パノラマ先生の第5弾

血まみれクラウドを書きながらこんなことを考えてました。
もとネタ、知らない人って、きっといるんだろうなあ。
若いお方とか(^^;)



研究所の仮眠室からでてきた宝条は、すっきりした顔で白衣を手に取った。いつものように培養槽をのぞきこむ。
神秘的な魔晄の色をたたえた瞳が宝条を見返す、はずだった。
「?!」
瞳には小さな足が生えているようであった。
「そんな馬鹿な・・・・」
科学の信奉者である宝条は、見なかったことにしようと心に決めた。

一週間後、足は無視できない存在になった。もっと悪いことに胴体やら手まで生えて来ているようである。
(眼球に生えた体・・・・どこかで見たことがある)
いやな予感に悩まされた宝条は、恐る恐る培養槽から眼球をとりだした。
「おいっ!キタロウ!!」
「・・・・目玉のおやじ・・・・(Byゲゲゲの鬼太郎)」
ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲ。一瞬主題歌が頭の中に浮かんだが、宝条の動きはすばやかった。無言で袋にその物体をつめこみ、迷う事なく廃棄物用のダクトにほうりこんだ。

明朝、研究員仲間から貧乏くじばかり引かされている研究員Pが無神経な声を上げた。
「博士、培養槽の眼球はどうしたんです?」
「廃棄した」
「どうしてです、気に入ってらしたのに」
わたしだって廃棄したくなんかなかった。しかしあれはしゃべるんだぞ、あの声で。どうしてあんなことになったんだ。わたしのクラウドをかえしてくれ。
などと叫べるはずもなく、宝条はじろりとPをにらみつけた。
「培養槽清掃一週間」
「はぁ!?」
博士の命令は絶対である。
えんえんと続く等身大の培養槽を一人で掃除しながら、Pはとらばーゆを買って帰ろうと固く決心をしていた。



血まみれちゃんのおちは、考えているのでアメリカからでも送ります。
世に煩悩の種はつきまじ。


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