『緑風』 |
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・・・なんとなく、膝枕してるとことが書きたくなって・・・
ヒュージマテリア全てを回収できた。その間に世界中を駆け回り、飛空挺ではいくことの出来ない洞窟をいくつか見かけていた。そして、チョコボ仙人なる人物より、特殊能力を持つチョコボのことを教えられると、クラウドはチョコボを育てるべく、チョコボ牧場にしばしば寄るようになった。
一面の草の海。
さわやかな風が吹いてくる。
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」
牧場のはずれ近くの木陰で、シドが伸びをする。ついさっき牧場に着いたばかりで、これからクラウド達はチョコボの世話に取りかかる所だ。草の上に寝ころび、空を見上げる。ときどき、ちぎれたような雲がゆっくりと通り過ぎる。
(いい天気だぜ・・・メテオさえなけりゃーな)
火の付いてない煙草をくわえたまま、目をつぶる。柔らかな風が頬を撫でる。
・・・目を閉じて3秒後には、寝入っていた。
気が付くと、すでに木の影からはずれている。
「・・・やっと目が覚めたか・・・」
笑いを含んだような声に、慌てて飛び起きると、ヴィンセントがいた。
「けっ・・・みんな、どうした?」
「なんでも、チョコボレースに出てみるそうだ。」
「チョコボレースだあ?」
「ああ。・・・出場してみれば、どのくらいの能力かがわかる、とか言っていた。」
ヴィンセントはくすりと笑い、ついでにレースで一山あてるつもりらしい、と付け足した。どうやら、まだ獲得してないマテリアがレースの景品にあるらしく、それを狙っているようだ。
「そういや・・・闘技場の景品にも、いいのがあったんじゃねーか?」
「・・・それにも出るつもりのようだ。・・・リボンを付けていったぞ。」
結局は、どこにいったかわからないシドを置いて、ゴールドソーサーに遊びに行ったようだ。おそらく、帰ってくるのは夜中だろう。
「じゃあ、ちっとはゆっくりできるな。」
煙草に火を付ける。牧場主一家も、つられて観戦にいったらしい。シドは、ヴィンセントの膝を枕代わりにしてもう一度横になる。ちょっと驚いた表情のヴィンセント。
「・・・きれーな空だぜ・・・」
見上げると、真上には雲一つない。かすかな風のそよぎ。ヴィンセントの手がシドの髪を梳く。
静かな、穏やかな時が流れていく。
しばらく、2人は黙って空を見ていた。時折、チョコボの鳴き声が聞こえてくる。シドは目を閉じ、たまに煙草の煙を吐きだしている。その煙を、時折吹く風が吹き散らす。
ヴィンセントの手がシドの顔のラインをなぞる。シドは起きあがって煙草を消すと、ヴィンセントを抱き寄せた。
「シド・・・!」
「・・・誰もいねぇんだろ・・・?」
そう言って、ヴィンセントの唇をむさぼる。そのまま草の上に倒れ込み、服の上から、その身体を撫でる。それだけで、ヴィンセントは切なげな吐息を吐き出した。
そのまましばらく愛撫され、艶かしい喘ぎを漏らすヴィンセント。ふと手を伸ばし、シド自身に触れ愛撫する。シドが小さく呻く。ヴィンセントの手が巧みに追い上げる。一瞬、愛撫が止む。次の瞬間、暖かい、湿った感触に包まれる。
「はぅっ・・・」
ねっとりと舌が絡み付き、更に敏感なところを刺激する。その痺れるような快感にシドはたまらず果ててしまう。
ヴィンセントに口づけ、その顎から首筋にかけて舌を這わせる。そうしながら、シャツを脱がせ白い肌を露にさせる。その胸に軽く指先を滑らせ、胸の突起に触れる。ヴィンセントの身体がびくりと震える。シドの唇が、軽く触れながら胸元に降りてくる。
「あ・・・ぁっ・・・」
指と舌で胸の突起を刺激され、大きく喘ぐ。シドの手が下腹部に移動し、ヴィンセント自身を捕らえる。そっと愛撫を始めると、ヴィンセントがしがみついてくる。自在に刺激され、更に艶かしい喘ぎを漏らす。ヴィンセントが切なげな瞳で見つめる。
「あぁぁっ」
シドに貫かれ、大きく仰け反る。沸き上がる快感に身も心も委ね、ヴィンセントが更に乱れる。そんなヴィンセントを、シドは優しく見つめる。シドが奥深くへ突き上げるたびに、ヴィンセントの喘ぎが激しくなる。そして、2人同時に絶頂を迎えた。
「・・・そろそろ、一番星の光り出す頃だぜ」
うっすらと茜色に染まる空を見上げ、シドがつぶやく。
「・・・あんたは、本当に空が好きなんだな・・・」
半ば呆れたような、だが笑いを含んだヴィンセントの声。
「あたぼうよ、俺ぁ飛行機乗りだ。・・・チョコボもいいが、俺ぁやっぱり飛行機の方がいい。」
そういって、煙草をふかす。その仕草を、ヴィンセントはかすかに微笑んで見つめていた。