陰謀・・・始動(3) |
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こんばんは。飲み会帰りの「あ」です。
・・・それにしてもうまかった飲茶のかずかず・・・。
オードブルにはじまり、外はプリプリ、中はトロ〜リのピータン。
あつあつ、しっとりの揚げギョーザ、蒸しギョーザ。
レタスに巻いて食べる、プリプリしたエビそぼろ。
やわらか、ピリリのマーボ茄子(ただし完全に皮を取り除いてある。茄子の甘みとピリ辛ソースが絶妙なり)。
おつゆたっぷりの鶏肉から揚げ、レモンソース。さっぱりしてて幾らでも入る。
超やわらかな牛肉オイスターソース炒め。味よし、歯ごたえよし、香りよし。
「銀糸巻」なる不思議な蒸しパンと、絶品のスープ。ああ、日本は豊かだなあ。
デザートは・・・・もうよそう^^; みんなの視線がつきささる・・・。
昨夜、実はチャットで会長様をいじめてしまいました。以後、言葉によるSの魔力のとりこになってしまったらしい私です。(みんな会長様の魔性の魅力がなせるわざ・・・)いかぬ、早く真人間に立ち戻らなければ、皆に見捨てられてしまう・・・。
表参道の“ヤムチャイナ”というお店です。付近住民は要チェック。
ちきしょう、何でこんなコトになりやがったんだろうな・・・。
シドはため息をつきながら、酔いつぶれたバトルブリッジ中尉をずるずると引きずって、深夜のミッドガルを歩いていた。
いつものシドが、いつものヴィンセントにしてもらっているのと同じことである。
ひょんななりゆきから、若い中尉(「ジョンとおよび下さい!」と言うので以後はそう呼ぶ)を飲みに誘ったシドは、いつもならヴィンセントにすべておまかせで遠慮なく酔いつぶれるところだが、今日はこっちが年長者である。お店選びもオーダーも勘定もすべてこっちもちであるから、ものすごく緊張して、酒がどこに入ったか分からなかった。
若い奴と飲むのは(時にはオヤジもだが)怖い。
世の中に怖いもの知らずの彼らは、めちゃくちゃな飲み方をして、泣くわ暴れるわ吐くわ・・・というパターンが多いのである。その始末をするのはこっちである。
中には若くてもしっかり酒量を守り、自覚を持って、きりのいいところで自分から引き上げる・・・というやたらオトナな飲み方を心得たヤツもいるが、そういうタイプはそういうタイプで、シドとはお友だちになれそうもない。
ジョンは泣きも暴れもしなかったが、やたらと機嫌よく「いやあ、光栄であります!」を連発して杯を重ね、あっという間に撃沈してしまった。
さて、どうしよう。
バトルブリッジがどこに寝泊まりしてるかなんて、全然知らないシドであった。
(しゃあねえやな、誘ったこっちも責任あるし・・・今夜くらいはうちに泊めてやるとすっか)
ドアを開け、やたらと重い酔っ払いの身体を押し込み、ドアにカギをかけて部屋の明かりをつけて・・・シドは息が止まるほどびっくりした。
「・・・!ヴィ、ヴィンセント!おどかしやがるない」
ヴィンセントが、真っ暗だった部屋の中に、一人で座っているのである。
シドは、浮気がバレた時のように焦った。別にヴィンセント、浮気亭主を待ちかまえていた奥さんのように、ツノを生やしていたわけではなく、いつもの無表情なのであったが・・・。
「な、なんでえ、こんな暗いとこに一人で・・・と、オマエ、そもそもどうやってここに入ったんだよ?」
シドは狼狽した。幾らほぼ公認の仲にまで発展してしまったとは言え、まだカギを預けるところまでは許していないのだ。
「カギなんぞは、タークスの・・・いや、私の前には無力だ・・・」
ヴィンセントは立ち上がった。一体どうやって入ったんだろう・・・シドは想像して背筋が寒くなった。
「その青年は?」
静かに、シドの肩に支えられているジョンを見た。
「あ、ああ、これが例のロケット計画の・・・」
「ジョン・バトルブリッジか。なるほど・・・顔だちは若い頃の父親によく似てる」
「知ってるのか、オヤジのほう・・・」
ヴィンセントはそれには答えなかった。
シドは何だか居心地が悪い。別に誰を連れ込もうと、何をしようと・・・それこそベッドに誰かを引っ張り込んだとしたって、ヴィンセントに文句を言える筋合いはないはずなのだ。なにしろまだ「愛してる、そばにいてほしい」と告白はしていない。
ほんとはとってもしたかったのだが。
シエラと暮らしていた頃は、平気で女を家に引っ張り込んで、文句ひとつ言わせなかったシドだった。それがヴィンセントの前では、虚勢は張っていても、内実きまりが悪い。
「いや、何か、なりゆきで飲みに誘ったら、つぶれちまってよ・・・放っとくわけにも行かねえだろ」
ジョンは平和ないびきをかいている。
「・・・確かに、そうだな。放ってはおけん」
ヴィンセントは言い、シドを手伝って、ジョンを寝室に運びこんだ。
ジョンは目を覚ます気配もない。ぐうぐう寝ている。
「・・・ふう、助かったぜ」
居間に戻ってきたシドは、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してごくごくやりながら、
「こいつ、弱いくせにパッパカパッパカ飲みやがるからよ」
「・・・」
「・・・で、その、ヴィンセント・・・は、いったいここで何をして・・・」
「・・・」
ヴィンセントはゆっくりと首を振って、洋酒のビンを取り出した。
「いい酒が手に入ったから、あんたと二人で飲みたくて待っていたのだが」
「・・・」
「いつまでたってもあんたが戻る気配がないので・・・ついここに来てしまっていた」
ここまで来てもまだストーカー体質が治らぬか、ヴィンセントよ・・・。
いつになく弱気だったシドは、何だか、だんだん腹が立ってきた。
「・・・てぇと何か、ヴィンセント。俺は、オマエ以外の誰とも飲んじゃまずいってのかよ。オマエの許可なしでは、外で好きな相手と酒も飲めないのか」
「そんなことは言ってない」
「言ってる」
シドは、ダイニングテーブルにミネラルウォーターのビンの底をどん!と叩きつけた。
「・・・私が仮にそう思っていたとしても、シド。何もあんたがそんなに気に病む必要はないんじゃないのか・・・」
ヴィンセントの反撃は静かであった。
シドは虚を突かれて黙り込んだ。まさに殺し文句である。
「あんたにとって私は、ただの飲み友だちで戦友・・・あんたに言わせれば、それだけのはずじゃなかったのか」
「・・・」
「それをそんなに怒るということは」
「うるせえ、黙りやがれ」
シドは、両手を振り回してさえぎった。このままだとヴィンセントのペースに巻き込まれてしまうと思ったのだ。
ヴィンセントは悲しげにため息をついた。
「・・・私はあんたの心はわかってるつもりだ・・・手に取るように何もかも。なのに、どうして正直になってくれないのか・・・」
「・・・」
「そんなあんたに惚れたのだが・・・やはり時には寂しさを感じる」
シドは肩を落とした。この場は(この場も)自分の負けだ。
「・・・行くか、ヴィンセント」
「どこへ?」
ヴィンセントは目を上げた。シドはいらいらと、
「オマエの部屋だよ・・・。オレのベッドはあの若いのに占領されちまった。今晩寝るところがありゃしねえ」
「・・・」
ヴィンセントの目が熱く濡れた。シドが、遠回しに誘っていることを察したのだ。
「・・・ここでいいよ、私は」
「ここって・・・」
「ソファで」
ヴィンセントは、シドの肩をやわらかく抱きしめると、ソファにゆっくりと押し倒した。
「き、聞こえるぜ」
目で寝室のドアを示すと、ヴィンセントは冷たい唇をシドの首筋に押しつけながら、
「久しぶりに声をこらえるあんたが見たいよ」
シドはため息をついた・・・また明日もユフィにからかわれるのか・・・。
だがそのため息は、すぐに熱いあえぎに溶けて消えた。
ああ・・・あはぁ・・・っ・・・ヴィンセント・・・。
シド、そんなに大声を出すな・・・。聞こえる・・・。
あぅっ・・・
ジョンは、そっと身を起こした。ドアひとつへだてた隣りから、押し殺した二人の声がかすかに伝わってくる。
彼は、ポケットから何かの機械を取り出した・・・小型の録音機だ。
ジョンは、なぜか悲しそうな顔になった。
だが彼は、それを、そっとドアにとりつけて、音のしないようにスイッチを入れたのだった・・・。
いよいよ二人を取りまく陰謀が始まろうと言うのかな?・・・しかしタークス、いつ出るの・・・。
必ず出します。出したいです。
こんなのでも、読んでくだすった貴女に感謝☆