ツォン×ルー♪


投稿者 せのおさん 日時 1997 年 9 月 04 日 23:21:27:

今を溯る事五年くらい前。ここはルーファウスの勉強室。
ルーファウスは重い机の下を覗き込みながらなにやらをぶつぶつとつぶやいていた。

「いいかい?誰かきたらイイコで隠れてるんだよ・・」
「・・♪」
「よしよし・・」

とんとんとん。
「失礼します。」

「あっ!よりによって一番厄介なのが・・」

「・・ルーファウス様、今回の関連会社との取り引きの件ですが・・ん?」
「やあ、ツォン(にっこり)」
「・・・(怪しい・・)・・何か、良い事でもあったのですか?ひどくご機嫌のご様子ですが・・」
「さあ?今日はお天気が良いからねぇ♪(しれっ)」
「何か、私に隠し事でもなさっているのですね?」
「話してしまったら隠し事じゃないだろう?」
「・・今度はいたずらですか、それともまた何か生き物を拾ってきたのですか?」
「・・まさか(にっこり)。君に隠れてそんな事するわけないだろう?」
「・・嘘ついてますね。」
「・・・・・・・・・・・・どうして?」
「実は私は宇宙から来た超能力者でして。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・冗談です。そこで無言はやめてください(汗)」
「・・・・・一瞬、君の精神状態に一抹の不安を感じたが・・疲れでも溜まっているのか?」
「・・・・・・・・・・そのようで・・この仕事に片がついたらしばらく有給頂けますか?(汗)」
「・・・ま、その件は考えておこう・・」
「ありがとうございます。ところで・・やはり生き物でも拾ったんでしょう?」
「だから、どうして?」
「・・勘です。(きっぱり)」
「・・ふー・・鋭いね。降参。」
「・・まったく・・あれほど生き物だけはやめてくださいと言っておいたのに・・(ため息)」
「・・ねー、飼ってもいいだろう?可愛いから、絶対ツォンも好きになるって♪」
「駄目です。どうせまた途中で飽きて、私が次の飼い主を探す羽目になるんでしょう?」
「今度は最後まで面倒見るから。ね、お願い♪(ごろごろ)」
「う・・(汗)・・だ・・だめですよ(汗汗)そんな可愛いフリしても!だから生き物は駄目だとあれほど言っていたのに・・(ふぅ)」
「やーだー!飼いたい飼いたいーーーーーっ!!」
「駄々こねても駄目です!」
「ツォンのいぢわるーーー(涙)」
「嘘泣きでしょう、騙されませんよっ!!」
「・・なんだ、ばれてたの(ちっ)」
「・・・あなたって人は・・・もう・・(涙)」
「ねーねーねー♪」
「ふー・・しょうがないですねぇ・・今度だけですよ?」
「わーい♪ツォン、ありがとう♪」
「(それでもちょっと嬉しい♪←びょーき)で・・今度は犬ですか、猫ですか?また大蛇とかライオンじゃないでしょうね・・」
「大丈夫、これだよ♪ほら、金色で可愛いだろう?」
「あうあう♪←?(笑)」

そう、ルーファウスがにこにこしながら机の下から出したモノ。それは金髪碧眼のチョコボ頭少年だった…(死)

「る・・ルーファウス様・・これは・・?!」
「ほら、可愛いだろう?僕に懐いてるし♪ねー、ポチ♪」
「あうあうん♪」
「ちょっとまったーっ!!ルーファウス様、それは・・?!」
「拾ったんだ♪」
「拾った、じゃないでしょう!これは人ですよ!?人間です!!野良犬野良猫野良ヘビと違って、「野良人間」ってのは普通存在しないんですよ?!」
「知ってるよ、そんな事。」
「知ってたらどうしてこんなもん連れてくるんですか、あなたはーーー!(涙)それは・・「拾得」ではなくて、「略取」或いは「誘拐」というんですよー?(汗汗汗)」
「だってね・・可愛かったから。」
「・・(嘆息)・・動機はそれだけ・・ですか?」
「うん♪」
「・・つくづくあなたの思考回路についていけなくなりました・・いや・・それ以前にこのページの人々にも・・(涙)」
「失礼な。僕とあいつらを一緒にするな(死)」
「そういえば・・・・つかぬ事を伺いますが、それは「どこから拾って」来たのですか?(汗)」
「宝条の実験室からだ。」
「生物実験室ですか・・(汗)いやぁな予感が・・それ・・本当に人間でしょうね・・?」
「さぁ?」
「もし・・化け物だったらどうする気ですか?人間を簡単に食ってしまうよーな・・。」
「そうなのか?」
「あくまでも仮定ですが・・(汗)」
「あいつならやりかねないが・・・・まぁいいや。」
「よくないです!!(涙)」

かくして色々の紆余曲折はあったものの、チョコボ頭少年ポチ(仮名)はぼっちゃんのペットとして神羅ビルに住まう事になった。

「ポチー♪」
「あうあうあう♪」
「あはは。そんなにじゃれると椅子ごと倒れる」
「あう♪」
「イイコだね♪後で一緒にお風呂入ろう♪」
「あうん♪」

きゃいきゃいといちゃつくルーファウスと少年ポチ。隣でコーヒーを飲みながら報告書を読んでいるツォンの手がひくひくと震えている。そりゃ、字にすればただのペットと主人でも、絵にすれば美少年二人が絡み合っているようにしか見えないのだから無理も無かろう。

「全く・・甘えん坊だな、お前は♪昨日はいきなりベッドに入ってくるんだから♪」
「あうーーーーーん♪」

ぷっちん。

「ルーファウス様――――!!!いい加減にして下さいっ!!」

「きゃうん(涙)」
「ほら、大声出すからポチが恐がったじゃないか。ポチ、大丈夫だよ。(なでなで)」
「きゅうん♪」
「ったく・・ルーファウス様に取り入りおってっ!(怒)」
「いいじゃないか、可愛いんだから♪」
「油断しているとどうなるか、知りませんからね。」
「まさか(笑)ねー、ポチ♪」
「あぅーん・・?(くんくんくん)」
「ん?これ飲みたいのかい?ねーツォン、ポチにコーヒー飲ませても大丈夫かな?」
「知りません(むっつり)」
「・・なんだよ、すねてるの?」
「まさか。私が、そんな、犬っコロ相手に、すねるわけないじゃないですか。」
「十分すねてるよ(笑)」
「・・どなたのせいなんでしょうね(怒)」
「ツォン、僕が愛してるのは君だけだよ♪」
「…………その手にはのりませんよ。」
「そう?残念だなぁ(笑)」
「・・私は・・心の狭い男です。あなたが私以外のものと仲良くしているだけで嫉妬で胸が焦げそうになる・・」
「それは大変だね。」
「あなたはそんな私の心を知っていて・・」
「悪い恋人かな?僕は。」
「そうです・・そんなことは解っているはずのに・・私は・・」

ツォンはルーファウスを抱きしめた。暖かな腕に包まれて、ルーファウスの口からそっとため息が漏れる。(なんだ、この雲行きは。)

「君のそういうところが、好きだよ。ツォン・・」
「ルーファウス様・・」

もはや彼らの頭には少年ポチのことはなく、あたりに別世界が広がり始めた時・・(こらこらこら)

「くぉらーーーーーーーーーっ!!悪い子いねがー?じゃなくて・・俺のクラウドかえせー!!」

まさにイイトコを邪魔された二人がドアのほうを見ると、そこに巨大な包丁抱えたなまはげ・・じゃなくて、巨大な剣を構えた黒髪の男が立っていた。

「ったく、人が培養漕に入れられてるうちに油断も空きもありゃしねー!!クラウドになんかあったらおまえら殺してたとこだが、まぁ大事にしててくれたようだから許してやるからなっ!!おりゃクラウド、逃げっぞ!」
「あうーん♪」
「じゃーなっ!」

書き込むのも面倒とばかりに、男は飛びついてきた少年ポチをひょいと片腕に抱かえ、防弾ガラスのはずのガラス窓をなんなく割ってさっさかひらりと逃げていってしまった。
後には二人で抱き合ったまま呆然とたたずむツォンとルーファウス。破られた窓から吹き込む風が妙に侘びしかった。

「な・・なんだったんだ、あれは・・?」
「さ・・さぁ・・(汗)あの服は確か・・ソルジャーですが・・」
「・・君の部下にはあんなのもいるのか・・?(汗)」
「記憶に無いですが・・と・・とりあえず、ポチの知り合いのようで・・(汗)」
「そう・・じゃあ・・元の飼い主なのかもしれないな・・(しんみり)」
「そうですね。ポチも元の飼い主のに戻れて幸せでしょう・・・・ルーファウス様には残念でしょうが・・」
「・・いいよ。ポチが幸せなら。・・ところでさ♪」
「はい?(やな予感)」
「今度また新しいポチ飼っていい?」
「ぜんっぜん懲りてないんですねっ!?あなたって人はぁーーーーっ!!」

かくして超絶ボンボンルーファウス。彼が常識という言葉を学習するのはまだまだ先の事であった・・(学習する前に死んだだろう・死)

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