パノラマ先生の第3弾

さんざん遅刻したし、反省文です。
とかいって、さわりのとこだけなんだけど。
続きは反応次第ということで。
新規書き込みができなかったので、レス欄借りてしまいました。
すみません。


「くだらない失敗作だ、もう廃棄してしまおう」
宝条の声を聞いた研究所所員たちは皆一様に振り返った。
「彼、のことですよね?」
「あの人形だ・・・クラウドとかいう名前もあったがな、最近精神に異常をきたしている。もう限界だろう」
何かいいたげな所員に冷たい眼差しをくれると、宝条は肩をすくめた。
「さっさとあいつをケージからだしてこい」
まだ年若い所員は、宝条の言葉に黙って従った。
研究室の隅に設けられた大きな檻に彼は眠っていた。
実験動物であることを示すタグが首輪につけられている。服など着てはいない。
クラウドには連日の苛酷な実験のせいで大小様々な傷がある。新しいものから、痣になってしまったずっと古いものまで、まるで記憶のように彼の体に刻まれている。
ひどく虐げられて、実験の都合上ついたものはもちろん、たしかな悪意で傷つけることを目的につけたものも多かった。だが本来なら白磁のように滑らかであっただろう素肌を汚す傷痕の殆どはクラウド自身がつけたものであった。
苦痛以外の何物も生まない行為。不思議なことにクラウドは死を望もうとはしないのであった。ただ殉教者のように自らを痛め付けることを繰り返す。
手足には無数の傷痕。太ももには引き連れたケロイドが残る。何回もおられた指は曲がったままに固定されてしまった。
クラウドの精神は現実を拒み、内へ閉じこもっていた。おそらくもう元には戻ることはないだろう。
「さあ、おいで・・・・」
うっすらと目を開けたクラウドは途端におびえた色を瞳にうかべた。
檻の隅にうずくまってしまった彼に手を焼く所員に、宝条は露骨に舌打ちした。
「なにをぐずぐずしている。もういい、わたしがやろう」
乱暴に所員を押しのけ、宝条は檻の中に入った。
クラウドの首輪を引っ張り、強引に立たせる。
「歩けるな・・・?それとも私の言うことをきかなかった罰が欲しいのか」
ひっと息を呑み、クラウドは何度も頭を振った。なえてしまった足で懸命に歩こうとする様子に宝条は満足げな微笑みをもらした。
「手術台に乗れ」
クラウドは不自由な体でぎこちなく手術台に横たわった。慣れた手つきで宝条は彼のか細い手足に拘束具をはめる。
「良い子だ・・・だが、もうお前は用無しなんだよ」
骨張った指で痩せた頬をなでる。
「・・・・・?」
無感動に見つめる瞳は深い色をたたえている。
「美しい。この世で最も完璧なのは魔晄エネルギーだけだ。あの光をそのまま閉じ込めた瞳だ。失敗作にはもったいない」
宝条はクラウドの口を片手でふさいだ。抗議の声は恐怖に飲み込まれる。銀の光が輝き、鋭利なメスが優しいと言ってもよい繊細さでクラウドの瞳に突き立てられた。
視神経を切断された眼球が宝条の手のひらにのるまでたいして時間はかからなかった。
宝条は無事な左目からあふれる涙をたどり、ひくひくと動く頬の感触を味わい、激痛でショック状態に陥り放心しているクラウドにキスをした。
「なぜ泣く?これ程美しいものはないというのに。」
血まみれの眼球をライトにすかして、宝条は笑った。
「大事に保管してやろう。もっともお前はもう見えないかもしれないが」
右目からあふれる血はクラウドの頬を汚している。痛みで半開きの口元は愉悦の表情のようだ。
「かわいそうに・・・さぞかし痛いんだろうな」
くぐもった笑いを浮かべると宝条はクラウドの下肢に手を伸ばした。
「お前の大好きな褒美をやろう」


えっとですね(汗)
このあと、宝条にいじられたり、へんなもんつっこまれたりとかするんですが。アップしてもいいように表現をソフトにしてみたんですが、やっぱりだめでしょうか・・・・ちょっち、クラウドかわいそすぎるよね。
最後は、もっと悲惨だしな。
ほんとはおかしくなったクラウドをザックスあたりが助け出して、看病する、とかまともな展開も考えていたんですけどね・・・・どこでこうなってしまったんだか。


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