検察捜査 第一章


投稿者 京都太郎 日時 1997 年 9 月 09 日 03:31:59:

どーもどーも。
生意気にも新人ですが、第二弾! 今回はどーしよーかなー、と
迷った挙げ句、以下のようになりました。
たまには、こういうのもいいかなぁ、と。


神羅カンパニーの30階。ここは、商品関係を一手に引き受ける、営業部のフロア。
適度な室温と、緑の奇麗な観葉植物が人間味の無いオフィスに花を添える。
「いやあ、大変だった!」
外回りから帰ってきたクラウドは、どさっと自分のデスクにつくなりため息交じりに言った。
「どうしたの?」
隣のデスクのOLが、目はキーボードとディスプレイのまま、無機質にクラウドに声をかける。
「取引先のAX商事だよ。向こうはいきなり12%アップで交渉しだすんだぜ? 12なんてセフィロス部長に怒られるに決まってるって言うのにさ!」
「ああ、AXって鬼の取引先って有名の所よ。で、結局何%?」
「8%で決着。それでも部長は4%までを期待していたから怒られるなあ・・・」
クラウドはまたため息を吐いた。ため息毎に、なんとなく自分が歳を取っているのを実感する。
まだ21の若造なのだが。
「あ、思い出した。セフィロス部長が呼んでたわよ」
「げっ! そらきた怒られる!」
「2時に第8会議室だって。あら、もう2時10分よ」
OLはディスプレイを見つめたまま腕時計とクラウドへの返答という、二つを同時進行させながら言った。
「おい! それを早く言えよ! ああ! 絶対怒られる! クビだぁ!」
嘆きながら、クラウドは慌てて廊下へと駆けてゆく。
「・・・大袈裟なんだから」
相変わらず、無機質の声のOLであった・・・。

廊下の突き当たりを右に曲がり、エレベータホールを抜け、また右に曲がると、そこが会議室だった。
社員カードを識別機にかけ、扉を開ける。
「すみません! 走ってきましたが時間に間に合いませんでした!」
クラウドは扉を乱暴に開けるなり、大声で謝った。
「遅いわよ」
薄暗くだだっ広い会議室の一番奥に、意外にも居たのは同じ課の先輩エアリスだった。
「あ、エアリスさん・・・何でここに?」
「遅いぞクラウド君。11分のロスだ」
窓の外をじっと見ながら、営業部部長セフィロスは静かに言った。
「ああ、すみません・・」
「まあいい。扉をちゃんと閉めたまえ」
「はい」
いつも冷酷で何を考えているのか全く分からず、ここ神羅カンパニーの社員達から避けられているセフィロスが、
今は更に気味悪く見える。
「・・何でしょうか」
「椅子にかけたまえ」
ようやくこちらを向いたセフィロスは、表情を変えぬまま、
「エアリス君、説明してやってくれ」
「はい。ねえクラウド、『チョコレート』の件、分かるわよね」
「・・・ええ」
『チョコレート』とは俗語だ。ここ神羅カンパニーが、大手総会屋ルーファスに渡している金を意味するのだ。
セフィロスは、新人だったクラウドを信用してか、彼に総会屋の事、不正な金の事、この件を知っているのは会社でセフィロス、エアリス、そしておまえだと、
いつものように冷酷に言ったのだ。
クラウドは初めは、憧れの神羅カンパニーがやっている事とは思えず、ショックを受けていたが、
もう数年間続けていると、おかしな物で慣れてきた。環境に適応したというのか・・・
「『チョコ』がどうかしたんですか、エアリスさん」
どうでも良い事だが、社内では先輩を「さん」で、課長以上はそれぞれの役職を名前につけて呼ぶ。
「それがーー検察に漏れたの」
「は?」
素っ頓狂な声で聞き返した。
総会屋への金のが検察に漏れた?
とっさにクラウドは事態を理解できなかった。
「もうまもなく、検察がこちらに立ち入るそうだ。ルーファスから携帯があった」
セフィロスは淡々とした口調で説明する。
「・・はあ」
「エアリスにコンピューター操作をしてもらっているから、すぐにはバレ無い」
「・・・」
「そこでクラウド君、君には誰が検察に漏らしたのか調査してほしい」
「は?」
クラウドは、再び素っ頓狂な声をあげた・・・


なんかおかしな小説になりましたなあ。
なお、僕は総会屋とか経済の事が分からないので、
この小説に書かれている事はほとんどでたらめです。
詳しくは、「猿でも分かるニュース」か何かをご参照あれ。
読んで下さり、どーも有り難う!


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