結婚式


投稿者 チープサイド暴走!! 日時 1997 年 9 月 13 日 15:22:46:

下のクラエア書いてから、「救いが欲しいなー」と思って書きました。
結婚式です。でも私、結婚式ってどうするのかよく分からないので、DQ5みたいになっちゃいました。
エアリスが復活したあと、ということで。


まだ信じられない…。君と結婚できるなんて……。」
結婚式用のスーツに身を包んだクラウドが、相手を見つめながら言った。
「私もだよ…。なんだか、緊張して来ちゃった。」
白いウエディングドレスに身を包み、ヴェールをかぶったエアリスが、顔を赤らめながら言う。
エアリスが、いつにも増して美しく見える。クラウドは、自分の顔が赤くなっていることに気づいた。
「ああ、すごくドキドキしている。」
エアリスが、白い手袋をした手で、自分の胸を押さえる。
「母さんに、見せたかったな。エアリスと、結婚することを。いつだったか、母さんが俺に、『クラウドと結婚するのは、どういう人だろうねぇ。』って言ってたっけ。」
「大丈夫。クラウドも感じるでしょ?クラウドの母さんや、私の、イファルナ母さん、それに、ガスト父さん。心が、来てくれてる。」
「ああ、分かるよ…。」
クラウドはうなずいた。彼らが、祝福してくれているのが分かる。
「そろそろ入場だよー。準備してねー。」
ガチャリと戸を開けながら、ティファが声をかける。
「!…エアリス、きれい……。」
ティファがドレス姿のエアリスを見て、はっと息を呑む。
「ありがと、ティファ。」
エアリスがにこりと笑いかける。そんなエアリスを、ティファはうっとりと見つめる。
「いいなあ…。すごく似合うよ…。」
うっとりとした顔で、ティファは戸を閉めた。
「いよいよだね。」
エアリスがクラウドを見上げる。その顔は、真っ赤に染まってしまっている。
「もう、緊張しちゃって、ドキドキが押さえられない。」
「俺もだよ。」
クラウドも顔が赤くなっている。
「でも、エアリス、式はこれからだ。」
そう言って、クラウドはエアリスをそっと抱いた。エアリスがクラウドに、もたれ掛かってくる。
エアリスの胸の動悸が伝わってくる。音が聞こえてくる程、激しい動悸だ。
「俺たち、もっと落ち着かないと、ドジを踏んでしまうぞ。」
「そうだね、クラウド。」
エアリスがほほ笑んだ。深呼吸をして、気を静めようとする。
「じゃあ、行こうか、エアリス。」
合図があり、二人はゆっくりと歩きだした。

「わあ…。」
エアリスが歓声を上げる。それほど、教会の中は奇麗になっていた。
壁は奇麗に塗装され、床もちゃんと打ち直されている。がれきは片付けられて、椅子も新しくなっている。
ただひとつ、変わらないのは、中央の花畑と差し込む日の光だ。
仲間たちが、みんな立ち上がって二人の方を見ている。祭壇には司祭の格好をしたリーブが立っている。彼は、司祭までもこなせる器用な人間なのだ。
仲間たちが、ウエディングドレスのエアリスを見て、かすかに歓声をあげる。
人々の真ん中を、二人はゆっくりと歩いた。

「では、指輪の交換を。」
二人が誓いを述べ終わると、リーブが言った。
二人は向き合った。恥ずかしさのためか、少しエアリスはうつむき加減だ。
クラウドはそっとエアリスの手を取る。赤く染まった顔を、エアリスが上げる。うっとりと、クラウドを見つめた。きれいな碧の目に見つめられ、クラウドはドキリとする。
優しく優しく、クラウドはエアリスの白い手に指輪をはめた。
「クラウド…。」
つぶやくように、エアリスが呼ぶ。
エアリスはうれしさで胸が一杯になった。幸せだった。目の当たりがジーンとして、涙があふれてきた。
ほほ笑んだクラウドが、そっと指を延ばしてエアリスの涙を拭う。
「…では、誓いの口づけを。」
リーブの言葉で、二人はお互いの肩を抱くように、手を伸ばした。
すーっと顔を近づけると、唇をそっと重ねた。
ワーッと、歓声が上がる。
みんな総立ちになって、クラウドとエアリスを祝福する。
唇を離した二人のところへみんな駆け寄り、おめでとうおめでとうと、口々に祝いの言葉を言う。
だれかが花びらを撒き散らす。ほんのりと、花の香りが辺りに漂う。
笑顔でクラウドとエアリスはお互いの顔を見る。
「クラウド、私たち、夫婦なんだね。」
エアリスが満面に笑顔を浮かべる。
「ああ、今の今から、俺たちは……。」
その先は言えなかった。感激で、胸が詰まってしまったからだ。
思えば不思議な出会いだった。一番街でエアリスからクラウドが買った一輪の花、それが始まりで、二人はここまで来た。
まあ、運命とはそういうものなのだろう。
ほんの小さなことが、大きなことへとつながって行く。
バレットも飛空挺で言っていた。
『最初はビラ配りしてた小さなアバランチが、星を救うなんて大きなことをするなんてよ…。』
「どうしたの?クラウド。」
エアリスが首をかしげながら聞いてくる。そこでやっとクラウドは、我に返った。
「君に逢ったときのことを思い出していたんだ…。君から花を買ったのが、始まりだったよな…。」
「うん、私、今でもよく覚えてるよ…。」
「もう、いつも君と一緒にいられるね。今度はもう、君を絶対はなさない。」
ふふっとエアリスが笑った。
「大丈夫。私、あのときみたいに、一人で行こうなんてしない。もう、あなたとずっと一緒。」
うんうんと、クラウドは強くうなずく。
「さあさあ、披露宴を初めましょ。」
エルミナが二人を呼ぶ。みんなもぞろぞろと、奥の部屋に移動する。
「じゃ、行こうか。」
腕をからめて、二人は歩きだした。
愛する人と共にいられる、最高の喜びを感じながら。
もう絶対に、エアリスを放さない。もう絶対に、クラウドから離れない。
それぞれの胸に、そんな思いを抱きながら。

『ええ感じですよ。お二人の相性、ぴったりですわ!
エアリスさんの星と、クラウドさんの星、すてきな未来が約束されてます!』


私は、クラウドは絶対エアリスとの約束を、エアリスがいなくなったからってティファに置き換えるようなやつではない!!と思っていますので、こう書きました。
ティファファンが見たら怒るかも。


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