ミッドガル風雲編(5)


投稿者 あぐり 日時 1997 年 9 月 03 日 01:29:10:

 はふ・・・・。
 毎晩連載(と勝手に決めた)ですが、なかなかツライですね〜。
 でも楽しいですね〜。
 はっきり言ってあぐり、これだけこまめに感想書き込んでいただけると・・・感激です。
 その昔は同人誌も作ってたあぐりですが。
 これほどいろいろと反応していただけたのは生まれてはぢめてで・・・。インターネットはじめてよかった〜
 とにかくおひとりでも読者のいる限りは書き続けてしまおう、と思う今日このごろ・・・です。(そして私のたくらんでたホームページはなかなか完成しない・・・でもいいの。飽きられるまでやるわ☆)
 飽きられたらさっさと逃走しますんで、もう少しつきあってやって・・・下さい。
 こんな私を見逃してくださる、寛大な会長の大御心にこころから感謝のキッス、チュッ☆(ほんとにスゴイと思うのよ。わし大学生の頃は、もっと心狭かったような気が・・するもん☆)




 ミッドガル・・・「腐ったピザ」とも称される、だが地上最大には違いのない都市。
 シドとヴィンセントがタークス連中とともにここに来た時、街はけぶるような驟雨につつまれていた。


「よう来てくれはりました、お二方!」
 新社長リーブは、相変わらずテンションが高かった。
「待ってましたで〜、ホンマ、ボクみたいなもん、なんの能力もないのに、何やらなりゆきで社長になんぞされてしもて、そらマ嬉しいことは嬉しいですけども、右も左もわからんで、正直途方にくれとったんですワ。でもこれで千人力でんがナ、シドはんヴィンセントはんに、ユフィはんまで来てくれはって・・・」
ユ、ユフィ?!
 二人は顔を見合わせて同時に叫んでしまった。
「は〜いシドおぢさん&ヴィンセント、元気だったあ☆」
 登場したのは、ルーズソックスのニンジャ娘、ユフィであった。
「や〜ん、また会えるなんて思わなかったよぅ☆ ヴィンセントあいかーらずイイ男だねえちょっとクラいケド・・・艇長、相変わらずタバコくさーい☆ でも、なんでふたり一緒にいるの?やっぱあんたたち、デキてたの?」
「お、オマエは・・・」
 二人は一気に脱力してしまった。
「ウータイいたってヒマなんだもん。やることないんだもん」
「う・・・それは私たちも同じことだが」
「ふ、ふざけるな」
 シドは、小娘相手に食ってかかった。
「これからは故郷でおとなしく親孝行でもします・・・とか言ってなかったか、オマエはあ」
「言ったケドさ。シドだって言ってたじゃんか。これからは村に戻って、シエラさんのためにつぐないするとかしないトカ・・・」
「う・・・」
「やっぱさあ、あたいらみたいなエネルギーありあまってる人間ってサ、平和には順応しきれないんだよねー」
 ・・・。
 何だか思いもよらない人間の出迎えに、前途を悲観したくなるような、でも何だか安心してしまったような・・・そんな二人なのであった。


 ミッドガルの夜はアンニュイだ。
 いつものバーで、ルードと二人、カウンターに並んでオンザロックを口に運んでいたレノは、ついつい笑ってしまいそうになる口もとを引き締めるのに懸命であった。
「・・・どうした、レノ。なに考えてる」
 ルードに尋ねられて、あえて隠し事はしようとしないレノだった。
「いや、ヤボ用さ」
「・・・シドのことか」
「わかるのかな、と」
「オマエのことなら見逃しゃしない」
 ルードはちょっと顔を赤くした。
「分かってるぞ、と。オマエは長い黒髪に弱いからな、と」
 レノは妖艶な笑みを浮かべながら恋人の謹厳な横顔を見た。
「そう言えばあの武闘家のネエちゃんは、どうしたのかな・・・と」
「あれは・・・もういいんだ」
 ルードは慌てて水割りを口に運んだ。
「オマエこそ・・・あの飛空艇のおとっつぁん、まさにお前のタイプのような気がするが・・・」
「まあな。ちょっと気難しげだが、おいしそうなバックだったぞ、と・・・敏感そうな肌だし、ちょっと泣かせてやりたいぞ・・・と。しかしもったいないぞ、と。チャンスじゃないのかな、と・・・」
 二人は、来週からの新任務を思わずにいられなかった。ユフィ、シド、ヴィンセントを無事(?)ミッドガルへとひっぱって来たが、来週になったら、今度はコレルへバレット・ウォーレスをスカウトに行くという新しい仕事が待っているのだ。
「・・・ここ発つ前に何とかしたいな、と・・・」
「・・・俺は別にどうだっていい」
 ルードは言った。確かにルードには、ヴィンセントに似たところがあって、好いた相手がいても、何もせずじっと見つめているだけで満足・・・みたいな面が濃厚にあるのだ。
 レノは冷笑した。レノはルードほど純情ではない。気に入った相手は、必ず抱くか抱かれるかしてきたレノなのだ。
「・・・なんかイイ方法はないかな、と・・・」
「・・・」
「お前の趣味も、オレの趣味も、どっちもうまくかなえる方法・・・。このまんまコレルなんかへいけないぞ、と」
「・・・おい」
 ルードがレノのわき腹を肘でつっついた。・・・酒場に入ってきたのは、ちょうど話題にしていた二人の男・・・シドとヴィンセントだったのだ。


「・・・正直、後悔してるよ」
 ヴィンセントはじっとシドを見ながら言った。
「あんたを独り占めしたい・・・とは思う。が、ひとりの女性をそれで不幸にするとなると・・・」
「よせよヴィンセント、お前らしくねえぞ、そんなの」
 シドはすでに酔い始めていた。
「女が何だってんだよ、ああ?・・・男一匹、はぱかりながら、いつまでもあんなシケた村にくすぶってられるかってんだ・・・だろ?」
「あんたがシラフの時でも、同じように言ってくれればいいんだが・・・な」
 ヴィンセントは悲しげに呟いた。
 ・・・まったく、このシドにはどれだけ振り回されて来たことだろう・・・。ヴィンセントはつくづく思う。
 シドは自分勝手だ。無神経だし、シエラのことでも、どれだけ自分を傷つけてきたかわからない。
 それでもヴィンセントは、シドから離れられなかった。シドの一挙手一投足から目を離せないし、肌はきれいだし身体つきは引き締まっているし、感度もいいし・・・そのほかにも・・・。
 肉体的なことはさておいても、シドは魅力的だ、たしかに。
 ルクレツィアの時は、押しが弱すぎたばかりにすべてを駄目にしてしまった自分だ。今度ばかりは、誰が何と言おうと、誰が不幸になろうと、たとえ本人がどんなに嫌がろうと・・・手を引くつもりはないヴィンセントだった。それでも、たまには正気に返ることもある。
「オレは誰のもんでもねえよ」 
 シドは酔眼を据えて言った。
「オレの心はオレのもんだ。・・・身体なんかは誰にくれてやっても大したこたァねえが・・・でも」
「ほんとうに?」
「・・・わからない」
 シドはついに言った。
「ヴィンセント、お前は一体何者なんだよ?・・・オレはお前だけはわからない」
「シド」
[・・・お前に何もかもまかしちまっていいのか、どうなのか・・・オレにはわからねえ」




 いよいよヴィンへの想いを自覚しはじめたシド・・・ですかね。
 でも、どうなるんだろ・・・書いてる自分でどきどき・・・です。
 レノの鬼畜なアタックも見逃せない。どうなっちゃうのかナ・・・。
 ユフィが出てきてくれて助かった〜ホント。
 こんな作品でも・・・読んでくれた貴女には感謝☆です。


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