…この間の続き(?)です。


投稿者 血吸ねこ 日時 1997 年 9 月 08 日 15:23:12:

この間、投稿させていただきましたものの続きらしきものです。(しかもかなりの駄作です。)
お気に召しませんでしたら、石でも投げてやって下さい・・・



 古代種の神殿を出てから行方を絶ったエアリスを、ユフィとケットシー、シドとヴィンセントの二手に分かれて探すことになった。
 なぜこんな組み合わせになったかというと、ユフィが『煙草臭いおぢさん』や『陰気なにーちゃん』と行動するはヤダ!、と言い放ったし、男2人は若い(なんと言っても16才!)女の子と2人だけで行動するのに難色を示したからだった。そのため、モンスターとの遭遇率の低いタイニーブロンコでユフィ達が海の方を、危険度の高い陸の方をシド達が捜索することになった。


 北コレルからコスタ・デル・ソルへ抜ける山道。エアリスらしき人物を見たとの情報で、シド達は昼前に登り始めたのだが、やたらとモンスターに遭遇し、夕方近くなってもまだ抜けられずにいた。
  (作者注:”てきよせ”は持たせてないはずなんだが・・・(^◇^;)
「ちっ、何だってこんなに出てきやがるんだ・・・!」
「・・・さてな。・・・急がんと一雨来そうだ。」
 言われて、空を見やるシド。
「・・・っきしょう!一雨どころじゃねぇ、嵐になるぞ。」
 空軍時代にパイロットだったこともあって、シドの天候への勘は鋭い。2人は雨宿り出来そうな所を探しつつ、早く山道を抜けたいと願った。

 それから30分後、頭上は黒雲に覆われていた。と、真横からモンスターが襲ってきた。ヴィンセントは、先程の戦闘で入手したボムのかけらを取り出し投げつけたのだが、何かが引っかかっていたらしく、それがシドにふりかかった。ちらっと見ただけだが、どうやら興奮剤らしい。
 その時、ざあっと雨が降りだした。
「ちっ、降り出しやがった。早いとこ、雨宿り出来る場所探そーぜ」
「ああ。・・・そうだな」
 ヴィンセントの返事も待たずに、さっさと歩き出すシド。次々と現れるモンスターを、短い間隔で発動するリミットブレイクで倒すのを見て、ヴィンセントは、荷物の中に鎮静剤があったかどうかを思い出そうとしながら、あわてて後を追った。

 幸いなことに、10分ほども行くと山小屋があった。2人は火を焚き、濡れた衣服を乾かすために衣服を脱いだ。荷物の中にも雨がしみていて、着替えも濡れてしまっていた。
 シドは、さっきからずっと気分が昂ぶっていた。その上、衣服を乾かすためとはいえ、裸に近い姿のヴィンセントを見て、欲情に捕らわれていた。なるべく近づかないようにしていたのだが。
「シド、・・・これを。」
 ヴィンセントがやっと見つけた鎮静剤を持って、シドの方に来る。思わず後ずさりするシド。
「く・・・来るな・・・」
「・・・どうした?」
「た、頼むからそれ以上・・・近づくんじゃねぇ・・・」
 不思議そうな顔で、ヴィンセントが近づく。が、シドは逃げる。何度か繰り返すうちに、とうとうベッドの近くにまで来てしまった。強い風が小屋をかすかに揺らす。
「どうなっても・・・知らねぇぞ・・・!」
 ぼそりとつぶやく。よく聞き取れなかったのか、更にヴィンセントが近づく。
「!!」
 シドはいきなりヴィンセントを抱きしめ、荒々しく口づけた。ヴィンセントの手から鎮静剤が転がり落ちる。そのままベッドに押し倒される。
「シド!・・・やめ・・・あ!」
 シドの手が、ヴィンセントの胸を撫で、胸の突起を摘む。ヴィンセントの身体がびくりと震える。
もう片方の突起にシドが口づけ、舌で愛撫する。シドの身体の下でもがくヴィンセント。
「ああぁっ!」
 ヴィンセントが悲鳴を上げる。逃れようとする姿が、更にシドを興奮させたらしく、乳首を噛んだのだ。それも、”歯をあてる”などというものではなかった。その声で、シドが我に返る。
「すまん・・・ヴィンセント・・・。だから、来るなと言ったのに・・・」
 小屋の外では、一段と風雨が激しさを増していた。

「・・・鎮静剤、だろ・・・さっきの。くれ・・・」
 シドはヴィンセントから離れ、ベッドの端に腰掛けてつぶやいた。
「・・・どうやら、火の中のようだ。・・・あれが最後の1つだったし。」
 シドが呻く。その様子を見て、ヴィンセントがふっと笑みをこぼす。
「・・・続きは、しないのか?」
「だってよぉ・・・」
「・・・続けた方が、あんたには良さそうだが。」
 そういって、ちょっと意地悪げに微笑む。そしてシドの側に寄って囁く。
「それとも・・・私では・・・いやか?」
「・・・そうじゃねえ。・・・だって、おめぇは・・・」
 以前、聞いたヴィンセントの話がシドの心をよぎる。自分が、ヴィンセントを苛んだ奴等と同じことをしたのではないか、という不安が心に拡がる。
「いいんだ、シド。・・・あんたなら・・・」
「・・・ヴィンセント・・・」
 どちらからともなく腕を伸ばして抱き合い、唇を重ねる。近くで雷鳴が轟いている。先程のように乱暴ではないが、以前よりも荒々しい愛撫。ヴィンセントの上げる声が轟く雷鳴にかき消される。シドは、ヴィンセントのうなじに口づけると、力一杯吸った。ヴィンセントの口から、艶かしい吐息が漏れる。キスマークを付けられ、シドの昂ぶりが伝染ったかのように、ヴィンセントは一層乱れていく。気が付くと、シドの胸元にもいくつものキスマークが付いていた。

 シドは、自分のしたことがヴィンセントを傷つけたのならば、すぐにやめようと思っていた。だが、ヴィンセントはシドを受け入れ、その身を委ねてくれている。それがシドには嬉しかった。  翌朝。 「ヴィンセント。・・・おめぇ、嘘付いたな?」 「な・・・なんのことだ?」  ぎくりとしてヴィンセントが答える。  −−− 鎮静剤は、火の中に落ちてはいなかったのだ。 「・・・ヴィンセント・・・!」 「・・・興奮したまま寝た方が良かったか?」  けろりとした顔でヴィンセントが答える。 「てめぇ・・・リミットブレーイク・・・!」 「おい、よせ・・・!」  嵐が過ぎ去り、抜けるように青い空の下へヴィンセントが走り出る。少し遅れて、シドが追いかける。2人とも、どことなく悪戯っこのような笑みを浮かべていた。

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