コスタ・デル・ソルの短い夜(7)


投稿者 あぐり 日時 1997 年 9 月 07 日 07:59:10:

 いよいよ今日からですね(以下、略!)。そわそわそわそわそわ×1,000。
 でも小説は書く。何なのあたしって・・・。
 飽きられたらさっさと逃亡します。もすこし遊んでやって下さい。・・・




 夜通しシドと遊んでしまったヴィンセントは、ふらふらになって目が覚めた。
 シドはまだ眠りこけている。その無防備な寝顔が美しく、この上なく愛しかった。
 神はまだ自分を見捨てていなかった・・・。ルクレツィアより、はっきりいってよほど可愛い。
 ルクレツィアの美しさや高潔さも、実は未だに忘れられないヴィンセントではあったが。
「・・・んっ」
 抱きしめられて、シドは夢うつつに身を固くした。
「・・・あ、ヴィンセント・・・」
「シド、愛してる」
「あっ、駄目だよっ、もうおもて明るいじゃねえか・・・あっあああ!」
 やはり、抱かれるより抱くほうが気分がいいな・・・とヴィンセントは思った。シドの攻めは、まだ稚拙すぎる・・・。
 まぁ、そのうち何もかも徐々に仕込んでやるとしよう。
「いやああああ!・・・そんな、そんなこと・・・許して、ヴィンセントぉ・・・・ああああああん!」
「しっ、みんなが目を覚ますよ」
「だって、こんなこと・・・」
「ゆうべのお返し・・・。イヤか?」
 シドはふるふると首を振った。
「あんたにされるなら・・・何だって許すよ・・・くはあっあああ」


「・・・T0T・・・なんかアタシふくざつなきもちだよ・・・ファーストキッスの相手が、毎晩毎晩、オトコ相手にこんな声出してんだモン・・・ま☆いっか」


 日に日にヴィンセントに仕込まれていくシドが愛しかったが、その反面、「なんか違うような気がする・・・」という想いも棄て切れなかった。(←これだけ感想の書き込みもらっても、まだ“ドッキリカメラ”の文字のちらつく「あ」と似てる)
 それでいて、シドは、ちょっと目を離すと何をしでかすか分からなかった。
 ユフィの唇を奪ったかと思うと、次の日にはクラウドを押し倒そうとし、その翌日にはバレットを誘惑し・・・。
 そのどれもが実にぴったりとサマになっていて、ヴィンセントは、かたときも目を離せない。
 そのくせ夜になると、シドはヴィンセントを誘うのだ。
「シド、わたしがこんなことを言うのもお笑いかも知れないが」
 ある日、本を読んでいたヴィンセントにちょっかいを出してきたシドに、ヴィンセントはそっとため息をつきながら説教した。
「もう少し、自分というものを大事にしなければ・・・」
「・・・こういう俺のこと、嫌い?」
「嫌いじゃない、嫌いになるわけがないだろう」
 ヴィンセントは本を傍らに置いて、「こっちへおいで」と膝の上にシドを誘いながら、それでも説教は続けた。
「でも、何だか、違うような気がするんだ・・・」
「・・・ちがうって」
「あまりにも刹那的すぎるよ。肉の快楽はほんの一時のもの・・・、相手かまわずにむさぼっていては、魂をけがしてしまう」
「相手かまわず・・・じゃねえよ」
 シドはちょっとふくれながら、それでも素直にヴィンセントの膝の上に乗ってきた。
「武闘家のねえちゃん、おっかねえから声かけらんねぇ」
「・・・それごらん、おっかなくなかったら、ちょっかい出しているわけだろう」
「・・・」
「わたしだけでは満足できないのか?」
「そんなこと・・・ないけど。つい面白かったから」
 シドはちょろりとヴィンセントに流し目をくれて、
「よそで遊べなくなるくらい、満足させてくれよ。・・・したら、おとなしくするから」
「よし、おいで」
 何だか大変なことになってきたものだ、とヴィンセントは、嬉しかったのだが、複雑な気持ちであった。
 まあいい、足腰立たないくらいにしてしまおう。
 膝の上のシドの服をはぎ取りながら唇をむさぼった。シドもヴィンセントの服を一枚ずつ脱がせて行く。
「・・・あっちを向いて、シド」
「バックから?・・・いいよ」
 シドが向きを変えると、ヴィンセントは愛しげにその腕を愛撫していたが・・・何を思ったか、急に、両腕を掴んで後ろにねじり上げてしまった。
「あ、何すんだよ!」
「お前(←いつの間にか“お前”に変更している)が悪さできないように、縛ってしまおうと思ってね・・・」
「・・・やだ!」
 緊縛は、忌まわしかったことどもを思い出させる。シドは急に我に返り、もがいたが、ヴィンセントは許してくれず、手早く、シドの着ていたシャツを巻きつけて、その自由を奪ってしまった。
「・・・あ!」
「ひどくはしないよ。・・・それとも、されたいか?」
「イヤだ」
 かぶりを振るシドの腰を、背後から持ち上げ・・・自分のひざの上にまたがるかたちで立たせると、ヴィンセントは、そのききわけのない部分に指をすべらせた。
「・・・!あ・・・ああ!・・・何だよ、こんなの・・・これじゃ、あのヒヒジジイとおんなじじゃ・・・ひいっ」
「たまにはね、愛しい者をいじめて泣かせたくなることも・・・人間にはあるんだよ」
「いやあっ・・・や、あああっ」
「お前にだってわかるだろう」
 ヴィンセントは苦笑しながら言い、今度は舌をうずめた。シドは腰を振りながら、すでにわけがわからないくらいあえいでいた。膝ががくがくして立っていられなくなりそうだが、ヴィンセントがしっかりと抱きあげていて、崩れ込むこともできない。
「やだあっ!・・・んっ、んああっ」
「正直な身体だ」
「てっ、てめえもあいつらとおんなじかよ・・・」
「違う、断じて」
「いっしょじゃねえか・・・こっこんな、ああああっ、駄目えええっ・・・!」
 シドは腰と頭を振りたてた。確かにヴィンセントの言うとおりだった。縛られて、なんて、イヤでイヤで仕方ないのに・・・されることには身体が素直に反応してしまう。
 どうしていいかわからないくらい、快感だった。
 プレジデントのなぐさみものにされた時も・・・頭ではいやでいやでしかたないのに、けっこう感じて「いい反応」をあのジジイに見せてしまい・・・そんな自分がまた嫌で、落ち込んでしまっていたシドだった。
 ソファの上にみだらな姿を押し倒されて、シドは、あえぎながらもヴィンセントをにらみ上げた。
「綺麗だよ、シド」
 満足げにおおいかぶさってくるヴィンセントが、「素晴らしいからだだ、中尉、もっと声を聞かせてくれんかね」と器具を挿入しながらささやいたプレジデントと重なって見えた。ぜんぜん似ても似つかなかったし、ヴィンセントの方が比べものにならないくらい優しかったけれど・・・。
「・・・!」
 その時、シドの頭に、頭痛信号が走った。
「・・・どうした?」
 急にシドの身体が冷めてしまったのを、ヴィンセントはいぶかしんだ。
「・・・ま、いい。もう一度燃えあがらせれば済むこと・・・」
「・・・ヴィンセント、てめえ・・・」
 シドは縛られたまま、激しく身悶えた。
「・・・おや?」
 ヴィンセントは目を見張った。・・・何か、違う。
「・・・思い出したぞ、ヴィンセント・・・てってめえ、よくもこの俺を・・・」
「記憶・・・戻ったのか、シド」
「ああ、何もかもすっかり・・・な」
 ヴィンセントの頬に、久しぶりに・・・さびついていた笑いが戻った。
 これでいい。やはりシドはこっちのほうが・・・。
 だが、ヴィンセントは、しようとしていたことをやめはしなかった。
「な、何だよう・・・ほどけよ!」
「いや、ほどかない。今この機会を逃したら、一生後悔する」
「て、てめ・・・あっ、駄目だあああっ、はあああ・・・ん!」
「一度だけでいいんだよ、シド、こんなことはもう二度としない(←むろん大ウソである)」
 シドの両足を開いて肩の上にひっかけながら、ヴィンセントは、大人に戻ったシドの抵抗を楽しんでいた・・・。


「うう、なあんて元気なんだろ・・・ティファ、もう寝れた?」
「・・・(寝たふり)」
「なんかアタシも感じてきちゃうよ・・・は〜あ、だけどまだ男の人こわいしネ・・・」
「・・・(寝たふり寝たふり)」
「ねえティファ、アタシにしてくんない?」
「・・・(寝たふり・・・)」
「はぅ・・・くれるわきゃねぇか・・・」
「・・・(寝たふり寝たふり寝たふり!)」
「あんたよく寝られるね、ティファ・・・大人だねっ☆」
「自分で・・・したら?」


 コスタ・デル・ソルの休日は、翌日でおしまいになった。シドが復活して「こんなけったくそ悪いトコ、一日だっていられるかい!」と主張したからである。
 「最高の夏休みだな」なんて言ってたことは・・・忘れてはいないが、やはりいたたまれないくらい恥ずかしかったらしい。
 それから何日か、シドは大変だった。ユフィはあっと言う間に立ち直っていつも通りにふるまっていたが・・・クラウドがうらめしげな目で見るし、バレットには物陰に連れ込まれそうになるし・・・。
「てやんでえ、俺が何したってんだよ!・・・ってまあ、そりゃいろいろしちまった・・・かもしれねぇけど」
 ヴィンセントはほほ笑みながら、そんなシドを見つめた。
「私は許すよ。やっぱりそんなあんたが・・・最高だ!」




 ということで、ゲロ甘で終わります。
 ・・・怒らないでくれるよね・・・。
 そろそろほんきで逃走を考えたほうがいいのカモ・・・はぅ。
 でも幸せ☆(←退場!)

 今回も読んでくだすった貴女&安藤会長に心よりの感謝をこめて、チュッ☆


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