おやじとユフィ


投稿者 めしこ。 日時 1997 年 9 月 18 日 09:08:03:

シドとユフィのお話しです。この二人しか出てこないといっても過言ではないです。またもや、ちょっとくさめですが、よろしければ読んで下さい。


コルネオがタークスによってつぶされた後、クラウド一行はそのままウータイで一晩過ごすことをきめた。
「じゃ、あたしは自分の家にいるからさ」
そういって、ユフィはさっさと自宅へ引き上げてしまった。皆、父親と同じ屋根のしたにいるのがいやなのだろうと思い、誰も何も言わずにゴトーの家へと向かった。一人を除いては。

「さて、一服してくるか」
シドはそういって、外へ出ていった。寝たばこ厳禁という誰がいいだしたかは一目瞭然だか、一行にはそういう決まりがあった。それゆえ、シドは夜になるとほたる族化するのである。
『さてと・・』といいつつ、シドはゴトーの家を離れふらふらと道を歩いていった。行き先はむろんユフィの家である。軽くノックをすると少し間をおいてから、
誰だよ、という声がかえって来た。来訪者がシドであることを確認してからゆっくりと玄関は開いた。
「なんだよ、こんな時間に。かわいいユフィちゃんを夜ばいしにでもきたの?」
あいかわらずの口調でしゃべっているユフィだが、少し目の回りが赤い。やっぱりな、と思いながらシドはユフィを引き寄せた。
「なっ、なにするんだよっ」
あわてて、ユフィは離れようとしたが、思ったよりシドの腕は強かった。
「つらいことにあったあと泣くのはなぁ、結構力をつかうんだぞ。一人なんかで泣いたりしたら余計に力をつかっちまうんだ」
「あんなことぐらいでこのユフィさんが泣くと思ってんの?」
シドはまだ、虚勢をはるユフィの頭をポンポンと軽くたたきながら抱きしめた。
「あんだけ仲間がいるんだからこういう時は頼りゃあいいじゃねえか」
「だって・・」
ユフィにしてみれば、いくら仲間とはいえこんな会って間もない連中に自分の情けない所を見られたくないに違いない。しかも、さっきまでいくら国のためとはいえだまして盗みを働いた連中にだ。シドもそんな心をわかっていた。しかし、女にあんなことのあったあと誰にも頼れずに一人泣きさせるなどそんなまねはさせたくはなかった。未遂とはいえあんなのに捕まってどんなことをされるか想像しただけで寒気が走るだろう。
「こういうときはな、女は男の胸でおもっいっきり泣いちまえばいいんだよ。そうすりゃ、すぐに忘れられる」
「なんで、男なんだよぉ」
まだ、プライドを捨てきれないユフィがどうにか抵抗しようとしてそういった。
「理屈なんてねえよ、そういうもんなんだ。けど、男もなどうしようもねぇときは女の胸で泣くんだよ。それでみんな悲しみから立ち上がるんだよ」
本当はおめぇぐらいの子供は親にそうしてもらうのが一番なんだけどな。と、シドはいいたかったがそれで逆上されても困るのでだまっていた。ユフィはなんだよそれ、といいながらも泣き出していた。
しばらくしてユフィが泣きやむまでシドはずっと軽く抱いて頭をなでていた。

「も、いいよ。ありがと」
そういって、ユフィははなれた。
「じゃ、おれは戻るからよ。明日までにそのツラなんとかしとけよ」
みんなには秘密にしていてくれるらしいので、ユフィは少し安堵した。
元きた道をまたふらふらと帰りながらシドはもうこれでユフィは悪夢は見ないだろうということと、もう一つ自分でいったことを考えていた。
あいつはおれがああなった時にだまって胸を貸してくれるだろうか。ロケット村をでて、数年がたったかのような気分になり自分の家で待っているシェラが恋しくなっていた。
「ま、考えたってしかたがねぇ、この旅が終わってから聞いても遅くはねぇし。今は星を救うことに集中するか」
シドはロケット村の方向を確認してから皆のもとへと戻っていった。

おわり。

結局最後にシドシェラとしてしまいました。なんだかな・・・
今回は前にシドとユフィの話を、というレスがあったと思うんですが、それを読んでこの二人だとなにがあるかなーと考えまして思い付いたことが『シドの胸でユフィを泣かせてみたい』ということでした。
しょうもないです。はい。
ここまで、読んでくれたかた、どうもありがとうございました。


[小説リユニオン「改」トップへ]