『星空』6作目だったりする…


投稿者 血吸ねこ 日時 1997 年 9 月 16 日 22:51:49:

毎度、下手な小説を投稿させていただいております。
(お待ち下さっている方はいないと思いますが (^◇^;)
ではでは・・・


 一行はティファをクラウドの側に残し、シドをリーダーとして活動を再開した。ケットシーからの情報を元に、ヒュージマテリアが新羅の手に渡るのを阻止するため、まずは北コレルに行き、暴走する機関車に悪戦苦闘しながらも、成功した。
 次に、コンドルフォートに行き、新羅軍を相手に防戦した。これも成功したがぎりぎりの所であった。疲れていたので泊めてもらうことにしたのだが、「どうしても外がいい!」と言ってレッドXIIIは外に行ってしまった。

「やっぱ、自分たちで戦った方が良かったんじゃねぇかっつう気がしてよ・・・」
 しきりと首を傾げながら、煙草を吸う。
「・・・だが、うまくいっただろう?」
 そんなシドを優しく見つめつつ、ガントレットの手入れをしているヴィンセント。
「そうなんだがよ・・・どうも、なあ・・・」
 納得のいくような勝ち方ではなかったのか、反省することしきりである。
「もう終わったんだ。・・・そんなに気にするなど、あんたらしくないな。」
 シドはベッドの上でごろりと横になり、天井を睨む。
「まあな・・・。でもよ、この先、また今日みてぇなことがあったらって思ったらよ・・・」
 ガントレットの手入れを終え、ヴィンセントがシドの側に来る。今にも灰が落ちそうな煙草を取り上げ、口づける。
「心配性だな、あんたは・・・。そこがまた、好きなんだが・・・」
「よせやい、照れるじゃねーか」
 言いながらも、すでに真っ赤になっているシド。
「・・・外で煙草吸ってくらあ。」
 そう言って、シドは部屋の外へと出ていった。

 そのまま1時間たっても帰ってこないシドを探しに、ヴィンセントは外に出た。コンドルフォート入り口近くの草むらで、気持ちよさそうに寝ているレッドXIIIを見つける。時折しっぽがぱたぱた動き、炎の軌跡が美しい。起こさぬよう、足音を忍ばせて探すが、見あたらない。
(?・・・ひょっとして・・・!)
 思いついて、コンドルフォートに戻り、昼間戦闘していた、頂上の小屋から外に出る。そして、卵の殻がわずかに残る、主のいなくなったコンドルの巣穴をのぞき込む。
「やはり、ここか。」
「・・・ああ。見ろよ、この星空を。」
 見上げると、降るような星空が目にはいる。
「・・・思った通り、ここならあのメテオも見えねぇからな。」
 宇宙を翔る。
 それがシドの夢だ。その夢は、まだ続いている。だからこそ、彼は星空を食い入るように見つめているのだろう。その横顔が、なんとなく少年のように見える。
「・・・いつか・・・」
「え?・・・」
「・・・いつかきっと、宇宙に行ってみせる・・・!」
 メテオすら焼き滅ぼしてしまいそうな、燃えるような眼差し、その熱い心。ヴィンセントは、そっとシドの隣に腰を下ろした。
「・・・あんたなら、必ず行くさ・・・」
「そんときゃ、一緒に行くか」
「・・・ああ。」
 シドの腕がヴィンセントを抱き寄せる。そのままどちらからともなく、唇を寄せる。息が止まるかと思えるほどの、長い口づけ。それだけで、ヴィンセントは頬を上気させた。
「・・・シド・・・!」
 再度、唇を重ねる。そうしながら、互いの服を脱がせていく。シドがヴィンセントの首筋に舌を這わせる。そして背骨を撫で上げる。
「はあぁっ・・・」
 白いのどがのけぞる。漆黒の髪が散らばり、闇にとけ込む。シドの手が、ヴィンセントの感じやすい部分を的確に愛撫する。
「あ・・・ああぁっ・・・」
 すでにヴィンセントの身体は、ほんのりと紅く染まっていた。その身体全体を愛撫され、ヴィンセントは更に昂ぶっていく。
 と、いきなり口を塞がれた。同時にシドのものに貫かれる。ひときわ高い声をあげるが、シドの手に遮られ、声は漏れなかった。
「・・・まったく・・・あんたの声は音波みてぇだからな・・・」
「シ・・・ド・・?」
「・・・声が響いて、殻が割れちまう可能性があったんで、な。」
「あ・・・」
 自分が、そんなに大きな声を上げていたことに初めて気づき、ヴィンセントは真っ赤になった。そして、目をそらす。
「・・・ヴィン・・・」
 シドが、自分の顔をのぞき込んでいる。その、青い瞳−−−クラウド達ソルジャーとは違う、空のような青い瞳に見つめられ、思わず目を閉じる。
(まるで・・・焼き尽くされるかのような・・・)
 −−−焼き尽くされてもいい−−−
 そっと目を開けると、シドが軽く口づけた。


 部屋に戻り、酒を酌み交わす。明日は、久しぶりにクラウドの様子を見に行くつもりだ。
「・・・格闘家のねーちゃん、ばててねーといいんだが。」
「そうだな。」
 回復する見込みの薄いクラウドの側で、懸命に介護しているティファ。魔胱中毒は、今まで回復者は皆無と言われている。
「・・・これが、せめてもの土産、かな」
「・・・そうだといいが・・・」
 コンドルが飛び立ったあと、残されていた召還マテリア−−−フェニックス。その淡い輝きは、かすかな希望をもたらすかのように見えた。


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