「エアリスのネックレス」


投稿者 チープサイド 日時 1997 年 9 月 21 日 11:50:38:

タイトルの通り、二つまとめて書いちゃいました!
ザクエア書きたいし、クラエアも書きたいし…ってことで二つ一緒にしてしまえ!と書いてしまいました。
続編もそのうち出します。
以前書いたクラウドとエアリスの結婚式の少し前、という設定で。


「ねえ、そのネックレス、誰にもらったの?」
エアリスがいつも首にかけているネックレスを外して、ベッドの横の小さいテーブルに置くのを見て、ベッドの上で上半身を起こしているクラウドは聞いてみた。
「え?」
エアリスが寝る前、いつもやっている行動だ。いつも寝る前にそれを外し、そっとそばのテーブルに置く。とても大事な物のようだ。
「ああ、これ、ザックスに初めて買ってもらったんだ。すごくうれしかったこと、覚えてる。」
ほほ笑んで、それを持ち上げる。
「そんなに高価な物じゃないけど、わたしにとっては宝物。大切な、彼の思い出。」
ネックレスを見るエアリスの横顔は、少し寂しそうだ。
「ふーん…。」
何かクラウドは、聞いてはいけない事を聞いてしまったような気がした。エアリスの心の古い傷を、つっついてしまったようで。
「聞いちゃ、いけなかったかな…?」
「ううん、いいの。今はもう、クラウドがそばにいてくれるから……。」

「よお、エアリス!済まなかったな、一カ月も。」
前と変わらない底抜けに明るい声で、ザックスがやって来た。
「ほんとに久しぶり!任務、ご苦労様!」
エアリスも明るく返事を返す。
八番街ステーションで、久々に二人は会った。ザックスはなんだかいろいろな任務で、一カ月の間世界を飛び回っていた。
「俺がいない間、いい子にしてたか?エアリス?」
肩を組むと、ザックスがいたずらっぽく聞いて来た。目が、生き生きと輝いている。
「もう、私、子供じゃないよ!」
ちょっと膨れた顔をする。
「それじゃ、大人っぽく行くか!」
そう言って、急にザックスは真顔になると、クルリと向き直ってエアリスを正面から見つめ、エアリスの肩に両手をおいた。
「久しぶりだね、エアリス…。会いたかったよ。」
エアリスが、ちょっと戸惑ったような顔をしている。
「いつ見ても君はきれいだ。君に会えなくて、寂しかったよ。」
すっと顔を近づけ、エアリスの頬に軽くキスをする。
「もうザックス、そんなの、あなたに似合わないよ!」
エアリスがくすくす笑っている。
「そうかなあ?いいセン行ってると思ったけど?」
「私、ふだんのザックスのままが、格好いいと思うけどな。」
「んー、ま、いっか!」
そして、エアリスに笑いかける。
「それじゃ、行こうか!」

「どうしたんだ?エアリス?」
立ち止まってショーウインドをじっと見つめるエアリスに、ザックスはたずねた。
「え?あ、なんでもない。」
ザックスの声で、我に返った顔でエアリスが言った。
「何を見てたか当ててやろうか?あれだろ?」
笑い顔でザックスがショーウインドを指さす。その先には、ネックレスがいくつも飾ってあった。
「当たりだろ?」
ザックスが聞いてくる。
「ん、ちょっといいなって、そう思っただけ。」
しかし、エアリスが言ったことと反対のことを思っているのは、すぐに分かった。
「エアリスには、これが一番似合うかな。」
エアリスの言葉を聞いていなかったように、すたすたとザックスはショーウインドに歩み寄り、中の一つを指さしている。
エアリスがそれを見てみると、そんなに派手ではない清楚な感じのネックレスだった。
「エアリスは、そのまんまでとってもきれいだから、あんまり派手なアクセサリは似合わないと思うよ。うん、エアリスに一番似合うのはあれだな。」
ザックスは一人でうなづいている。
確かにエアリスが目を引かれたのもそれだ。そんなに派手なものよりも、あれくらいの飾りの方がいいな、と思う。
「ザックス、私、ほんとにちょっといいなって、思っただけなんだから。ねえ、行こうよ。」
エアリスがザックスの腕を引っ張る。
「そうかぁ?エアリスがそう言うんじゃ、仕方ないか…。」

「ねえ、次はいつ会えるの?」
六番街スラムの、みどり公園から七番街スラムのステーションに向かいながら、エアリスはザックスに聞いた。
「しばらくはそんなに任務もないし、ほとんどミッドガルから出ないと思うよ。4・5日すれば、また会えるさ。」
「よかったあ。一カ月も会えなくて、やっと会えたら、またしばらく会えない、なんてことにならないで。」
ほっとした顔で、エアリスが言う。
「大丈夫、しばらくはそんなに忙しくはならないよ。」
汽笛が鳴り、駅に汽車が入って来た。
「じゃな、帰り道、気をつけろよ。」
ザックスが軽く手を挙げて、汽車に乗り込む。
「じゃあね〜、ザックス!」
エアリスが笑顔で手を振る。
その明るい笑顔を見て、ザックスはふと、エアリスが見とれていたネックレスを思い出した。


なんかすごい無理矢理切ってしまったな…
ちなみに六番街スラムのの「みどり公園」ってほんとにあるんだよ。ウォールマーケットの手前の公園がそういう名前。
ほんとだよ。ルーペでみてごらん。

いま子供のエアリスの話を考えてるとこ。
シリアスもんじゃなくてコメディー系かな?
(ナナキ×エアリス、ラブラブハッピーエンドのネタあるならとっとと文章にしんかい!!セフィ×エアも…)


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