チープサイド先生


投稿者 チープサイド 日時 1997 年 8 月 26 日 18:39:27:

自分でも思った。
何という下手な文章!(そりゃいつも)


 ザックスは平民だった。しかし彼は剣がとてもうまく、その腕を買われて騎士団に入った。
それからの彼の活躍はすばらしいものだった。一番活躍したのは、数カ月前の強盗討伐だろう。ある金持ちを殺して金目の物を奪い、屋敷に火をつけ逃亡した奴らを、ザックスは騎士団の一員として追いかけた。
そいつらのアジトでは、狭くて戦いにくいうえ、さらに罠なども仕掛けてあり、親分を追い詰めたときには20人の部隊も二人だけになっていた。
その一人がザックス、もう一人が部隊長の男爵。相手は親分一人、と思って油断したのがいけなかった。隠れていた盗賊が突然飛び出して、男爵は刺されてしまったのだ。
ザックスは一人で二人の敵を倒し、男爵を連れて帰った。幸いにも男爵は生きていて、ザックスはその働きにより、男爵位と白銀騎士団分隊の「紅き龍騎士団」団長の地位を与えられたのだった。

 ザックスの弟、クラウドは、最近兄の様子がおかしいことに気付いた。ふだんはボーッとしてるような感じで、白銀騎士団団長のセフィロスに呼ばれてゲインズブール邸へ行くときは妙に張り切っている。
それに限らず、先月行われた騎士たちが一騎打ちで腕を比べる大会でも、ゲインズブール家の席の方を見てボーッとしている。
どうしたの?と聞いてみても何も答えてくれない。クラウドが、兄さんはどうしたんだろうと悩んでいるとき、ザックスの方も悩んでいた。
ザックスはゲインズブール家の娘、エアリスに惚れてしまったのだ。だけど相手は公爵の娘。当主のガスト公は身分など気にしないというが、やはり身分を意識してザックスは気が引ける。
 エアリスは有能な騎士家の生まれだけに、幼いころから剣を習った。騎士最強と言われるセフィロスの教えを受け、今では並の男では勝てない程の腕前だ。
しかも性格は無邪気で明るく、そして国で一番美しいと噂されている。
そんな彼女にザックスは惚れない訳にはいかなかった。
ガスト公とセフィロスに認められ、いつでも屋敷に来ていい事になると、もうザックスの気持ちは押さえられなくなってしまった。

 あるいい天気の日のことだった。普段はこの時間、クラウドに剣を教えるザックスの声が聞こえてくるはずなのに、ザックスの家からは何も聞こえない。
おかしいなあ、とクラウドは二階の自分の部屋から、ザックスがいるはずの食堂へ行ってみた。いつもは隠れても必ず引っ張り出され、無理矢理練習させられるのに、(そのお陰でだいぶ剣の腕前も上がったが)今日はそれがない。
食堂に行くと、ザックスが腕組みをして部屋を落ち着かない様子で歩いて行った。
鎧を着て、ちゃんとした騎士団長のいで立ちだ。
「どうしたの兄さん?」
クラウドは聞いてみるが、ザックスは何も聞こえてない様子だ。うーんとうなってうろうろしている。
「ねえ兄さん!」
大声でクラウドは話しかけた。ザックスは顔を上げたが、クラウドの言葉に反応してではない。何か大きなことを決心した顔だ。急にクラウドを突き飛ばして走りだすと、そのまま家を出て行ってしまった。

「何だザックス。騒々しいぞ。」
ザックスがゲインズブール邸に駆け込むと、最初にあったセフィロスが言った。
いつものように、黒いコートに銀の防具をつけている。
「セ、セフィロス、ガスト公に会いたいんだ。今、会うことはできないか?」
「父ならいたはずだ。呼んで来てやるから応接室で待ってろ。」
そう言うとセフィロスは二階のガスト公の部屋へ行った。ザックスは応接室の所まで行き、緊張して中に入る。何しろ今から自分の人生を決める、大きなことをしようとするのだから。
落ち着かないそぶりで、来賓用のいすに腰掛けた。前にはガスト公専用の椅子と机が置いてある。
「ザックス君、そんなに慌ててどうしたんです?」
落ち着いた口調と足取りで、奥の扉からガスト公が入って来た。ザックスは慌てて立ち上がり、あいさつを述べようとしたが、ガスト公にあいさつはいいよとさえぎられ、座るように言われた。
「どうしたんですか?まあ落ち着いて用件を言ってください。ひどく慌てていたそうじゃないですか。」
「その、あの、俺…、」
あれほど堅く決心したのに、どうしてもそれを言い出すことができない。
「えーっと、俺、その…、」
絶対に言おう、と思っていたのに、いざガスト公の前にくるとどうしても緊張してしまってうまく話せない。ええい、それでも男かザックス!ここで頑張らないとすべてが終わりだぞ!と自分に言い聞かせた。
「お、俺、エ、エアリスさんが好きなんです!それで、その、俺、エアリスさんに結婚を申し込みたいんです!」
それを聞いてガスト公は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑顔になりザックスに言った。
「分かりました。エアリスの方もあなたを思っているようです。いつもあなたがくるのを楽しみにして、あなたがいないと少し寂しそうなんですよ。実はこちらから話を持ちかけようとも考えていたんですよ。エアリスに話しておきましょう。」

その夜、エアリスは父のガスト公に大事な話がある、と呼ばれた。
鎧から、お気に入りのピンクのドレスに着替え、エアリスは父の部屋へ行った。
父の部屋へ入ると、なぜか母のイファルナ、兄のセフィロスがいて、エアリスは少し驚いたが、言われた通りに椅子にかけた。三人の真ん中にガストが座っていて、ガストに近い左側の席にイファルナ、右側にセフィロスが座っている。
「父さん、用ってな〜に?」
ガストはうなずくと、用件を切り出した。
「エアリスは今年、二十歳になったけど、結婚を考えたことはあるかい?」
うーん、まだ、と彼女は答える。
「実はおまえに求婚して来た者がいるんだよ。なかなかいい相手だけど、どうかい?エアリス。」
「えっ…、父さん、どういうこと?」
分からないのか、とセフィロスがいう。
「おまえと結婚したいと言う奴がいる、と言う話だよ。」
「だけど、そんな急に…。」
「もちろん答えを慌てる必要はないよ。おまえなりにじっくり考えて、いやだったらそれでもいいんだよ。」
あまりに突然の事なので、エアリスは驚いてしまった。
「あの人ならエアリスも気に入るはずよ。」
イファルナが言う。
「ね、ねえ、その相手って、だれなの?」
ガストは、いたずらっぽくふふっと笑う。
「ザックスだよ。おまえの大好きな。」
エアリスは顔を赤らめ、照れてうつむいてしまう。自分がザックスを好きなことが、ばれてしまっている。
「おまえがあいつを好きなのは家族みんな知っているぞ、エアリス。」
横からセフィロスがからかうように言う。エアリスは真っ赤になって照れて、顔を覆ってしまった。
「あの人なら、私はいいと思うわよ。」
「うん、私もいいと思いますよ。」
夫妻が、うなずきあいながら言う。
「この国であいつほどの勇気と優しさをもった者はいないだろう。」
セフィロスが彼をほめる。事実セフィロスは、ザックスの勇気に幾度か助けられているのだ。
エアリスが顔を赤くしたまま上げる。
「私、彼となら、結婚したい。ザックスのこと、大好きなの。」

次の日、ザックスはガスト公に呼び出された。ゆうべは全く眠れなかった。ザックスは物事を悪い方向には考えない性格だったが、今回はどうしても不安になってしまう。
もし断られたらどうしよう、いや、きっと大丈夫だ、でも……。考えだすときりががない。結局、昨日は鎧を脱ぎ、落ち着いて食事などできなかった。

「それではエアリスを呼んで来ましょう。」
応接室で、ガスト公は立ち上がりながら言った。
いよいよだ。ザックスは気を引き締めると、深呼吸をした。

「ザックス……。」
エアリスがゆっくりと入って来た。ふだんの騎士の格好ではなく、ピンクのドレスを着ている。窓から差し込む光が、まるでエアリスの美しさを演出しているかのようだ。
今までのうちで、一番美しく見える。
「エアリス……。」
ザックスはゆっくりと立ち上がり、エアリスのそばへ歩み寄る。
「エアリス…、俺…、」
もう二人はくっつきそうな位に近付いた。エアリスが自分より背の高いザックスの顔を見上げる。
「君の事を愛している……。俺と…俺と結婚してくれ……。」
「私も…、今、あなたとおんなじ気持ち……。」
「エアリス…、それじゃ……。」
うん、とエアリスはゆっくりうなずく。
まるで森の緑を閉じ込めたようなエアリスの瞳に、ザックスは吸い込まれていきそうな気がした。
エアリスはザックスのりりしい顔を、うっとりとして見つめていた。
二人とも人生最大の幸福を味わっていた。
自分の愛する人と、一緒にいられる。
幸せな日々が始まる予感がした。
この人さえいれば、どんなことにも耐えられる気がして来た。
この人さえいれば、どんなこともやり遂げられる気がして来た。

いつしか二人は、堅く堅く抱き合っていた。
愛する者といられる、最高の幸福をかみしめながら、お互いを堅く抱き締めた……。


なーんか変な文章だな。特に最後。
げほげほ。

ところで二重書き込みの反省文って、モンスター×クラウドでいいんですよね?(←早くかけ)


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