィンセントの喘ぎが激しくなる。そして、2人同時に絶頂を迎えた。

「・・・そろそろ、一番星の光り出す頃だぜ」
 うっすらと茜色に染まる空を見上げ、シドがつぶやく。
「・・・あんたは、本当に空が好きなんだな・・・」
 半ば呆れたような、だが笑いを含んだヴィンセントの声。
「あたぼうよ、俺ぁ飛行機乗りだ。・・・チョコボもいいが、俺ぁやっぱり飛行機の方がいい。」
 そういって、煙草をふかす。その仕草を、ヴィンセントはかすかに微笑んで見つめていた。


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