「検察捜査」第5章


投稿者 京都太郎 日時 1997 年 9 月 17 日 04:48:38:

今、雨降っています。明日近畿地方は警報出るんでしょうか?
できることなら学校休みになってほしいよ〜!



神羅カンパニー25階。ずらりと並んだパソコンは30台はあろうか。特殊工作員のイリーナは、その一台のデスクトップに向き合っていた。
「ふぅ」
軽くため息を吐いて、肩をたたく。
イリーナは今、来期売り上げ予想をグラフにしていた。別にタークスのする仕事ではないのだが、暇だから、という理由で営業部に委託されている。
「ほれ、コーヒー」
不意にカップを渡され、イリーナは後ろを見た。
「ああ、ツォン先輩・・」
いつのまにかタークスの代表格のツォンが立っている。
「大変だな、営業部のマワシか?」
「はい。でも何もしなかったら、腕がなまっちゃいますから」
「頑張ってくれよ。タークスでパソコンが扱えるのはお前だけだから」
ツォンは苦笑しつつ、「俺も少しはパソコンが出来たらなぁ」
「先輩、良かったら私レクチャーしますよ」
「レクチャー? そんなの無駄無駄! 機械類からっきし駄目だから!」
ツォンは大袈裟にリアクションをしてそう言い、
「じゃあ、頑張れよ」
と、帰ってしまった。
「あ〜あ、帰っちゃった」
イリーナはまた、パソコン室に一人になってしまった。ゆっくりと、ツォンのくれたコーヒーを飲む。
ーーツォン先輩は気がついているのかしら? あたしがツォン先輩の事、好きだって事を。私の態度がはっきりしないのがいけないのかなぁ? それともツォン先輩が鈍いだけかしら・・先輩!失礼な事思ってごめんなさい!
「さて、やるか!」
気合いを入れ直して、再び作業をはじめる。
するとすぐ、扉が開いた。
「ツォン先輩?」
一瞬期待してそちらを見たが、入ってきたのは意外な人物だった。
「エアリスさんにクラウドさん・・どうして、こんな所に?」

ミッドガル地方検察庁1階、ロビー。
大理石と革のソファが備えられ、まるで一流ホテルのようだ。
地検関係者や警察関連の人間が時々出入りして、そこで簡単に打ち合わせをしている。そこに、似つかわしくない人物が一人。
「全くヴィンセントの野郎、どこ行きやがったんだ!」
ソファにデンと座り、足をテーブルに投げ出しているのは、特捜部捜査員のシドである。
特捜部の部屋にいても、押収の段ボール箱を蹴飛ばしたりと邪魔ばかりなので、自主的にロビーに避難してきた。しばらくして特捜に戻って見ると、相棒のヴィンセントが居なくなっている。さんざん探したが、どこにも見当たらない。そこでひとまず、ロビーに戻ってきたのだ。
「ったく勝手な行動しやがって・・」
イライラと煙草をふかし始めた時。ロビー中に響く大きな声で、別の捜査員がシドを呼んだ。
「シド捜査官!」
「おぅ! ヴィンセントは見つかったのか!」
「いえ、まだ見つかっていませんが、違うものが見つかりました!」
「けっ! どーせろくなモンじゃねえだろ」
「違いますってば! 神羅とルーファスで金が流れているっていう証拠です!」
「なんだと?」
シドは思わず立ち上がった。
「本当です! このフロッピー!」
その捜査員は右手の黒いFDを上げて見せた。
「暗号名も分かりました! 『チョコレート』です!」
数時間後、正式な逮捕令状が出された。しかし、まだそれは、先の事だった・・・。

「『チョコレート』、ですか? ・・さぁ」
イリーナは、首をかしげた。
パソコン室には、イリーナとエアリス、クラウドしかいない。あとは30台のパソコンと壁の棚にパソコンの関連書、それに何故か不釣り合いな日本刀ーー正宗という名前らしいーーが壁に飾られていた。
「分からない? 昨日営業部に検察捜査が入ったのは知ってるわね」
「はい、何か騒いでいましたから」
「会社が総会屋のルーファス氏に金を渡した、って理由で調べられたんです」
クラウドが説明する。
「うちの会社から、ですか? まさか信じられない・・!」
イリーナは驚いた表情を見せる。
「でも、事実なんです、イリーナさん」
クラウドは済まなさそうに言った。
「私とクラウド、それにセフィロス部長のみの秘密事項で行われていた事なの。それの暗号名が『チョコレート』なの」
「嘘・・そんな・・」
イリーナは会社がそんな事をしているとは思いもよらなかったのか、絶句した。
「それでね、私たちは金をルーファスさんに渡す時、社内Eメールで知らせ合っているの。勿論コトが済めば、すぐに削除するけどね」
「はぁ・・」
エアリスの勢いに、イリーナはただただ茫然としていた。
「私たちが今、検察への密告者を探しているのは、さっき言ったわね」
「はい」
「その密告者が『チョコ』の事を知った方法が分かったの。ーーEメールを盗み見れば、誰だって不正な金の事を察知するわ。つまり、Eメールが見れたらいいわけよね」
「・・・」
「これ、何かわかりますか」
クラウドは机に、黒いコードを載せた。
「さぁ・・」
「隠しカメラなんです。僕の机の近くの観葉植物に、隠されていました。このコードには、端末から電波が発せられ、映像が送られる仕組みになっているんです。その受信部がーーここにあるんです」
クラウドの言葉をイリーナはすぐには理解しなかったようだ。少しして、
「・・どういう意味ですか?」
「ちょっとパソコン借りるわね」
エアリスはイリーナのパソコンを扱い始めた。するとグラフの画面が一変し、『チョコ』のEメールとクラウドの姿が17インチディスプレイに映し出された。隠しカメラから送信された映像だ。
「・・・!!」
さすがにイリーナは動揺したようだ。
「・・このパソコン、あなたのよね」
「・・・」
「それに隠しカメラの映像が受信されている・・おかしいわね」
「・・つまり・・私が・・密告者だと・・」
イリーナの声は震えていた。
「疑ってはいます」
クラウドは静かに言った。直後、再び扉が開いた。二人の男が入って来る。
営業部部長のセフィロスと、地検のヴィンセントだった。
「あ、あたしが検察に密告したのよ! さぁ! 逮捕してよ、ヴィンセント捜査官!」
イリーナは突如叫んだ。
「あれ? なんでヴィンセントさんが捜査官だと分かるんですか? 面識無いはずじゃ?」
クラウドは疑問を言った。



・・このあとどうなるでしょうか?
そろそろ終幕を迎えないと、時期的にねぇ・・
ま、授業中また考えます。読んで下さって、どーも有り難う!

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