ウータイの鬼畜な夜(4)


投稿者 あぐり 日時 1997 年 9 月 09 日 12:26:44:

 前回までのあらすじ:ミッドガルでOL(?)生活を送るユフィをつけねらう謎の黒装束の一団。ところがユフィ誘拐を邪魔したシドが、彼らにさらわれてしまった!その背後には何とあのドン・コルネオの影が・・・!
 教訓:ひーーーー!←黄色い悲鳴・・・。ヴィン、早く・・・早く助けに行ってくれえええ!書きたくないよう・・・コルシド・・・。




「ええ!ウータイへ行かはるんでっか?!」
 リーブは顔色を変えてヴィンセントを見た。このしぶい新社長が方言ばりばりで話す相手は、ケット・シー時代の仲間たちだけであった。
「しかしそうなると、次の仕事・・・はまあ置いとくにしても、ユフィはんはどうなりますか」
「ユフィには、イリーナをつけておく。イリーナもタークスの一員だ、ボディガードくらいはできるだろう」
「そやけどなあ、守られる側がユフィはんやしなあ」
 ヴィンセントは押し問答している時間も惜しかった。こうしている間にもシドは・・・。
 今ごろ、ウータイで・・・あのふとっちょ親父が、シドの美しいからだを開かせて・・・。ああ、考えたくない。なのに妄想してしまうヴィンセントであった。
「とにかく、後のことは頼む」
「しょうがあらへん。ヴィンセントはんがこうと思たら、誰にも止められへんさかいにな・・・。ほんま、そっくりや、あんたがたは」
「・・・」


 シドは・・・まだ今のところは無事だった。
 自宅で誘拐されてから、クルマと飛行機に詰め込まれて数時間。連れてこられたのは大自然の里、ウータイエリアであった。
 ウーロン・ニンジャ達は、暴れて悪態をつくシドを、完全に黙殺していた。最初は元気に抵抗していたシドだが、やがて「こんなことしてても体力の無駄だ」と気づいたのか、静かになってしまった。
 シドが気になったのは・・・誘拐した自分に付き添って連行しているのが二人だけだということだ。襲撃者は4人いた。ミッドガルにまだ仲間がいるということも考えられる・・・。
 つまり、まだユフィは安全になったわけではないのだ。
 外に出る前に目隠しをされたが、どうせ土地カンのないシドである。無事に逃げ出せたとしても、自分の居場所をヴィンセントに知らせるすべはなかった。
 それでも・・・。
(ヴィンセント、頼むぜ・・・やっぱり頼れるのはオマエしかいねえよ。俺はとにかくとして、ユフィを守ってやってくれ。あんなジャジャ馬でもよ、コルネオなんかに誘拐されたら、可哀相じゃあねえか)
 まさかヴィンセントがこちらへ向かっているなどとは思わず、そう祈るシドであった。
 しばらく歩かされて、建物の中に入れられて・・・ドアが背後で閉まった。
 シドは緊張した。
 後ろから、誰かの手で目隠しがはずされた。
 ・・・シドは、目を疑った。
 一体どんな場所に監禁されるのかと思っていたら・・・そこは赤い壁紙、赤いカーテン、薄暗めの、紫色の照明、真っ赤っ赤な、ヨシワラの夜具を思わせる巨大なベッドがでんと鎮座した、悪趣味きわまりないベッドルームだったのである。
 そしてそこにいたのが・・・
「ほひー!」
「どっどどど、ドン・コルネオ!」
 シドは鳥肌立たせながら後ずさった。まさかいきなりこういう展開になろうとは、はからざりき・・・。
「ほひー、ういのー、うぶ・・・くはなさそーだがのー」
「やっ、やめろっ、来るな!」
「ほひーほひー、いいカラダだのー。たまにはワイルドなのも悪くはないのー」
 幸い足は自由なので、後ろ手に縛られたまま、シドは逃げ回った。
「ほひひひひ、その逃げる姿がかわゆいのー」
「か、かわいかねえよ、たとえそうだったとしても、オマエにそんなこと言われたくねえ!」
「ほひー、これでもまだわしを拒めるかの・・・」
 コルネオがヨダレをたらしながら取り出したのは・・・コルネオ愛用の興奮剤であった。
 シドは、ごくんと生唾をのみこんだ。もしあれを使われたら・・・。
 部屋のすみに追いつめられた。シドは目を閉じた。コルネオがじりじりちかづいてくる・・・。
 興奮剤の刺激的な匂いが、シドの全身をつつんだ。


(シド、無事でいてくれ)
 空を飛べるものなら飛びたかった。しかし、幾ら変身できるヴィンセントでも、空だけは飛べなかった。


「う・・・?」
 やられた・・・興奮剤を使われてしまった。
 シドがおそるおそる目を開けると、何としたことか、足元にコルネオが倒れている。
「?」 
「・・・やれやれ、危機一髪かな、と・・・」
 目を上げると、そこには、ロッドを手にしたレノの姿があった。
「げ、レノ!」
「おいおい、助けてもらって『げ』はないだろう、と」
 助けてもらったのに、なぜかシドは後ずさりを続行した。レノは、コルネオを倒しはしてくれたが、シドの縄をほどいてくれる様子がなかったからだ。
「レノ、て、てめえ、まさかたぁ思うが・・・見てたのか?」
「見てたぞ、と。だから助けに来たんだぞ、と」
「なら、何でもっとはやく・・・」
 シドは、興奮剤が効いてきて、荒くなり始めた呼吸を整えようとしながら言った。レノはにやにやしながら、
「助けたじゃないか。危機一髪で・・・と」
「う・・・」
 シドはずるずると壁にへたり込んでしまった。レノはその前にしゃがみこみ、
「おやおや、感じちゃったのかな、と・・・」
 と言いざま、シドのズボンの前にいきなり手をやったものだ。
「あっあああ!」
 シドは身もだえした。
「相変わらずいい声だねえ」
 レノは自分のネクタイをゆるめながら、ニヤリとする。
「どうかな、と。助けついでに、カラダのほうも何とかしましょうか、と」
「いらねえよっ・・・くっ、はあ」
「ホントかな、と・・・。意地張るとカラダに悪いぞ、と」


 見張りに立っていたルードは、レノがあまりに遅いので、どうしたのかと思って、こっそりとコルネオの部屋を覗いてみた。
 窓から覗いて、目を見張った。レノが半裸のシドをいたぶっている・・・。
 ルードはコツコツとガラスを叩いた。
「・・・何してるレノ、人が来るぞ」
「大丈夫、大丈夫」
 シドの胸の突起を指先でいたずらしながら、レノは不敵であった。
 レノの指の動きにつれて、シドのカラダが反応している。たくましくも無駄のない筋肉と、きめ細かな輝く肌が紅潮していた。
「オマエも来いよ、ルード」
「しかし、リーダーにバレたら・・・」
 盗聴がバレてから、気が気ではないルードとレノであった。それでも目の前のおいしそうなごちそうだけは見逃さないレノ・・・、怖い。
「バレやしないぞ、と。・・・だろ、おとっつぁん?こんなこと、ヴィンセントには、恥ずかしくて言えないだろ?と」
「あ・・・あ」
「恥ずかしくて報告できないくらい、よろこばせてやればいいんだぞ、と」
 ルードは窓を乗り越えて部屋に入ってきた。
 レノのもう一方の手が、シドの後ろの部分に触れた。
「くうっ」
 シドは腰を浮かせた。
「や、やめ・・・オマエら、こんなことして・・・」
「ん?」
「後で・・・あとで覚えてやがれ!」
「こんなときでも生意気だねえ」
 レノは、生意気な口を、自分の唇でふさいでしまう。
「んうっ・・・!」
 ルードがサングラスをはずし、ネクタイをゆるめて参加してきた。レノがいたぶっていない方の胸の突端を、そのおおきな手で・・・もう一方の手で、シドの前の、一番ききわけのない部分を責め出す。
「くうっ、あはぁっ」
 からだというからだの、敏感な部分をすべていたぶられて・・・シドの全身は炎につつまれた。
 シドのあえぎ声と、みだらな音が、部屋の空気を震わせる・・・。


「異常はないか?」
「はっ」
「・・・しかし、すごい声だのう・・・。今まで連れてきた中では一番凄じいのではないか?」


「いやぁぁぁ!」
 ついに、シドの目から涙が流れ落ちた。屈辱もあったが・・・、からだ中を焼きつくす快感に、もう耐えられなかった。
 どんな時でも・・・たとえヴィンセントとでも、相手に泣いてすがりついたことなどなかったシドだった。だがこのタークスの二人組の巧みな攻撃は、シドのプライドも、誇りも、何もかもみじんに打ち砕くほどすさまじいものだったのだ。
 興奮剤の効き目もあったろうが・・・、それにしてもシドは陥落してしまった。
「く・・・」
 二人は、一度シドを自由にした。
「・・・さて、どうしてほしいのかな、艇長・・・と」
「・・・あ・・・」
「言ってみな、と。してやるから」
「し・・して」
 正常な判断力も理性も失ったシドの唇から、屈辱のせりふが漏れる。ヴィンセントにさえしたことのないおねだりであった。
「やって・・・くれ」
「ふうん」
 レノはにやにやした。
「どんなふうに?優しく?それともめちゃくちゃに?」
「ああ・・・めちゃめちゃに・・・して」
 二人は顔を見合わせた。
「・・・カワイイねえ、普段からそうしてりゃいいのにな、と」
「いや、こういう相手を落とすのが面白い・・・と思う」
「そりゃそうだ、と・・・それじゃどっちから行きますか。いっそ、いちどきにやっちまうか?」


 数時間後・・・。
 二人でかわるがわるシドをいたぶったが・・・興奮剤の効き目はなかなかキツく、抱かれても抱かれても、シドは満足できなかった。
 二人がかりで何回絶頂をきわめさせられただろうか・・・。
 シドは屈辱と悦びにすすり泣いた。
「う・・・くはあっあああああっ」
 一度果てても、またすぐに昂ってくる。欲望はきりもなくシドを苦しめた。
「イヤ・・・いやだ、もう・・・また・・・!」
「・・・おいおい、まだ足りないのか、と。タフなおとっつぁんだぞ、と」
「いやだって言ってるぞ・・・」
「なら、やめますか」
「ああっ・・・まだ・・・もっとして・・・!あっあああ」


「しかし、よく続くのう」
 見張りのニンジャたちもあきれるほどのすさまじい狂態であった。
「コルネオ殿もすごいが、相手もなかなか・・・あんなかわいげな(←ここに「あ」のポリシーが・・・)顔をしてよくもまあ」
 それでも、明け方近くには、狂態は静まり、部屋はしんとなったようであった。
「胸が痛むのう、幾らわれらが理想のためとは言え・・・罪もなき者をコルネオのいけにえに差し出さねばならぬとは」
「何を言う、理想のためだ。多少の犠牲はやむを得ぬ・・・むっ」
 二人のニンジャは身構えた。すらりとした長身の影が目の前に立ったからだ。
「理想だと・・・笑わせるな」
 ヴィンセントの低い声には、かつてないほどの怒りがこめられていた。
 デスペナルティの銃弾が、ニンジャたちをぶち抜いた。
「シド!シ・・・」
 部屋に押し込んだヴィンセントは、あまりの落花狼藉に、息をのんだ。
 部屋中にたちこめるにおい・・・。乱れたベッドのそばにはコルネオが麻痺して倒れている。
 シドは、タークスたちに助けられて、やっと服を着終わったところであった。
「シド・・・間に合わなかったのか」
「・・・」
「すまん・・・」
 シドは、ベッドに腰かけて、うなだれたままふるふると頭を振った。
「オマエの・・・せいじゃねえ」
「・・・」
 レノが肩をすくめて、しゃあしゃあと言った。
「俺らも、さっき気づいて踏み込んだところで・・・」
「・・・シド、何と言ったらいいのか・・・」
「もう・・・いい」
 ヴィンセントははっとした。シドの涙を見たのは初めてであった。
「放っといてくれ・・・オレを一人にしておいてくれ」
「シ・・・」
「あっち行けって言ってるだろ!」
 誰も、出ていこうとしなかった。放っておいたらシドがどこかに行ってしまいそうな、そんな気がしたのだ。
 自分たちでしたことながら、レノとルードも「さすがにかわいそうだったかな」という気がし始めていた。
 シドはふらつく足で立ち上がった。
「オマエらが行かねえんなら、オレが行くよ・・・どきやがれ」
「シド」
 シドは部屋からよろめき出た。
 ドアの外に、二人のニンジャが倒れていた。・・・それを見た瞬間、シドははっとした。・・・そうだ、危険なのは自分ではなかった。もっと危険にさらされている者がいたのだ。
「・・・おい、ヴィンセント!」
 シドは振り返った。
「ユフィ・・・ユフィはどうしてるんだ?」
「あ、ああ、イリーナを護衛につけて、ミッドガルに」
「ばかやろう!」
 シドは、泣きながらヴィンセントを殴り飛ばした。ほとんどやつあたり、ではあったが、ヴィンセントは逆らわなかった。
「オレなんかより・・・あっちのがあぶねえんだぞ!」
「分かってる。それでもここに来ずにいられなかった」
「ちくしょう」
 シドは顔を拳でぐいっとこすった。・・・本当はヴィンセントに抱きつき、すがりつきたかった。でもそれだけはできなかった。
「シド、ミッドガルに戻ろう」
 力つきてくずおれそうになったシドを、ヴィンセントは抱きとめた。こんなときでもプライドを失おうとせず、自分より弱いものをいたわろうとするシドのハートに、彼は感動せずにいられなかった。、
「ユフィを、守るんだ・・・」




 ・・・ということで。
 コルシド期待してた方々(いねえよ、そんなの)、すいませんでした☆ でもじゅうぶん鬼畜だったと・・・思います。どうでしょうか。
 え、まだ足りない?(^^;)。でもこれ以上のものは「あ」には書けない・・・。
 罪悪感感じてるタークスは、「あ」の分身です。
 こんなのでも、読んでくだすった貴女には感謝☆


[小説リユニオン「改」トップへ]