いかそーめん様に捧げる |
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こんばんは。
明日から遅出です(らっきー)。 というワケガラで掲示板のゴミが増える増える・・・許してくださあい・・・。
いかそーめん様からリクエストのあった「プレジデント×シド」です。絶対見たくないぞという方は、ここでお引き返しください・・・。
今日は、年に一度の神羅軍の観閲式。朝からジュノンの街は沸き立っていた。
若き飛空艇隊中尉シドは、いつもは服装なんか全然かまわないのだが、今日ばかりはそうも言っていられない。プレジデントの前で飛空技術を披露するという、一世一代の晴れ舞台なのだ。これでプレジデントのお目にとまれば、もしかしたら、以前から稟議を起こしていたロケット建設に予算を回してもらえるかもしれない。ということでシドは前からはりきっていた。
クリーニングから戻ってきたばかりの制服に袖を通し、いつもはあみだにかぶる制帽もきっちりとまっすぐかぶり、白いスカーフをきちっと巻き、仕上げに白手袋・・・。輝くような金髪と、透き通ったブルーの目がスカーフに映えて、絵に描いたような空軍中尉であった。
「きゃ☆シド様よ」
「ハイウィンド中尉、がんばってえ〜」
若くてハンサムで独身の中尉に、すれ違う女性兵士や女性士官たちが熱い視線を投げかける。
シドの操縦した飛空演技は大成功だった。神羅軍ばかりでなく、一般のお客までがやんやと喝采を送っている。
最後の仕上げだ。シドとその部下たちはきびきびとコクピットから降りると、プレジデント席の前に整列し、敬礼を送った。
「敬礼!・・・休め!」
シドの号令に合わせて、一糸乱れず行動する部下たち・・・。プレジデントはかなり満足したようであった。
これでロケット予算はいただきだ・・・、シドは内心「してやったり」と思って快かった。
「え、プレジデントから呼び出し?」
翌日、タークスのツォン・・・まだタークス・リーダーではなかったが・・・が呼びにきた時、シドは「ついに来た!」と思った。
「それは一体何の用件だ?」
「・・・それはオレの口からは言えない」
ツォンの口調は、いつもながらにもの静かだったが、なぜか、暗く陰鬱であった。
「とにかく、シャワーを浴びて、服を着替えてから行けよ。プレジデントの前に、そんな機械油くさい作業着なんかで出るんじゃないぞ」
「わかってるって」
「・・・」
ツォンが、なぜか痛ましそうな目で自分を見たのに気づかなかった。部下たちが、
「艇長、いよいよですか」
「やっぱ昨日の飛空演技が効いたんだな」
「艇長、しっかり予算ぶん取って来て下さいよ!」
口々に言うのを快く聞きながら、シドは「まかせとけって」と、服を着替えるために自室へ戻って行った。
シャワーを浴び、無精ひげを剃り、昨日のような第一礼装ではないが、こざっぱりとした制服に袖を通してから、シドはプレジデントの部屋へ急いだ。お偉方は気まぐれなもの、遅刻などしたらせっかくの予算を取り消されてしまうかも知れない。
プレジデントと直接話をするのは初めてだ。相手は雲の上の人だし、自分は骨の髄まで現場の人間だから・・・。
「プレジデント、ハイウィンド中尉です」
秘書に案内されて通された、最上階のプレジデント・ルームは、シドのブーツのカカトがうずまってしまうほど厚い柔らかい絨毯が敷き詰められていた。天井からは豪華なクリスタル・ガラスのシャンデリアが下げられ・・・壁には高価な美術品が惜しげもなく並べられている。
ついキョロキョロしそうになるのを我慢しながら、シドは、最高級の樫材で出来たプレジデントのデスクの前に立ち、最敬礼した。
「楽にしたまえ、中尉」
プレジデントはデスクにひじをついて、肥えた指を組み合わせながら、こちらをじろじろと見た。指には、ゴキブリのように大きな宝石が光っている。
デスクの上に、シドが提出した禀議書が置かれているのを、シドは見逃さなかった。
「きのうの飛空演技はじつに見事だった。キミの操縦技術も確かだったし、部下たちがまたきちんと統率のとれた行動をとっていた。・・・君のような人材にならば、わが神羅の社運を賭けたロケット計画・・・、任せてもよいかもしれん」
「プレジデント、それじゃ!」
歓喜に顔を輝かせるシドを、プレジデントは手を挙げてやんわり抑えた。
このとき、秘書がそっと席をはずした。しかしシドはそれどころではない。
「予算が、ほしいかね?」
「もちろん、です!」
シドは机に身を乗り出した。
「自分の夢だったんです・・・神羅に入社したのもそのためです。もちろん計画が成功すれば、神羅の名声はますます高まるでしょう」
「フム」
「自分も部下たちも、ロケット計画のためなら、命だっていらないつもりでいるんです」
力説するシドに、プレジデントの目がきらっと光った。
なぜかシドは、背筋が冷たくなるのを覚えた。
「命も・・・。それはありがたいね」
「は、はい」
「少し難しい条件がつくかも知れないが、それでもいいかね?」
「・・・かまいません。どんなことでも」
「それならば、こちらへおいで」
プレジデントは、手元のコントロールパネルを何やら操作した。と、壁が二つに分かれ、奥の間が姿を現した。
「・・・!」
シドは目を見開いた。奥の間の主役・・・、それは、キングサイズのダブルベッド。サイドテーブルには、さまざまな不吉な道具が並べられている・・・。
「さあ、どうするかね?」
一瞬、プレジデントをぶん殴って飛び出そうかと思った。相手は肥った老人一人だ、わけはない。
だが、そうしたらロケットは・・・。予算を心待ちにしている部下たちは・・・。
シドは唇を噛みしめてプレジデントを凝視した。死んだ魚の目のようにどろりとしたその目からは、なんの表情も窺えなかった。
「いいね、その表情・・・」
プレジデントはゆっくりと立ち上がり、ネクタイをはずしながら奥の間へ歩いていった。
「昨日の観閲式で君を見て、一目で魅せられてしまったよ。実にキマっていたね・・・」
「・・・」
「さあ、どうするね。社としては、別にロケット建設はどうしてもやらねばならない企画というわけではないのだよ」
「本当に・・・本当に予算がもらえるんですか」
「約束しよう」
シドは机の上の禀議書に目を落とした。
「先にこれにサインを頂けますか」
プレジデントは苦笑しながら、万年筆を取り上げて、
「こちらへ持っておいで」
と、ベッドに座り込んだ。シドは震える手で禀議書を取り、奥の間のプレジテントに手渡した。プレジテントはサラサラとこともなげにサインした。
「さあ、これでいいかね。これを後で秘書に渡しておけば、ロケット計画は本格開始だよ」
「・・・ありがとうございます」
「私は約束を守ったよ。今度は君が約束を守る番だ・・・」
シドは目をつぶって、ネクタイをほどいた。
「シャワーを浴びておけ」とツォンが言った意味はこれだったのか・・・。
「そこまででいい。後は私が脱がせてあげよう・・・」
シャツのボタンを半分かけたまま、ベッドに腰をおろすと、プレジデントは待ちかねたように抱き寄せた。
「あ・・・」
「初めてだろう?優しくしてあげるよ」
(お生憎、初めてなんかじゃねえや)
シドは心の中で悪態をついた。まだ士官候補生だった時分、先輩たちに乱暴されたことが一度だけあった。思い出すのも忌まわしいできごとではあったが、今となっては、プレジデントの鼻をあかしてやれたと思う。
が、プレジデントの愛撫は、荒くれたパイロットたちのそれとはくらべものにならないくらい洗練されていた。
「・・・あ」
首筋をなめ上げられて思わず声が出た。
プレジデントは、隠された鉱脈を掘り当てたようにニヤリとほくそ笑んだ。
「君はここが弱いようだね」
「・・・!」
「声をこらえる必要はない・・・どうせ誰も聞いていないんだ」
「・・・」
「いい身体だ。思った通りだ」
シドはひたすら目をつぶっていた。
「今度は君が私を脱がせてくれんかね?」
容赦ないプレジデントの言葉が飛ぶ。シドはやけくそで目を開けた。
(ええい、ロケットのためだ・・・こうなったら・・・こうなったら何だってやってやらあ!)
夜明け前・・・。
シドはやっと、宿舎の自分の部屋へ戻って来た。
(これでいいんだ、これで・・・)
プレジデントのもので汚れた口をすすぎ、ついでに水を一杯飲んでから、シドは着たばかりの服を脱ぎ捨てた。
ユニットバスの鏡に、プレジデントにさいなまれたばかりの身体が映っている。美しいからだだった。今は体中に醜い傷が走り、見るかげもなくなっていた。
ロケットのためとは言え、自分はなんてことをしてしまったんだろう・・・。初めてシドの目に涙が浮かんできた。
シャワーの音にまぎらせながら、シドは泣いた。今まで誰にも見せたことのない涙が、湯気にまぎれて消えていった。
明日からは、ロケット計画が始まる・・・。
それだけが、シドの心の支えだった。
・・・こんな感じです。・・・なんか、やっててものすごい罪悪感に胸を噛まれたというか、心が痛んだというか・・・。
人には鬼畜を要求しといて何ですが・・・
やっぱり、やの字はシアワセなほうがいいです・・・ね。
読んでくださった貴女に感謝☆
いかそーめん様、気に入ってくれるといいなあ・・・