過去への回帰(その4)

*注:「過去への回帰(その3)は"プレジデント神羅×シド"のコーナーへ展示しています。

投稿者 いかそーめん 日時 1997 年 9 月 18 日 16:30:39:

 鬼畜なシド受け第2弾……今回は本命(?)リーブ×シドでございます。
 風邪引いてるってのに何やってんだろねあたしゃ(爆)仕事もしろ自分!
 でも止められない……だってシドを愛してるんですもの……(じゃあこんなん書くな)
 次々と酷い目に合わされるシド・ハイウインド(22歳)……果たして彼に救いはあるのだろーか(爆)
 では、本文をどうぞ。




 白い紙が舞う、薄暗い室内で、男は魅入られたようにその身を硬直させていた。
 熱気の篭った濃密な空気が身にまとわり付き、情事の放つ匂いが脳を眩ませる。
 彼の目の前にある机の上で、ふたつの影が絡み合っていた。
 舞い散る紙片がその周囲を彩り、どこかこの世ならざる非現実的な雰囲気をかもし出す。
息すら出来ず、たたずむ彼の目の前で、机の上の影がもうひとつの影からゆっくりと身を引き起こした。
 胸元を大きく開けた壮年の男が、ぐったりと脱力し、意識を失っている己の下の青年を見下ろす。その口元には、他者を屈伏させ、己の物にした事への満足に歪んだ笑みが浮かんでいた。
 その男は、息を呑んでたたずむ彼に目を向けると、何事もなかったかのように言葉を発した。
「どうした? 書類を拾いたまえ、リーブ君」
「は――はい、社長」
 刹那、リーブと呼ばれた男は呪縛から解き放たれたかのようにその身を動かした。
 身を屈め、部屋中に散らばった紙を集め始める。
 彼は、殊更机の上には注意を払わないようにした。肌が汗ばみ、手にした書類に皺を作る。
 彼はようやく書類を整えると、ゆったりと身繕いするプレジデントに向け、その書類を差し出した。
「これがミッドガルの都市開発計画書です……」
 敢えて事務的に言葉を押し出す。プレジデントは静かな瞳でそれを受け取り、微かな笑みを上らせた。
「随分と汚れているな……」
 そのまま、読みもせず屑篭へ放り込む。
「新しいのを作成し、後日、改めて提出してくれたまえ。その時に目を通そう」
「は……」
 リーブは何も言わず、ただ短く応えた。プレジデントの電話を受けた時から、ある程度の予測はしていたことだ。
 彼は頭を垂れ、言葉を発した。
「では、私はこれで失礼します……」
「待て」
「は?」
 退出し掛けたリーブをプレジデントが呼び止める。彼はシャツに手を掛けながら、無造作に命令した。
「私はもう寝る。後始末は君に任せた」
「は――!?」
 リーブの瞳が驚愕に開かれる。彼は一瞬、何を言われたか理解出来なかった。
 プレジデントは酷薄な笑みを浮かべ、卓上の青年を目で指し示した。
「あれを片付けろといっている。君の好きなようにやりたまえ」
「し、しかし――」
「二度も同じ事を言わせるな。――任せたぞ」
 それ以上問い掛ける事を許さず、プレジデントはシャワールームのある奥の寝室へと姿を消した。扉が閉ざされると同時に、場が沈黙に支配される。
 リーブは暫し呆然と閉ざされた扉を眺めやった。やがて小さく息を吐き出し、肩の力を抜く。
 プレジデントの悪癖は遠い噂に聞いていた。誰もが直接口に上らせた事はないが、幹部の中には実際に呼び出されたり、このように情事を見せ付けられる者が居ると云う。
 それがよもや己の身に降りかかるとは思っていなかった。彼は重い溜め息をつくと、机の上の青年に視線を走らせた。
 彼は全身をびっしょりと汗に濡らし、意識を失っていた。その体は未だに熱を放ち、荒い息と共に上下する胸の上を、筋肉のラインをなぞるように汗が伝い落ちて行く。額には汗に濡れた金髪が張り付き、どこか艶めかしい雰囲気をかもし出していた。
 ぐったりと脱力するその体には、痛々しい陵辱の後が残されていた。以前は美しかったであろうその肌も、今はプレジデントに刻まれた刻印によって、見る影もない。
 辛そうに歪められたその顔には見覚えがあった。伝説のパイロットと謡われ、次期宇宙開発計画の有力なパイロット候補としても名を上げられている人物――シド・ハイウインドだ。
 直接の面識はないが、リーブは彼の事を良く知っていた。もとより、今最も人々の関心を集めている人物である。都市開発部門に所属しているリーブは、人々の意識調査を進める関係も有り、シドのデータに関しては一通りのものを揃えていた。
 それが、よもやこのような形で本人と出会うとは思わなかった。彼のデータやその人物評から見ても、およそこんな場とは無縁の人物に見える。
 リーブは無残な姿を晒す青年を見下ろし、暫し心を痛めた。――どのような取り引きが行なわれたかぐらい、考えなくても解る。彼の性格からして、これほど屈辱的な行為はなかっただろう。彼は、その夢と誇りを引き換えに、大切な何かを削り落としてしまったのだ。
 不意に、リーブの脳裏に先程のシドの狂態が浮かび上がった。プレジデントに組み敷かれ、快楽にうち震えながらも、なお己を貫いた青い瞳――。その激しい眼差しに、リーブは射すくめられたように動けなくなったのを思い出した。
 怒りと、羞恥と、屈辱と――そして激しいまでの、誇りを持った眼差しだった。プレジデントに己をずたずたに引き裂かれたであろうにもかかわらず、その瞳は輝くまでの強さを秘め、リーブを打ち据えた。
 何故か息苦しさを感じ、リーブはその記憶を脳裏から押し遣った。喉が乾き、体内が火照り始める。
 リーブは軽く喉元を緩めると、敢えて頭を事務的に切り換え、卓上のシドの体を抱え上げた。
 刹那、シドの肌に立ち込める情事の残り香がリーブの脳を直撃した。未だ熱を失わぬ熱く火照った体が、服越しにもリーブへと伝わって来る。リーブの脳裏に再びシドの狂態が走り抜けた。電話越しに聴いた、彼の押し殺したあえぎ声が耳に蘇る。
 ごくりと喉が鳴り、リーブは慌てて頭からその記憶を追い出した。極めて事務的になるよう己の心に言い聞かせながら、シドの体をソファに横たえる。
 彼はテーブルの上に載っている、酒を冷やしていたクーラーを引き寄せた。瓶を抜き取り、水滴を拭くために置いてあったタオルを氷水の中に浸す。
 それを固く絞ると、彼は意識の無い、熱く火照ったシドの体に、その冷たいタオルを押し当てた。
 意識の無いはずのシドの体がビクンと反応した。急激に冷やされたためだろう。リーブはゆっくりとタオルを滑らせ、汗に濡れたシドの肌を丹念に拭き始めた。
 いくら拭き取っても、シドの体はすぐに熱を持ち始めた。火照った身体から、発情した時に発せられる体臭がほのかに立上る。
 拭いているタオル越しに、シドの肉体の張りが手に伝わってくる。リーブは再び息が苦しくなって来るのを感じていた。
 見事な肉体だった。しなやかな筋肉に鎧われた全身には一部の隙もなく、その躍動する様を容易に想像する事が出来た。現役パイロットであり、槍術の達人であるとも聞くその体は、少しも無駄の無い、実践的に鍛え上げられた体付きをしている。そこかしこに散らばる、プレジデントに嬲られ、陵辱された証しである赤いあざだけが、奇妙に際立って見えた。
 男の色香を漂わせる体だった。リーブは再び喉元を緩め、大きく息を付いた。
 彼に同性愛の趣味はない。だが電話越しに聴いたシドのあえぎ声と、目の前で果てたその狂態が、リーブの脳裏に鮮明に焼き付いていた。
 そして、目の前に横たわる熱を持った体が、リーブの平常心をかき乱す。彼は、どうしてもその姿と脳裏に浮かぶ記憶を重ね合わせてしまうのを、止める事が出来なかった。
 リーブは大きく頭を振り、その考えを無理矢理押し遣った。タオルを再び氷水に付け、新たにシドの体を拭き始める。
 そのタオルが下腹部へと触れた瞬間――不意に、シドはビクリと身をのけぞらせた。
「や……め……」
 その口から、呻き声が洩れる。目蓋が開き、焦点の合わない青い瞳が姿を現した。
 一瞬、リーブは息を呑み、その動きを止めた。シドの瞳がぼんやりと宙をさ迷い、やがて、リーブの上で止まる。
 刹那――瞳が急速に焦点を結び、その身が激しく強ばった。
「や――めろ! 見るな!!」
 血を吐くような声と共に、その手がリーブを突き飛ばそうとする。リーブは暴れる彼を取り押さえながら、言い聞かせるように叫んだ。
「待て、落ち着け! もう終わったんだ、私は何もしない!」
 だが彼は暴れるのを止めなかった。未だ体内に残る薬の影響がなければ、リーブはいともたやすく弾き飛ばされていただろう。
 リーブは全身で彼を押さえ込もうとしながら、再び叫んだ。
「落ち着け、シド・ハイウインド! もう終わったんだ!」
「見るな――俺に触るな!!」
 刹那、燃えたぎる炎の瞳がリーブを貫いた。
 激しい眼差しだった。思わず息を呑み、リーブは動きを止めた。
 あの時と同じ瞳だった。激しいまでの誇りと、輝きに満ちた瞳。
 リーブは悟った。彼はプレジデントに陵辱された事に怒りを抱いているのではない。その仕打ちに翻弄され、陥落してしまった己自身が、許せないのだ。
 リーブは、その瞳に魅せられた。その瞳には、見る者を引き込む、力強さを秘めていた。
 動きが止まったリーブの隙を突き、シドは無理矢理身を引き起こした。そのままソファから抜け出そうとし、がくりと膝を付く。
 咄嗟に伸ばしたリーブの腕の中に、シドの体が転がり込んだ。
「畜生……!!」
 苦渋を込めた押し殺した声が耳元で上がった。刹那、リーブは己の心臓がドクンと脈打つのを感じた。
 あまりにも誇り高い心だった。服越しに染み込んで来る肌の熱さと、ほのかに立上る体臭が、リーブの脳を眩ませる。
 リーブの胸の奥を、不意に強い衝動が突き上げた。
 それが限界だった。リーブは衝動に駆られるまま、シドをソファへ押し倒した。
「なん……っ!?」
 シドの顔が驚愕に彩られる。だが言葉を発するより早く、リーブの唇がその口を塞いだ。
「んっ……! んんんっ!!」
 拒絶の声と共に振りほどこうとする。だがリーブはその頭を押さえ込み、貪るようにその唇を吸い上げた。シドの口の端に残る血の味が口内に広がり、リーブの激情を更に掻き立てる。彼は無理矢理舌を押し込み、シドの舌と絡ませた。シドの手がリーブの髪を掴み、その頭を引き離そうとする。だがリーブはそれに構わず、深く、深く舌を絡ませ、息の詰まるような口付けを続けた。
 嵐のような口付けを交わしながら、リーブはシドの体をまさぐった。荒々しい愛撫に、シドの体が反応しはじめる。
「んぅっ……!! ううっ!!」
 シドは爪を立て、リーブの頭を掻き毟った。爪が頬をかすり、赤い筋を浮かび上がらせる。リーブはようやくシドの唇を開放すると、貪るようにその舌を首筋へ滑らせた。
「ち……くしょう!! てめぇっ、離れやがれ!!」
 リーブの体を押しのけようとしながら、シドはようやく怒声を張り上げた。その顔が怒りにドス黒く染まる。だがはね避けようにもその腕には力が篭らず、熱く火照る肌はリーブの激しい愛撫に反応し、疼くような快楽に震え出していた。
 リーブは熱に浮かされたようにシドの体を求めた。そのたくましい肉体に舌を這わせ、首筋から胸筋へ、胸筋から腹筋へと、しゃぶり付くように愛撫を加える。
 そのたびに、シドの体は過敏に反応した。未だに体内に残る薬の影響がシドの体を苛ませ、再び屈辱に身を染めて行く。
「て……めぇ……!! 止めろ! 俺様から離れろ……っ!!」
 激しい怒りと屈辱の滲んだ声でシドは叫んだ。だがその声が余計リーブの神経を高ぶらせる。リーブは、再び隆起し始めたシドのそれに手を絡ませた。刹那、ビクリとその身が震える。リーブはシドの全身に口付けを交わしながら、それ自身へ濃厚な愛撫を加え始めた。
 電流のような快楽に打たれ、シドの体はたやすく燃え上がった。愛撫を加えるたび、リーブの腕の中でその身が跳ね上がる。リーブはシドの首筋に歯を立てながら、己の激情に駆られるまま、熱くたぎるそれをシドの内部へと突き立てた。
「はぁっ……!! あっ……!!」
 シドの背が弓なりに反る。未だプレジデントの精が残るそこは、リーブのそれを迎え入れ、熱く脈打っていた。リーブが動くたび、シドの背が大きくのけぞる。リーブは己の内に湧き上がる、理由も解らぬ高ぶりに流されるまま、激しくシドを責め立てた。
 ともすれば苦痛にさえなりかねないその愛撫も、今のシドには強烈な快楽となって全身を貫いた。その口から、嬌声とも悲鳴ともつかぬ声が零れ出る。止めようとしても止められない。執拗なほどのプレジデントの愛撫を受け、そして荒々しいリーブの愛撫に責め立てられて、シドの体は触れられるだけで達してしまいそうなほど、過敏に高められていた。
「はっ……あぅっ……! ち……くしょ……てめぇ……許さ……ねぇ!!」
 嬌声に混じり、その口から血を吐くような声が吐き出される。
 プレジデントに打ち砕かれボロボロにされたプライドが、更に引き裂かれ、赤い血を流していた。
 気の狂いそうなほどの怒りと屈辱が、シドの心をかき乱していた。プレジデントに陵辱された時は、まだ脅迫されていると言う理由があった。だがこの男は違う。見も知らぬ、何の関係も無い男でしかないのだ。その男に嬲られ、犯されているという事実が――己が身がその愛撫を受け入れ、更なる快楽を求めてしまっているという事実が、傷つき、脆くなったシドの心を深くえぐり、大きな爪痕を刻み付けていた。
「畜生……殺して……やる……殺してやる……っ!!」
 魂の慟哭にも似た、悲痛な叫びがその口から洩れる。シドはリーブの背に爪を立てながら、ただ、その言葉を叫び続けた。
「殺してやる……!! 殺してやる……っ!! 殺してやる……っ!!」
 その声が、異常なまでにリーブを高めていく。リーブはシドの体をかき抱くと、貪るように唇を重ね、シドの口内を嬲った。押し殺された声がシドの喉の奥で上がり、その手がリーブの体を掻き毟る。
 リーブは激情のまま、深く己を突き上げた。シドの身が大きく震え、リーブ自身を締め付ける。
 リーブは今までに無い、激しいまでの快楽に身を灼かれながら、シドの中に己の劣情を迸らせた。


 暫くは、動けなかった。リーブは荒い息をついたまま、シドの上に身を投げ出していた。髪は乱れて額に落ちかかり、汗に濡れた服はボタンが引き千切られ、胸元が大きく乱れている。顔や首筋にはシドの付けた赤い爪痕が残され、所々血の筋を浮き上がらせていた。
 炎のような一時だった。激しく燃え上がり、身も心も灼き尽くされた。ここ最近――いや、若い時分でさえ、このような激しい情交を行なった事はなかった。
 リーブは未だ快楽に痺れる身をようやく起こし、シドの顔を見返した。
 シドは、再び意識を失っていた。身も心もボロボロに打ちのめされたその体は、力尽きたように脱力し、ピクリとも動かない。リーブはシドから身を離しながら、ようやく胸中に理性が戻って来つつあるのを感じた。
 快楽の余韻の残る頭は鈍く痺れ、未だ正常な思考が出来なかった。だがそれでも、己の行為がどれほど非道なものか、その事実がゆっくりと脳に浸透していく。
 リーブは、今更ながら己のした仕打ちに愕然とした。なぜ己がこのような事をしてしまったのか、自分自身信じられぬ思いで己の下の青年を見下ろす。
 そこには、己のした無残な仕打ちの証しが残されていた。意識の無いシドの体にはプレジデントに付けられた赤いあざが無数に散らばり、更にその上にリーブが刻み付けたあざが重なっていた。肩や首筋には、無我夢中で抱いていた時に付けた彼の歯形が残されている。力無く横たわるその体は痛々しいほどにまで傷つけられ、以前の輝くような肉体の面影は、見る影も無く失われていた。
 リーブは目眩を覚え、額に手を当てた。彼は混乱していた。何かを考えようにも、立ち込める濃密な空気と、未だ体に残る甘い快楽の余韻が、彼の思考能力を奪って行く。
「どうした? もうお終いかね」
 不意に背後で響いた声に、リーブは撃たれたように身をすくめた。
 心臓を氷の手で鷲づかみにされたように、急速に胃の腑が冷えていく。聞き慣れたその声は、硬直し、身動きが取れぬリーブを嘲笑うかのように、言葉を続けた。
「中々面白い見世物だったよ……よもや君にそのような激しい一面があるとはな」
 リーブの背後から、人の気配が近寄る。リーブは動けなかった。喉が乾き、肺が酸素を求め、あえぐ。だが息すら出来ず、彼は彫刻のように固まっていた。
 真後ろまで近付くと、その人物は不意に背後からリーブの顎を掬った。リーブの身がビクリとうち震える。その人物はリーブの耳元に口を寄せると、呪詛のような言葉を注ぎ込んだ。
「彼の体は素晴らしかっただろう……リーブ君」
「しゃ……社長……」
 リーブの喉から、掠れた声が零れ出た。微かに弁解めいた響きを持つ声音に、ゆったりとしたガウンに身を包んだプレジデントは、面白げに顔を歪ませた。
「気にする事はない……君は自分のしたい事をやったまでだ。……そうだろう?」
「私……は――」
 リーブは咄嗟に言葉を紡ごうとした。だが喉に絡まり、声にならない。その様を残忍な笑みで見つめ、プレジデントはリーブの胸元にするりと手を差し入れた。
 ビクリとその身が強ばった。プレジデントの手が胸元を這い回り、肌を嬲る。リーブは身を震わせながら、掠れた声を絞り出した。
「しゃ……社長……お止め下さい……!」
「何故だね? 君もこうしたのだろう? ……シド・ハイウインドに」
「――っ!!」
 刹那、リーブは息を呑み、その身をすくませた。プレジデントは彼の体をまさぐりながら、残酷な笑みを含ませた声で言葉を続けた。
「彼の肌はどうだったかね? ――熱く、この身に吸い付いて来そうだったろう? あの若々しい体が己の腕の中で悶える様はどうだったかね……?」
 熱を持ったプレジデントの声が耳に滑り込む。リーブの脳裏にシドの姿態が鮮やかに蘇った。その肌の熱さ、腕に抱いた若々しく張りのある肉体、脳裏に溶け込む、押し殺した屈辱にまみれたあえぎ声……。
 プレジデントは喉の奥で笑うと、背後からリーブの身を引き寄せ、濃厚な愛撫を始めた。リーブの体が、微かな抵抗を見せるように強ばる。だが首筋に顔を埋め、囁き掛ける熱いプレジデントの声に、リーブの理性はクリームのように溶けて押し流されていった。
「ここを責められた時、彼はどんな反応を返した? 声を押し殺したかね、それとも君を罵倒したかね? ……くくっ、つくづく楽しい相手だろう? 彼は……」
 言葉と同時に、その手がリーブの敏感な部分を刺激する。リーブはビクリと身をすくませながら、再び異常な高ぶりに身を包まれていくのを感じていた。プレジデントの愛撫と、己が抱いたシドの記憶とが重なり、渾然とした快楽をその身に与える。
 不意に、プレジデントの指がリーブの秘部を捉えた。リーブ自身が溢れさせた愛液を指に絡ませ、ゆっくりと侵入させる。刹那、ビクリとリーブの背がのけぞった。
「しゃ……ちょう……や……め……!!」
 その懇願を意にも介さず、プレジデントは深くその指を蠢かした。苦痛と快楽の狭間に揺れるリーブの耳に、再び粘り付くような声で囁きを繰り返す。
「彼のここは熱かっただろう? 熱く脈打ち、絡み付いて離そうとはしてくれなかっただろう? ……もっと抱きたいのではないか? めちゃくちゃに犯し、嬲り、壊してしまいたいのではないか……?」
 呪詛のような言葉が脳裏に染み込んで来る。犯されているはずなのに、シドを犯した生々しいまでの感触が蘇る。その両方の快楽に翻弄されながら、リーブは急激なまでにその身を高ぶらせていった。
 不意に、プレジデントの指が引き抜かれた、と同時に、更に熱く、脈打った物が押し込まれる。リーブの内部に侵入したそれは、今までに無い、強烈なまでの感覚をその身に刻み込んだ。
「あ……!! ああ――!!」
 その口から、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声が迸る。プレジデントは満足げに目を細めながら、リーブの体を引き寄せ、更に腰を律動させた。
「いい声だ……実にいい。彼にもそんな声を上げさせてやりたいと思わんかね? 嬲り、跪かせ、屈服させてやりたいとは思わんか? あの瞳を、彼の誇りを、打ち砕いてやりたいとは思わんかね……?」
 殊更嬲るように告げるプレジデントの声と共に、目の前に横たわるシドの裸体が目に飛び込む。リーブは胸の内に先ほどと同じ衝動が沸き上がって来るのを感じていた。甘美な、灼き尽くされるような快楽が身の内に駆け上がる。その耳に、プレジデントの熱を持った呪詛の言葉が注ぎ込まれた。
「己の欲望を解放したまえ、それが人間の最も美しい姿だ。全てを暴き、貪り、奪い尽くすがいい。己の心に素直になれ。快楽をその身に受け入れるがいい……」
 プレジデントの言葉がリーブの脳を犯し、心を犯し、体まで犯して行く。もはや耐えられなかった。激しく燃え上がる快楽に身を包まれ、大きく体を震わせる。
 リーブは何も考えられぬまま、己の欲望に任せ、今までにない激しい絶頂をその身に迎えた。




 ……とゆー訳で、意表を突いたプレ×リーブまで書いてしまいました……。
 前人未踏の茨の道を突き進む俺……でもって次もまた前人未踏の鬼畜な獣道。
 お待ちかね(?)10年後、すなわち40代のリーブ×32歳のシドでございます。
 親爺を押し倒す親爺の強姦魔(爆)……今までの中で一番濃いかも……(^^;)
 ところで皆さんに質問。ケット・シー+デブモーグリ+リーブ×シドって見たいですか?(爆)
 いや、さすがにそれは鬼畜かなって思って躊躇ってんだけど……(^^;)

 ああっ、リーブファンの人ごめんなさい、本当は私もリーブさん好きなのよ〜っ!
 剃刀レターは上のメルアドまで送ってね(笑)
(でも本当に爆弾とか送ってくるの止めてね(^^;)会社のだから(爆))
 ではまた。次回も待って下さる方には感謝の歌を(^^)(←やめれ)
ノ!--========================================================================-->


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