「禁断の恋」かな?


投稿者 チープサイド 日時 1997 年 9 月 12 日 17:53:08:

また懲りずにナナキ×エアリス書きました!
今度はラブラブバージョン!!!


 並んで座っているエアリスとナナキの前で、炎がパチパチと音を立てて燃えている。
ゆらゆらと揺れる赤い炎は、暖かな光で回りを照らしている。
エアリスとナナキの向こう側には、クラウドが毛布にくるまって、炎とは逆の方を向いてもう寝てしまっている。
「今日、とっても、疲れたね…。」
エアリスが炎を見ながらいう。
「そうだね…。」
ナナキはしっぽをゆっくりと振っている。
今日はニブル山を越えて来たのだ。生息するモンスターよりも、複雑な山道の方が彼らを悩ませた。
朝から必死に歩いたのに、山を越えることができたのは日が暮れてからだった。
何度も道に迷い、ひどく歩き疲れてくたくただった。
そうっとエアリスがナナキの背中をなでる。ナナキは炎に照らされ、オレンジ色になったエアリスの横顔を見た。
「きれいだな……。」
思わず、口をついて出た言葉にナナキは驚いた。
「何が?」
エアリスがナナキを見つめる。エアリスの碧の目が炎の光を反射して、キラキラと輝いていた。
「エアリスの顔。」
ナナキが少し照れながら言った。エアリスは一瞬、えっと言うような顔をしたが、すぐに優しい笑顔になった。
「ありがと、ナナキ。」
にこっと、笑顔になる。
エアリスのその言葉に、ナナキはますます照れてしまう。
「でも、ナナキって、二本足の人間には興味なかったんじゃ、ない?」
エアリスがからかうような顔をした。
そんなことないよ、とナナキは口をとがらせる。
思わずムキになっているナナキをみて、エアリスはくすくす笑い出す。
「私、ナナキのそういうとこ、大好きだよ。」
手を伸ばして、優しく鼻をなでてもらうと、ナナキはうれしそうな顔をした。

 オイラ、子供じゃないから、そんなことされたくないよう、と最初のうちは言っていた。しかしそのうちに、それが言えなくなってしまっていた。
最近は、なぜかエアリスの顔を見るとドキドキしてしまう。
もうエアリスと一緒じゃなきゃ生きて行けない、と思い始めていることに、ナナキは気づいていた。
そして、自分の胸のうちに、エアリスに対する燃えるような思いがあることに、ナナキは気づいていた。

「−−−ねえ、エアリス、」
ナナキがちょっと不安そうな顔をしている。
「ん、な〜に?」
エアリスがナナキの目をのぞき込む。
「オイラ−−、オイラ−−、」
その先がいつも言えない。エアリス、あなたを−−−。簡単な言葉だが、言おうとすると難しい。いつも言おうとしていたが、どうしても言いだせなかった。
「オイラ、エアリスのことを−−、」
今日こそは、自分の中の燃えるような思いをどうしても伝えたい。
たとえ何と言われようと。それで自分が傷つこうと。
こんなこと言っちゃ、おかしいだろうか。そう何度も考えて見た。
獣が、人間を−−−。
そう思うが自分の思いは打ち消せない。
そのことをエアリスに、言っていい理由も、いけない理由もないような気がした。

 エアリスはナナキが必死に何か−−すごく大切なことを伝えようとしていることが分かった。
だから、何も言わずにナナキをじっと見つめていた。
「オイラ、エアリスのことを、・・愛してる。−−−オイラがこんなこと言っちゃ、変かな?」
ううん、そんなことない。エアリスが首を振る。
ナナキが予想していたほど、エアリスは驚いていなかった。落ち着いていて、優しい笑顔を浮かべている。
「だって私も−−、あなたと同じ気持ちだもん。あなたがそう言ってくれて、私、とっても幸せだよ。」
そういって、エアリスは優しく頭をなでてくれた。
「私、あなたからそう言ってくれること、ずっと待ってた。」
「だけど、獣と人が……、」
うれしい反面、ナナキは不安でもあった。
獣と人が愛し合うなんて、聞いたこともない。
「だからって、私とナナキが愛し合っちゃいけないなんて事、ないんじゃない?」
エアリスが、首をかしげながら聞いてくる。
「私はナナキを愛している。どこも間違ってなんか、ない。」
ドキリとするような調子で、エアリスが言った。
「ホ、ホント!?エアリス?!」
ナナキが眼を輝かせながら聞いてくる。うんうんとエアリスは強くうなずく。
そしてナナキの首を両手で包み込むようにし、目を閉じると、ナナキの鼻にエアリスはキスをした。
−−−私、ナナキを、愛してるよ……
エアリスの唇が触れたとたんに、ナナキは体中に電気が流れたような感じがした。
エアリスが自分を愛してくれている。
幸せだった。これ以上ないほどに。
エアリスがナナキに体をくっつけて来た。
そうっと腕をナナキに回し、抱き着くような格好だ。
こんなときに、自分に人間のような腕があったら、と思う。
エアリスを抱き締められるのに。

エアリスは、ナナキに抱き着いたまま眠り出してしまった。
「今日はとっても疲れたもんね……。」
すうすうと静かな寝息を立てている。エアリスの寝顔が、とても美しく見えた。
残り少なくなった炎がチロチロと弱い光を発している。
ナナキも眠くなって来た。エアリスを起こさないように静かに伏せると、自分も目を閉じた。
エアリスの寝息を聞きながら、いつしか自分も寝入っていた。
夢の中でナナキは、人間のからだになっていた…。


どうだべか?(いきなりなまる)
感想教えてくれると嬉しいな。
読んでくれてありがとう!!!


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