ツォンさんラブリー日記♪
=ドリィムフィルターも程々に=


投稿者 瀬尾さん 日時 1997 年 9 月 16 日 23:59:25:

ツォンさんラブリー日記♪副題はドリィムフィルターも程々に。

はっきりいって、彼、ただの変な人です。(ルーファウスのネーミングセンスもかなり変ですが。)
以前からかなり変な人だと思ってはいたのですが、今回は相当変な人になっています。
こんな彼にどなたか愛の手を差し伸べてやって下さい。



私はツォンである。
もはや周知の事実であるが、タークスのリーダー格にして、副社長であるルーファウス様の身の安全を守るのが私の仕事である。(イリーナ談・お守り、の間違いではないんですか?)
しかし、その守るべきルーファウス様であるが、最近どうも一般人とはかけ離れた考え方をなされることが多い。
それはお生まれながらにしての貴公子の資質というべきなのだろうが、(レノ談・確かに生まれ付いての奇行師だぞ、と)それについて少し深く言及してみたいと思う。(セフィロス談・勝手にしろ。この変態が。)


「ふにゃぁぁぁぁん♪」
「ん?」
ある日、私がタークス本部で仕事をしているとふと何かが足にまとわりついてきた。何やら妙な鳴き声も聞こえる。怪訝に思って机の下を覗いてみると、そこには一匹の白黒(というか、黒白)の小猫がいた。(詳しくは前述の「けとにゃんの悲劇」を参照・・(笑))
「・・お前はたしか・・・ルーファウス様の・・?」
「にゃおぅん♪♪」
抱き上げてみると猫は嬉しそうに鳴いた。そういえば、ルーファウス様が少し前から猫を飼っておられたのを思い出す。確か、名前はタマとか。この前の少年ポチといい、ルーファウス様のネーミングセンスは多少ずれておられるような気がするのだが。
抱き上げた猫の体は柔らかくしなやかで、つややかな毛を撫でてやると気持ちよさそうに目を細めた。ルーファウス様が猫を飼うとおっしゃった折、御自分で世話をなさるわけがないでしょうと周囲の人間が一貫して反対したために、生身の猫ではなくてロボットになされたらしいが、仕種といい、温かさや柔らかさといい、体臭が無い事を除けばこれはまったく本物に劣るところがない。
その猫はいったいどうやって入手したのかと伺ったところ、なんでも都市開発部門のリーブ部長からもらったという事だが、それについての詳しい経緯はと聞くとバツの悪そうな顔をしてはぐらかす辺り、何やら秘密があるようである。まぁ、いずれ上手く聞き出すつもりではあるが。(レノ談・どーやって聞くつもりなんだぞ、と、このむっつりすけべが♪)
「しかし・・どうしてこんな所にいるんだ?ここにはルーファウス様はいないぞ?」
「にゃあ♪?」
一応聞いてはみたのだが、猫に(いや、ロボットに)言葉が通じるわけはない。猫はきょとんと私を見つめた。
「迷子か・・しょうがない、ルーファウス様に届けてさしあげるか・・確かこの時間は自室でお仕事中のはずだが・・」
私は分析途中の報告書を片付け、猫を抱いてルーファウス様の執務室へ向かった。


「失礼します。・・おや?」
私が部屋に入るとルーファウス様は書類の山をひっくり返して何かをお探しになっている最中だった。
「ルーファウス様・・?」
「ツォン、いいところへ来た。一緒にシロを探してくれ。書類を見ているうちにいなくなってしまって・・どこかで潰れてなきゃいいんだが・・くっそう・・親父の奴」
ひどくお怒りになったご様子でばっさばっさと紙を放り投げているルーファウス様。確かにこの量では猫の一匹くらいその間でつぶされていても不思議ではないだろう。
「シロー、どこにいった?」
「あの・・シロ、とは?」
「君も知っているだろう、猫だよ。リーブにもらった・・シロ、いるならでておいでー。」
「まさか・・それは・・」
「にゃおん♪」
名前を呼ばれ、私の腕の中から猫が飛び出した。
「あ、こらっ(汗)」
「「ん?・・シロ!!!」
「まさかシロとはその猫のことだったのですか?しかし・・その猫、確か昨日はタマとお呼びになっていたのでは・・?(汗)」
「そうだ。でも今日、正確には今日午前11時45分からシロになったんだ。ね、シロ♪無事で良かった・・元気だったか?」
「なうーん♪」
ルーファウス様は足元にやってきた猫を抱き上げ、くるくると喉をくすぐっておられる。物言いその他もろもろはともかく、可愛い♪(レノ談・びょーきだぞ、と。)
「ところでツォン、どうして君がこの子を連れてきたんだい?」
「その・・シロ?は、先ほどタークスの本部に紛れ込んでおりまして・・」
「ふーん?悪い子だね、君は。僕に心配させて♪」
「ごろごろ♪」
「・・しかし・・ぽち・たまの次はシロですか・・・・?」
「僕がつけた名前に何か文句でもあるのかい?」
「いえそんな・・しかし・・クロというならとにかく・・この猫のどこがシロなんですか?(汗)

「裏返せば、ほら。」
ルーファウス様がひょいとひっくり返した猫の腹は確かに白い毛で覆われていた。
私は急激なる脱力感を覚えた。
「確かに腹は白いですが・・上から見ていればほとんど黒猫でしょうに・・(涙)」
「なんと名をつけようと僕の勝手だ。それとも体表面の51%以上が白色でなければシロと名づけてはいけないのか?」
「そんなお役所仕事のような小理屈を・・(ため息)あなたの理屈ではモンシロチョウは改名しなければならないでしょうねぇ・・」
「君の理屈だったらアオスジアゲハはクロアゲハになってしまう。」
「あー・・もう・・ああいえばこういうんですから・・(涙)シロ以外のお名前はお考えにならなかったのですか?」
「考えたよ。ミケとかトラとか。イマイチだったのでやめたけれど。」
「・・ま・・それよりはマシだとは思いますが・・(汗)・・どうして何も選りに選ってそんな前時代的な名前ばかりつけなくても・・」
「僕の勝手だ。大体、猫にジュヌヴィエーヴやらティオペペやらと人間や酒の名前をつけるほうがおかしい。猫には猫の名前があってしかるべきだ。」
「確かにそうですが・・(涙)」
「大体、君は物事の表面しか見なさすぎる。」
「・・表面?」
「そうだ。もっと物事は多角的に見なければその本質を掴む事は出来ないよ。」
(イリーナ談・多角的に見られるような人ならとっくに恋人の実態に気づいていると思 いますけどぉ?)
ルーファウス様が猫をあやしながら何気なくおっしゃった言葉に、私は雷に打たれたような衝撃を受けた。(セフィロス談・単純な奴め。)
(そ・・そうだったのか・・!!)
「そうか、この猫の名前一つにもそのような深い意味をこめていらっしゃったとは・・(涙)」
私は自分の浅はかさを悟ると同時にルーファウス様の偉大なるご成長を感じ、心の奥底から沸いてくる衝動を襲える事が出来なかった。私はルーファウス様のお体をこの腕の中に抱きしめた。
「ルーファウス様!(ひしっ)」
「こ、こら!いきなり何のつもりだ!」
「ルーファウス様・・本当にご立派になられて・・(涙)」
「だからなんだ、離せ暑苦しい!」
「私は浅はかでした・・私は一人であなたを理解しているような気分になっていたのですがそうではなかったらしい・・こうなれば今こそあなたの全てを・・♪」
(がばっ)
「ちょ、ちょっと待てーーーっ!!」
「さぁ今更包み隠しにならなくても・・♪」
「知るのなら勝手に知れ!でも僕はまだ仕事があるんだ!!こら、離せーーーーっ!!」
「そんなこと言って恥ずかしがり屋さんなんですから♪」
「誰がだーーーっ!!(怒)」
ルーファウス様は私の腕の中で恥じらいながら(ルーファウス談・どこがだー!!)悶えられた(レノ談・暴れた、の間違いだぞ、と。)。そんな様子までが可愛くて♪あぁ愛しい愛しいルーファウス様♪そんなあなたにいつまでもついていきますと、私はその時固く決意したのであった。(ルーファウス談・するなぁぁぁぁーーーっ!(怒))

おわる。

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