検察捜査 第二章


投稿者 京都太郎 日時 1997 年 9 月 11 日 05:30:18:

いやいやいや・・・ようやく第2章の目処が立ち、こうして書き込んでいる次第です。
タイトルも決まりました。「検察捜査」! なんかタイトルだけは豪勢だけど、
中身はカスですよ(笑) あと、同名の小説とは違うのであしからず・・・



「は?」
クラウドは素っ頓狂な声を上げた。
「俺が・・・調査・・ですか?」
「そうだ」
営業部部長のセフィロスは、ゆっくりうなずいた。
「ま、待って下さいよ、なんで俺が・・・」
「エアリス君、説明してあげてくれたまえ」
セフィロスは苦手なものはエアリスに任せるらしい。
「はい。ねえ、クラウド、我が社で『チョコ』を知っているのは、あたしとクラウド、それにセフィロス部長の3人よね?」
エアリスは確認するように言った。
「はい」
「疑わしい人物は、とりあえず無し、でしょう?」
「とりあえずって・・まさか俺を疑ってるんじゃないでしょうね! 俺はこの会社に身を粉にして・・・」
「ああ、ごめんなさい。誤解させたみたいね、言い方悪かったわ。疑わしい人物はいない」
エアリスはすぐに謝った。クラウドもそれを聞き
「分かってくれたらいいんです」と落ちついた。
エアリスは説明を続ける。
「ルーファス氏側で『チョコ』の存在を知っているのは本人だけなの。私たちが毎月銀行に振り込んだのも確認するのは本人」
「本人がするんですか? 部下とかに頼まずに?」
クラウドの疑問ももっともだ。なにせ、ルーファスといえば大物総会屋だ。
「本当よ。『チョコ』をしる人間が多くなるとあとあとややこしくなるからって、ルーファス氏が配慮して下さったの」
「ああ、なるほど」
クラウドは一応納得した様子。
「無論ルーファス氏も検察へ漏らした覚えは無いらしい」
セフィロスが静かに言う。
「だから、密告者を調べてほしいんだ」
「・・・何故俺が?」
クラウドがそう聞こうとした時。扉がノックされた。
「どうぞ」
セフィロスが言うのとほぼ同時に、一人の男が中へ入ってくる。
真紅のマント、左手が銅色に鈍く輝いている、重々しい雰囲気の男。
「誰ですか」
「ミッドガル地検特捜部のヴィンセント・バレンタインです。今からこの部屋を捜索させてもらいます」
「令状はどこですか」
クラウドが声を荒げて聞く。ヴィンセントは第8会議室内に捜査員を入れ、てきぱきと指示を出しながら
「総会屋への不正な金が流れているとの情報で・・・ああ、令状はこれです」
机の上に、薄い紙切れが置かれた・・・。

30階のフロアは、数十名の捜査員でごった返していた。幸いセフィロスが、社員をいったん自宅に戻したから、人込みはおさまった。
あちこちに、無地の段ボールに、分厚いファイルが押収されてゆく。
「ねえクラウド、コーヒー飲みに行かない?」
エアリスとクラウドも家へ帰ろうと、エレベータホールにいた。
「おいしい店があるの。ちょっと遠いけど」
「いいですねえ、なんか疲れて喉が渇いて」
「私の車で行きましょ。ミッドガル地検の近くにね、『讃岐屋』っていうコーヒーショップがあるの。キリマンジャロがおいしいのよ!」
「・・・地検の近くですか」
クラウドは何となく嫌な予感がした。
数十分後、二人は仲良く、『讃岐屋』のオープンテラスでキリマンジャロを飲んでいた・・・。
すぐ近くには、15階建ての窓の無い建物『ミッドガル地方検察庁』が・・・。
<続く>



検察って庁でよかったっけ? ・・・まあいいや。
ともかく、読んで下さって有り難う!
次回は総会屋ルーファスが出て来るよ!(多分)

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