神羅飛空艇の惨事(1) |
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今日は久しぶりに“ファイティングバイパーズ”に燃えて、ちょっとバイオレンスなきもちの「あ」の字です。
ノリノリな気分のまま、ストーカー・ヴィン編に突入しようか・・・っておいおい☆
バイパーズの“ピッキー”見てて思ったケド、シドって、もしかしたら中学生時代はあんな少年だったのかも☆ あの生意気げな少年を、ついついいぢめたくなってしまいましたよ。
そして、もの静かな黒髪美形の“トキオ”にヴィンが重なったりして・・・いやん☆ 格闘モノでちょっと妄想してしまいました。
「・・・ふー、陰気くさいトコロだぜ」
シドは呟いて、煙草に火をつけて一服した。
ここは深海の底、沈没した神羅飛空艇の中である。ひょんなことからここに迷い込んだクラウド一行は、中でお宝回収作業をしていたタークスを追っ払い、自分たちがお宝拾いに中をうろついている最中なのであった。
パーティメンバーは、クラウド、シド、ヴィンセントの三人。(うちの)最強パーティだ。
最初は他メンバーで入ってきたのだが、なにしろここは敵が強すぎる。そこでPHSで、最強の二人の出番となったのであった。
それでも三人は、リボン、安らぎの腕輪、星のペンダント、「HPアップ」マテリアをごちゃごちゃとつけて、魔法マテリアは回復系のみに限定し(HPが落ちるから)、さらに「ぶんどる」マテリアに「MP吸収」をセットするという、念には念を入れた装備で中を歩き回っていた。
・・・その時!
「来るぞ!」
誰より気配に早く気づいたのは、いつものようにヴィンセント。クラウドは背中の大剣を抜き放ち、シドはタバコを投げ捨ててランスを構えた。
朽ちかけた薄暗い通路の向こうから、ゆらり・・・と正体不明の不気味で巨大な姿が身を起こした。
触手がうねうねと波打ち、いつものことだが、見ているだけで吐き気がするような醜い姿であった。
ヴィンセント(リボンで後ろ髪を結んでいる☆)は、すかさず全員に「リジェネ」をかけた。
クラウドが「連続斬り」で襲いかかろうとした・・・が、その時、正体不明のハートの息が、クラウドをやわらかく包み込んだ。
「・・・う!」
バーサク対策をしていなかったクラウドは、ひとたまりもなく混乱してしまった。
「しまった、クラウド!」
シドは、混乱して自分に斬りかかって来ようとするクラウドを、よけるすべも持たなかった。
ヴィンセントが間に入ったのはその時だ。二回ともクラウドの攻撃をその細身に受けて、ヴィンセントは倒れた。
「ヴィ・・・ヴィンセントお!」
シドの叫びだけが、ヴィンセントの胸の中にこだましていた・・・。
・・・目を覚ますと、テントのなかにいた。
「気がついたか、ヴィンセント・・・じっとしてろ。けががひどいからよ」
すぐそばにシドがつきそっていてくれている・・・ヴィンセントの胸の中があたたかくなった。
「クラウド・・・は?」
「外で見張りをしてるよ」
シドの声はいつになく優しかった。夢ではないのかとヴィンセントは思ったが黙っていた。
「・・・ありがとよ、かばってくれて・・・」
「・・・礼には及ばない。あんたのためなら、このいのちも、いつだってくれてやろう・・・」
「ヴィンセント・・・」
シドの透き通ったブルーアイが、ちょっと潤んだ。ヴィンセントが幸せな気分にひたっていると、ふっとシドが顔を寄せてきて・・・。
「嬉しかったぜ」
「お、おい、シド」
「・・・愛してる、ヴィンセント・・・」
「・・・私もだ、シド。あんたのおかげで、私は・・・」
ふたつの影がひとつになろうとして・・・。
「・・・いつまで寝てるんだよ!」
シドの胴間声に起こされたのは、その時だ。
「ケアルガ3回もかけたんだ、もうキズなんか消えただろ。いつまでも寝てるんじゃねえよ、忙しいんだからよ」
「・・・ああ、やっぱり夢だったか・・・」
ヴィンセントは(顔には出さないが)相当ガックリきてしまった・・・。テントの中、シドと二人きり・・・というのは同じだが、やはり今のは夢だったらしい。
「ま、礼は言っとくよ。おかげで命拾いした」
シドは、持参してきた水筒に口をつけて飲んだ。ウイスキーのいいにおいがした。
「気つけ薬だよ。飲むか?」
「いただくよ」
シドから差し出された水筒を、ヴィンセントも口をつけて、ふた口三口、飲んで返した。
そのままシドから視線が離れない。シドは居心地悪そうな顔をして、
「・・・と、そろそろ交替の時間だな」
「わたしが・・・」
「いいよ、お前は寝てろ」
と、テントから出ていってしまった。・・・自分がたたき起こしたくせに、おかしな男だ・・・とヴィンセントは思った。
実のところ、シドが彼をたたき起こしたのは、ヴィンセントが寝言で自分の名を呼んでいたからである。照れ性のシドは、いたたまれないほど恥ずかしくて、思わずわけのわからないことを言ってたたき起こしてしまったのであった。
入れ違いにクラウドが戻ってきた。
「気がついたのか、ヴィンセント・・・」
「ああ、心配をかけた」
「俺より、シドのほうに礼を言いなよ。MP残り少ないのに、必死で何度もケアルガしてたんだから」
「・・・」
「ヴィンセントはいいな・・・。大事な人がすぐそばにいてくれるからな」
クラウドは寝袋にくるまりながらそっと呟いた。
「そんなことはないだろう、クラウド、お前だって・・・お前がけがをすれば、私たちのうちの誰一人として、同じようにしない者は・・・いない」
「うん、わかってるさ、それは・・・みんなと会えてほんとうによかった」
クラウドは目を閉じた。すぐに健康な寝息が、ふっくらした唇から漏れた。そして、そっとしたつぶやきも・・・。
「・・・セフィ」
ヴィンセントは、クラウドの髪をそっと撫でてやった。・・・口に出しては言わないが、会いたいのだな・・・。
クラウドに比べれば、確かに自分はしあわせだ。クラウドの恋人は、はるかな地の底・・・そう簡単には会えないのだ。そしてやさしく彼を包み込んでくれた娘は、もうどこを探してもいない・・・。
最近は、ルクレツィアや宝条の悪夢を以前ほど見なくなったヴィンセントだった。前は、眠りに就けば必ずと言っていいほどうなされた悪夢だったのに・・・。
それと言うのも、自分のすぐそばにいてくれる輝く魂のおかげ・・・とヴィンセントは思わずにいられない。
「・・・うわあ!」
その時、テントの外からシドの声が聞こえた。
「シド!」
ヴィンセントは銃を構えて走り出た。クラウドもはね起きた。
向こうの通路で、シドが、正体不明よりもっと正体不明な(何のこっちゃ)モンスターと格闘していた。赤い触手がシドの身体にからみつくのが目に入った。ヴィンセントはデスペナルティ(最強バージョン)を構え、狙いをつけた。
「う・・・!」
シドの身体がびくんとのけぞった・・・と思うと、糸の切れた操り人形のようにくずおれ、床にころがり落ちた。
ヴィンセントが銃を乱射すると、怪物はのそのそと逃げていった。
「・・・シド!」
クラウドが駆け寄った。・・・シドは意識を失っていた。
「マヒしてるのかな・・・。エスナ!」
効き目がない。二人は顔を見合わせた。
続いて万能薬やいろいろな薬をためしてみたが、シドはぴくりとも動かなかった。
死んではいない。心臓は動いている。ただ意識を失っているだけだ。だが・・・。
「たいへん・・・だ」
クラウドの唇が青ざめた。
「シドがやられちゃった・・・」
「ばかなことを言うな!」
ヴィンセントは低い声で叱りつけながら、シドのぐったりした身体を抱き上げた。
「とにかく、すぐ地上に戻ろう・・・医者に見せなければ!」
ヴィンシド、スノー・ホワイト・バージョン・・・かな。
また続きます。(いい加減にせえ!とか思われてるんだろうか・・・どきどき)
読んでくれた貴女にヨロコビのキッスを☆ やの字は真面目にやりますから・・・。