ミッドガルの百合な一夜(5) |
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ミッドガルへの帰路、シドは、死んだように眠っていた。ヴィンセントには、慰めの言葉もなかった。
コルネオ・・・あんなヒヒオヤジにけがされたのだ。もし自分の身に起きたできごとであったら、舌を噛んでいただろう。
ヴィンセントは、ガントレットに包まれた左手を握りしめた。・・・宝条はにくい男だが、彼の贈りものとしてはは上等なからだだ・・・。改造される前、この美しい容貌のおかげで、何人の男に、今のシドのようなつらい目に合わされ・・・また合わされかけたか、わからない。
今のヴィンセントは、宝条のおかげで、少なくとも他の男に踏みにじられけがされる心配だけはなかった。
シドの心の痛みは、身にしみてわかる・・・。
が、シドはおそらく、昔の自分よりもっとずっと・・・何倍もつらいだろう、とヴィンセントは思った。
シドは・・・かつての自分よりも、何倍も何倍もプライドの高い男だから・・・。
背後のシートで、レノが肩をすくめた。
「あ〜〜〜〜〜っ、たいくつーーーーーっ☆」
ユフィ、幽閉生活・・・3日目くらいになるだろうか。
その間、どこにも行ってない。禁足生活であった。
ふつうの人間だっていい加減イヤになるのに、まして、爆弾娘のユフィである。
テレビゲームもトランプもヒット&ブローもやり飽きて、ついにユフィは叫んでしまった。
「外出たいようーーー!遊びに行きたいよううーーー!」(←仕事がたてこんでる時の「あ」と同じ台詞ダ・・・^^;)。
イリーナはほとほと困り果てた。禁足生活に飽き果てているのは彼女も同じことなのだ・・・。
「・・・そんなこと言わないで、ユフィちゃん、お願いだから」
イリーナは、ここが自分のタークスとしての腕の見せドコロ☆と、一生懸命なだめた。
「やだやだやだやだやだ×100。もうやだよぅ、こんな生活うううう!」
ベッドに寝っころがって、足をばたばたさせるユフィ・・・。イリーナは内心(いい気なもんね、この小娘!)とギラリと思ったが・・・ふと気を取り直した。
「・・・じゃ、お姉さんが相手してあげる」
「え、えっえっ?!」
「そのかわり、駄々こねちゃ駄目よ。い〜い?」
「あっ、イリーナ・・・」
イリーナは、やけくそでタークスの制服を脱ぎ捨てた。・・・詳細は分からないながら、なんとなく、レノ先輩の見よう見まね・・・である。
それに、実は全然未経験なわけではないイリーナであった。・・・かつてタークスに抜擢されたばかりの頃、新社長にルーファウスに・・・さらにすけべな幹部たちの相手をさせられたことがないわけではないのである。
その中の一人、スカーレットが自分にしたことを思い出して・・・。
「いやっ、やだよっ、駄目だようっ、そんなことお!」
覆いかぶさってきたイリーナを、ユフィは必死で押しのけようとした。こっちは正真正銘、16歳の処女なのだ。
イリーナはユフィのピンク色の唇を自分の唇でふさいだ。
「☆☆☆」
ユフィは目を白黒させた。
「・・・可愛いユフィちゃん。何も考えないで・・・お姉さんの言う通りにして」
「あ・・・☆」
ユフィの手から力が抜けていく・・・。
イリーナは、心臓をばくばくさせながら、前にスカーレット女王様が自分にしたことを、ユフィの肌に再現しはじめた・・・。
「あ、ヴィンセント・・・ヴィンセント・・・!」
シドの寝言に、ヴィンセントはびくっとした。
「シド・・・!」
「ヴィン・・・どうして・・・」
「・・・」
「ああああ!」
「・・・シド!」
ヴィンセントは、シドを揺り起こさずにいられなかった。
「・・・!」
シドのブルーの瞳が見開かれた。
「ああ、ヴィン・・・」
ヴィンセントは、無言でシドを抱きしめた。拒まれるかと思ったが・・・シドは、すなおに身をまかせていた。
「・・・ひっく・・・やだ、やだよぅ・・・」
ユフィはあられもない姿をさらしながら、両手で顔をおおって、すすり泣いていた。
イリーナの無我夢中の愛撫でもユフィはじゅうぶん以上に感じてしまっていた。・・・でも若い娘の場合、ただ感じておしまい、というわけには行かない。
はじらい、後悔、ためらい・・・いろんな甘酸っぱいものがこみ上げてきて、わけがわからなくなってしまうユフィであった。
「ユフィ」
ユフィの未熟なふくらみを指先でつまんで震わせていたイリーナは、汗びっしょりになりながら顔を上げた。
「・・・イヤなの?泣くほどいや?」
「・・・ううん」
ユフィは目をつぶりかぶりを振った。
「とっても・・・とっても気持ちいい、いいんだけど・・・何だか泣けちゃうんだよぅ・・・」
「・・・初めてなの?」
「アタシ、16だよ・・・忍術しか知らないモン・・・こんなこと、知ってるわけ、ないじゃんか・・・ふえええん」
「・・・」
イリーナは手を引かざるを得なかった。
もう何年かして、この子も成熟しておとなになったら、自分から男をほしい・・・と思う時が来るかもしれない。でもまだこの子はつぼみなのだ。何となく、恋というものにあこがれていたとしても、まだまだそれを摘み取って味わうほど熟してはいないのだろう・・・。
「・・・ごめんね、ユフィ」
「う・・・」
イリーナは身を起こした。そこを無理やり押して、つぼみを力ずくで花開かせてしまうほど、イリーナも経験豊富というわけではない。
「あたし、わからなかったのよ・・・。こうしたら喜んでくれるんじゃないかと思っただけなの。ごめん」
「・・・怒ってないよ、怒ってない。怒ってないんだけど」
「・・・」
「何か、泣きたいんだ・・・はう、アタシ、変・・・」
レノ先輩が悪いんだ、とイリーナは思った。・・・レノ先輩が相手も男女も受け攻めもかまわず、こんなことをしてるから・・・。だからあたしまで影響受けて、こんなことしちゃったんだわ。
「・・・ごめんね、ユフィちゃん」
侵入者が飛び込んできたのはその時である。
「!」
イリーナはあわてて、枕元の銃を構えた。
「つっ!」
だが、すぐにその手を手刀で叩かれて、イリーナは銃を取り落とした。
「あ、あんたたち・・・」
黒装束の男たち・・・。2人ではきかない、3人、4人・・・5人はいる。
イリーナはユフィをかばった。
「ユフィ!」
ヴィンセントが駆け込んできた時・・・。
ユフィの部屋はからっぽになっていた。
「・・・」
ユフィから・・・ミッドガルから離れるのではなかった・・・。
「イリーナ・・・」
レノとルードも顔を見合わせた。ベッドの下には、イリーナの、タークスの制服がそのまま脱ぎ捨てられていたからだ・・・。
悄然としている三人の前に・・・よろめきながらも、シドが進み出た。
「な・・・何してやがるんだ、てめえら・・・」
「シド」
「てめえら、それでも男かよ?!」
シドは息を切らせながら叫んだ。
「・・・か弱い女二人とも、危険にさらしといて・・・てめえらに出来るのは、男をいたぶって泣かせることだけなのかよ?!誰かを押し倒してコマすことだけなのか?!」
「・・・」
「オレは一人でも行くぜ・・・つうっ!」
ヴィンセントは倒れそうになるシドを抱きしめずにいられなかった。
レノとルードも、普段になくマジな顔で、そんな二人を見ていた。
・・・もしかしてこの掲示板開始以来、初のマジな百合モノかもね・・・。ひんしゅく買ってるかも・・・。
でもシド、かっこいい☆ それでこそ押し倒し甲斐のある受様だわ・・・と思うのはあたしだけ?
なんか超ふみはずしてるみたいな「あ」です。
こんなゴミでも、読んでくだすった方々には、心から感謝のチュッ☆