チープサイド先生


投稿者 チープサイド 日時 1997 年 8 月 26 日 18:30:25:

これ書いてて、もう少しで暴走するとこでした。
子どものセフィロスとエアリスです。
キスしてます。
設定年令、セフィロス9歳、エアリス4歳のつもり…


 セフィロスはエアリスたちの部屋をのぞいてみた。
そこにはエアリス一人しかいない。どうやら宝条の研究員たちが、イファルナを連れて行ってしまったようだ。
 いつからかセフィロスは、母親を連れて行かれ、おもちゃも何もない部屋で独りぼっちのエアリスに、いろいろな話をしてやるようになっていた。
生まれてから4年間、一度も外へ出たことのないエアリスにとって、いろいろな話を聞かせてくれるセフィロスは、お母さんの次に好きな人だった。
今ではエアリスは、セフィロスの事を「お兄ちゃん。」と呼び慕うようになっていた。
「やあ、エアリス。」
「あっ、お兄ちゃん!」
部屋へ入って行くと、エアリスがうれしそうな声を上げた。にっこりと笑いながら、セフィロスに飛びついてくる。
「ねえねえ、お兄ちゃん、今日はどんなお話、してくれるの?」
セフィロスの手を引きながら、エアリスが言う。
まるで牢獄のような小部屋にある、質素なベッドに二人は腰掛けた。
エアリスは眼を輝かせて、にこにこしながらセフィロスを見上げる。ちょうど頭ひとつ分くらい、セフィロスの方が背が高い。
「じゃあ、今日は…。」
セフィロスは知っている昔話をしてあげた。エアリスはうれしそうに聞いている。その無邪気な笑顔が、セフィロスも笑顔にさせる。
「ねえお兄ちゃん、もっとお話し、聞かせて!」
セフィロスが話し終わると、エアリスはそうせがんだ。
うーん、それじゃあ…、とセフィロスは次の話をしようとしたが、エアリスの顔を見て、急に真顔になった。
「ねえエアリス、キスって何か知ってる?」
ううん、とエアリスは首を振る。
「それじゃ、オレが教えてあげるよ。」
そう言うなり、セフィロスは、自分の右手をエアリスの頭に回してぐいっと引き寄せると、自分の唇をエアリスの唇に重ねた。
エアリスが、突然のことに混乱して離れようとすると、セフィロスは左手をエアリスの背中に回して、体を堅く抱き締めた。
二人はそのまましばらく、キスをしていた。
数分してから、セフィロスが唇を放した。エアリスは自分の胸に、手を当ててみた。すごく、ドキドキしてる。
「エアリスの唇、柔らかいね。」
セフィロスがほほ笑みながらエアリスの顔を見る。
「お兄ちゃんの唇って、あったかい。」
エアリスもほほ笑んだ。まだちょっと、ドキドキしている。頬が、赤くなってる。
「これがキスって言うんだよ、エアリス。」
セフィロスが言う。
「エアリスは、キスって初めてだろ?」
うん、とエアリスはうなずく。
「ねえ、どんなときに、キスってするの?」
「すごく好きになった人とするんだ。エアリスも、大人になれば分かるよ。」
そのとき、研究員のセフィロスを呼ぶ声が聞こえた。あ、いかなきゃ、とセフィロスが言う。
「ねえ、お兄ちゃん。また今度も、お話してね。」
立ち上がるセフィロスの手をつかんで、エアリスが言う。
「ああ、きっとだ。じゃ、またね、エアリス。」
右手を軽く上げて、セフィロスは部屋を出て行った。


怒んないでね。
ただ、セフィロスとエアリスをキスさせてみたかっただけ…


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