あぐり先生


投稿者 あぐり 日時 1997 年 8 月 24 日 21:43:10:

 前回のあらすじ ジュノンにやってきたクラウド一行。だが、いつの間にかジュノンに潜伏していたコルネオ一家に、クラウドが誘拐&監禁&××××されてしまった!危難のなかで、思わずセフィロスに助けを求めるクラウドだが・・・。

 さて、クラウド救出編に参ります。救出したくない、永遠にこのままがイイ、という方は、適当にここからつなげて頂けると嬉しい(ホントかあ)です。
 も一度注意事項。お嫌いな方は、読まずにここで引き返してくださいね。


 混濁した意識の中で必死にクラウドはセフィロスを呼んでいた。・・・初めてじゃないんだ、こんなこと。ソルジャーとして一人で立って歩こうとしていた16の年から、こんなことは何度もあったはず。
 幸せだったのは、セフィロスにしてもらったときだけだった・・・。
 そのセフィロスも、今は敵になってしまった。
 クラウドの意識は退行していった。・・・帰りたい、帰りたい、あのころに・・・。幸せだったむかしに・・・。セフィがいて、ザックスがいて、ニブルヘイムにはかあさんやティファがいて・・・。
 あの頃が一番幸せだった。力も何もなかったけれど、希望があったあのころに帰れたら・・・。
「セフィ」   
 ・・・だめよ、クラウド・・・ちゃんと目を開けて、前を見て!・・・
 誰かのやさしい声が励ましたような気がしたが、クラウドの意識は、それっきり、二度と浮かび上がれないほどの深みへと落ちて行った・・・。


「ティファ!」
 自分を呼び止める声に、何時間も走り回っていたティファは、立ちどまった。
「ヴィンセント・・・ヴィンセント!」
 ティファは、涙で顔をぐしゃぐしゃにして、ヴィンセントの長身にしがみついた。
「クラウドはっ?彼、戻って来た?!」
 ヴィンセントはかぶりを振った。ティファの瞳が絶望にくもった。
「ああ、どうしよう。きっとつかまったんだわ。・・・クラウドに何かあったら!こ、殺されてしまっていたら・・・」
「ばかなことを言うんじゃない。とにかく君はホテルに戻りなさい」
「いやよっ」
「ティファ、コルネオ一味は君にも恨みがあるはずだ。クラウドを探すのはいいが、もし君までつかまったら、それこそただではすまない」
「でも・・・」
 向こうから、レッドとユフィが駆けて来た。ヴィンセントは二人に、ティファを連れて戻るように言い渡した。
 ふところに入れた銃をにぎりしめる。さっきはデスペナルティで失敗したので、今度は銀玉鉄砲を持ってきたのだ。


「・・・セ・・・フィ」
 もう、声が出ない。
 クラウドの白い体に群がってむさぼり立てていた男たちの一人が、軽くクラウドの頬を叩いた。だがクラウドは反応しなかった。
「ち、いい気なもんだぜ。悦びすぎて疲れてやがる」
「ああ。でも、しばらくぶりじゃあねえかよ、こんなに味のいいのはよ・・・」
「だな。殺すの、もったいねエな」
「どれ、俺にもう一回やらせろよ・・・」
 だが、クラウドが反応する時期はとっくに過ぎていた。あまりに快楽の波に揺られすぎ、クラウドは疲れきってもう何も感じられなかった。
 人形のようなその体が、遠慮会釈なくゆすり上げられる。
 ばあん!音をたててドアがけ破られ、黒い大きな影が飛びこんで来たのはその時だ。
「てめえら・・・」
 左手に銃をつけた男・・・バレットが飛び込んできたのだった。
「クラウドを放しやがれ!」
「なっ、何をう」
「バレット、いたか」
 続いて飛び込んできたのはシド、そしてヴィンセントだ。
 無残なクラウドの姿を目撃して、ヴィンセントの赤い目がきらっと光った。
「外道ども・・・!」
 ・・・シドの前でこの姿は見せたくない。だが、それよりもヴィンセントの怒りは勝っていた。
 見る見る怪物に姿を変えていくヴィンセントの横で、バレットが銃を構えた。


 翌日。
 ころころ肥えた醜い尻を振りたてながら、ハイウィンドのデッキを、ドン・コルネオが雑巾がけしている。
「ほひー、ほひー」
「ほらほらおっちゃん、そっちがまだ汚れてるよお」
「ほひー・・・」
「しっかり働きなよ。殺されなかっただけ喜ばなくっちゃ」
 ユフィがケラケラ笑いながらああだこうだ指図している。
 医務室では・・・クラウドの容体はかなり深刻であった。
「また、退行しちまったって・・・」
 医務室の外で、シドは口の中のキズをかばって、顔をしかめながら煙草をふかしている。
「あの時といっしょですわ。いや、もっと深刻かもしれへん」
「・・・と、言うと・・・」
 部屋に入ろうとしたシドたちを、ケット・シーはあわてて押しとどめた。
「あきまへん、入ったら」
「けど、オマエ」
「・・・クラウドはん、きっとこんな自分の姿を、誰にも見られたないはずだと思いますのや。ティファさん、そう言うてはるんです。どうか、どうかそっとしといて・・・」


「セフィ・・・セフィ、どこ?」
 クラウドは夢うつつにいとしいひとを呼ぶ。
 体が、とんでもなく熱かった。抱いてもらわなきゃとてもおさまりそうもない。それも、ちょっとやそっとじゃとても駄目だ。・・・めちゃめちゃに・・・してほしい。
「セフィ・・・抱いて・・・!」

 
 ティファは、自分の身を抱きしめてもだえるクラウドのそばで、自分も身を固くしていた。
「あたしの声、聞こえないんだ・・・そう・・・あたしじゃ駄目なんだ」
 だがティファは、きっぱり顔を上げた。
「待っててクラウド。あたし・・・あたし、貴方を元に戻すためなら何でもする。セフィロスしか貴方をもとに戻せないのなら・・・あたし、あの男を探すわ」


 あれれれれ?終わらないぞ・・・。
 いったいどうなってしまうんだ・・・。
 とりあえず、反省文部分ここにて終了。次回(まだつづくのかい)はセフィクラ編・・・かな?(やんないとか言っといて、あーあ・・・でも話のなりゆきなんで、責任取りまあす)
 読んでくだすった貴女には、感謝のキッス(^。^)百連発!


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