初投稿♪


投稿者 血吸ねこ 日時 1997 年 9 月 05 日 17:00:34:

すいません。図々しくも投稿させていただきます。
なお、これはヴィン受けです。”ヴィン受けはヤダ!”という方には
お勧めいたしません。
では・・・


 いつからだろう・・・惹かれたのは。いつから、離れ難くなったのだろう・・・。
 光と影。 太陽と月。 動と静。 天高く舞う鳳と地の底で眠る龍。
 それほど、対照的な二人−−−シドとヴィンセント。


 ゴールドソーサー園長のデュオからキーストーンを譲り受け、翌日の出発を前に、一行は園
内の幽霊ホテルに一泊することにした。
 シドとヴィンセントは同室になり、早々と寝支度をすませるとベッドに入った。すぐにヴィ
ンセントの静かな寝息が聞こえてきたが、シドは寝付けなかった。
(けっ、落ち着かねぇ)
 確かに”幽霊ホテル”と言うだけあって、何とも不気味な調度品が置いてある。シドはそっ
とベッドから抜け出した。窓際のソファに腰掛け、グラスにウィスキーを注ぎ、煙草に火を付
ける。ホテルのすぐ外はやはり不気味な感じだが、遠くの方にチョコボレース場や遊園地の明
かりが見える。
 何を思うこともなく、ぼんやりとそれらの景色を眺め、グラスを傾け、また新たな煙草に火
を付ける。そうやって、4本目の煙草を取りだそうとしたとき。
「ぅ・・・」
 小さなうめき声。はっとしてヴィンセントの方を見やると、悪夢にうなされているのか、顔
は青ざめ、脂汗を流し、歯を食いしばっている。
「おい・・・ヴィンセント、ヴィンセント!」
 シドが身体を揺すり、ヴィンセントを起こす。はっと目を開くと、涙がこぼれた。
「・・・わたしは・・・」
「わりぃ夢でも見たのか?・・・うなされてたが」
 シドが煙草に火を付けながら、話しかける。その姿に、ほっとしたらしい。
「・・・昔のことを・・・あの時のことを・・・夢に見ていた・・・」
 どうやら、宝条に苛まれる夢を見たようだ。
「無理もねぇ・・・あの地下室に、雰囲気、似てっからな。・・・飲むか?」」
「ああ・・・もらおうか。」
 ゆっくりと身体を起こし、乱れた髪を掻き上げる。その仕草に、シドはどきっとした。新た
にグラスを取り出し、酒をつぐ。ヴィンセントはそれを一息に飲
み干した。シドは何も言わずに、酒をつぎ足した。
「・・・何も聞かないんだな・・・」
「・・・あんたが言いたくないんなら、無理に聞きたいとは思わねぇ。」
 ヴィンセントは、2杯目も一気に飲み干し、シャワーを浴びてくる、と告げた。

 シドが煙草を吸い終わる頃。ヴィンセントが浴室から出てきた。シドは黙って、ヴィンセン
トのグラスに酒をついだ。
「シド。・・・」
 見上げると、ホテルのガウンを羽織っただけのヴィンセントがいた。どことなく、思い詰め
たような表情が浮かんでいる。
「・・・あんたには・・・聞いてほしいと思う・・・」
 ぽつりぽつりと話し始めるのを、シドは黙って聞いていた。
 新羅屋敷の地下で眠りながら、何度も見た悪夢。宝条に捕らえられ、人間ならざるものに改
造され、さらにその美しさの故に、宝条やプレジデント新羅
に弄ばれ、苛まれたことを。
 話が終わると、シドはグラスを差し出した。
「・・・飲めよ。酔っちまえば、一時だけでも忘れられるだろ。」
 差し出されたグラスを受け取り、また一息にあける。そして・・・
 ヴィンセントはシドに口づけた。
「・・・一時でいい・・・忘れさせてくれ・・・」
 少しかすれた声で囁き、紅い瞳が潤む。いつもの冷静な顔が儚げに見える。
 シドは黙っていた。いや、悩んでいた、といえる。確かに、髪を掻き上げる仕草にどきっと
し、今の儚げな表情にもときめいている。だが・・・話を聞いた後なのだ。
「シド・・・!」
 どことなく、必死の思いのこもるヴィンセントの声。シドは意を決し、ゆっくりと立ち上が
ると、ヴィンセントの細い顎に手をかけ、優しく口づけた。
「シド・・・すまん・・・」
「・・・何も言うな。」
 再度、唇を重ね、舌を絡めあう。シドがヴィンセントのガウンを取り、ヴィンセントがシド
のシャツを脱がせた。シドの指が、ヴィンセントの背骨をなぞる。ヴィンセントが甘い吐息を
漏らす。シドがヴィンセントのうなじに口づけると、立っていられなくなったのか、しがみつ
いてきた。シドはヴィンセントを抱き上げ、ベッドにおろした。

 シドはヴィンセントを後ろから抱き抱え、その耳朶をそっと噛んだ。艶かしい吐息がヴィン
セントの口から漏れる。シドが耳朶からうなじにそっと口づける。
「ぁ・・・」
 シドの指が、ヴィンセントの胸に軽く線を描いていく。時々、その胸の突起に軽く触れ、更
に線を描く。しばらくして、胸の突起を責め始めた。次第に乱れていくヴィンセント。わき上
がってくる快感をこらえるのか、唇をかみしめている。その表情が、シドの欲情を煽る。シド
は、グラスの中の氷片を取ると、ヴィンセントの背骨に沿って滑らせた。
「はぅ・・・!」
 逃げようとするヴィンセントを抱きしめ、胸の突起にそっと歯をあてる。そうして、ヴィン
セントの太腿の外側を何度も撫で上げる。さらに首筋を舐めながら、もっと敏感な腿の内側を
−−−そしてヴィンセント自身に触れる。すでにそれは、先端から透明な液体を滴らせ、更な
る快楽を求めるかのように脈打っていた。
「あぁ・・・ぅっ・・・」
 ヴィンセントの口を自らの口で塞ぎ、ヴィンセント自身を愛撫する。声を上げられないこと
で、更に昂ぶっていくヴィンセント。シドの手が、時にはじらすようにそっと撫で、時には敏
感なところを刺激する。そして全体を握りこむようにして、愛撫する。
「シ・・・ド・・・もう・・・」
「もう・・・なんだよ?」
 ヴィンセントの耳朶を舐りながら、シドが意地悪く聞く。そして、手に力を込める。
「あぁっ・・・!」
 大きく体を震わせ、ヴィンセントは果ててしまった。と、シドはヴィンセントをうつ伏せに
し、自分自身をヴィンセントの窪みに押し当てた。
「・・・いいか?」
 耳元で囁かれ、思わず吐息を漏らしながら、ヴィンセントは小さくうなずいた。先程、ヴィ
ンセントが放ったものを潤滑油にして、シドのものが入ってくる。ゆっくりとシドが動き出す。
ヴィンセントが喘ぐ。と、再びシドの手がヴィンセント自身を愛撫し始めた。
「ああぁっ」
 前と後ろの両方を刺激され、思わず大きな声を上げる。シドの動きが激しくなり、更に奥へ
と突き上げる。
「シド・・・シド・・・!」
 いつのまにか、ヴィンセントはシドの名を呼び続けていた。

 しばらくして、2人は同時に果ててしまった。もう一度シャワーを浴びなおし、グラスを傾
ける。ヴィンセントはシドを見つめながら、ゆっくりと酒を飲む。
「なんでぃ、俺の顔に何か付いてるか?」
「いや・・・何でもない。」
 ふっとほほえむと、残りの酒を飲み干し、シドに口づけてからヴィンセントはベッドにもぐ
る。シドはにやっとして、彼もまたベッドに入った。今度は、2人ともゆっくりと眠れそうだ
った。


 ・・・こうして2人が平和な眠りについた頃、クラウドはケットシーと追いかけっこを楽し
んでいた・・・?


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