ミュウ先生の第7弾

投稿者 ミュウ 日時 1997 年 8 月 17 日 10:19:52:

続々ザックスと豆の木

ガシャガシャと荷物の音を響かせながら、ザックスは触手を下っていきました。
例のごとく、触手はザックスやら、荷物やらに絡みついてきたけれど、
「これは、俺のだあ!!」
と訳の分からぬことを叫びながら、振り払っていきました。
ザックスの頭にあるのは、もう食べ物のことだけでした。
(飯・・・飯・・・飯・・・)
無理もありません。丸一日、なあんにも食べていないのですから。

10分ほど下ったのでしょうか。そろそろ地面が恋しくなった頃、汗を拭おうと、ふっと、上を向きました。

そのとき!!

「!!!」
ザックスの顔は、真っ青になりました。
「う・・・・わ・・・あ・・・・で・・・」
もう、体は完全に震えて、言葉もまともに出てきません。しかし、最後の力を振り絞って、大声で叫びました。
「でたあああああああ!!!!」

彼の頭上に迫っているのは、紛れもなく、あの、ジェノバシンセシスだったのです。
「よ・・・・よりにもよって、何で一番強いのがでるんだよ・・・・。」
ザックスは運命を呪いました。
ジェノバはどんどん迫ってきます。
しかし、今のザックスは、ただのザックスではありません。
決意したようにジェノバをにらみつけると、
一目散に逃げ出しました。

「ここで死んでたまるかってんだあ!」
大声で叫びながら、今までの何十倍ものスピードで下っていきました。
しかし、ジェノバも負けてはいません。もの凄いスピードで迫ってきます。
「はあ、はあ、はあ・・・・」
息を切らしながら、ザックスは下っていきます。
「!!見えた!!地上だ!!」
すると、なんとザックスは手をぱっと放して、引力に身を任せ始めたのです。
「あばよ!ジェノバ!」

地上に見事着地したザックスでしたが、ジェノバはやっぱり追ってきます。
「な、なんてしぶとさだ・・・」
半分感心してしまったザックスでしたが、今はそんな場合ではありません。
「そ、そうだ!!」
ザックスは名案を思いつきました。
(この触手さえ切ってしまえば・・・!!!)
しかし、ザックスは現在、刃物は持っていません。
一体どうしたら・・・
ザックスは本気で不安になり、だんだん混乱してきました。
そのとき、ザックスの心の中で、何かがはじけました。

むんず、と触手を両手でつかむと・・・
ぶちっ!!

後にはジェノバの断末魔の叫び声だけが聞こえてきました。

「はーはーはー・・・やったぜ・・・」
息も絶え絶えに、ザックスは喜びを口にしました。

さあ、帰って飯だあ!!!
ザックスはばらばらになった触手を後目に、家へと向かいました。
おっと、まずはこいつを売りに、街へ行かないとな。
ひゃっほーい!!

ザックスは、今までにないくらい、足取り軽く、走っていきましたとさ。


翌日、「謎の触手発見!!宇宙人降臨か!?」というニュースが全国のお茶の間に流れたことは、言うまでもない。


お・し・ま・い

次回、チョコボの恩返しに続きます(大嘘)。


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