ミュウ先生の第6弾

投稿者 ミュウ 日時 1997 年 8 月 16 日 10:15:22:

続ザックスと豆の木

ぼーっとしててもしかたがないので、ザックスはこれに登ることにしました。
もしかしたら空の上にはお宝があるかもしれないし、もしかしたら怪物がいるかもしれない。その場合にはやっぱり、自分が責任とって倒さなくっちゃなあ。
そんなことを考えながら、ザックスは登りはじめました。

さすが元ソルジャーだけあって、ザックスはすいすいと登っていきました。
途中何度も触手が絡みついてきたけれど、なんとか振り切って、登り続けました。

20分程登ったでしょうか。ふと上を見ると、なんとすぐ頭上には雲が浮かんでいました。
あと一息だ。
ザックスは今までの倍のスピードで登っていきました。
お宝だといいなあ。
怪物だったらどうしよう。
俺考えてみたら、武器もって無いじゃないか。
そんなことを考えつつも、だんだん好奇心が沸いてきて、やっぱりちょっと、楽しみでした。

ずぼっ という音がして、顔が雲を突き抜けました。
そこにザックスが見た光景は、あまりにも平凡なものでした。
そこにあったものは、なんとも普通な、村だったのです。
ただ一つ特徴があるとすれば、真ん中に大きな給水塔があることくらいでしょうか。
「・・・・・。」
あまりの期待はずれ感に、ザックスは絶句してしまいました。
怪物はいなさそうだ。
そう思いちょっと安心しましたが、でもなんだかすっきりしませんでした。

でもせっかく来たのだから、と村を歩き始めました。
ふと前を見ると、なにか金色に光るものを見つけました。
「金の髪飾りか・・・」
そう呟くと、ポケットの中にしまい込みました。
「売れば金になるしな。」

また暫く行くと、また金色に光るものを見つけました。
「金の腕輪か・・・」
それもポケットにしまいこみました。

次はゴールドスタッフ。
その次はゴールドヘルム。
また次はゴールドシールド。
それからゴールドアーマー。

歩くたびに、金色のものが見つかりました。
「すごい・・・これだけ売れば、暫くは食っていけるぞ・・・」
そう思って、帰ろうと後ろを振り返りました。
すると・・・
一つ、ドアの開いている家があることに気がつきました。
「・・・・ゴクっ。」
好奇心にはやはり勝てません。
ザックスは、その家へと、まっすぐ向かっていきました。

ギイ・・・

「誰かいないのか?」
呼びかけてみたけれど、返事はありません。
「いないのか・・・?」
そういいつつも奥へ進むと、ベッドの上に、影が見えました。

「????」
ザックスはのぞき込んでみました。
「あ!!」

そこにいたのは、金髪の青年でした。
青年は眠っているようです。

また金色かあ!!

心の中で、そんなことを叫んでいました。
「寝てるのか・・・。起こしたら悪いよな。いくら金色でもこれは持ち帰れないしな。さあ、帰ろ、帰ろ!!」

そう言うと、ザックスは触手のあるところまで走っていきました。
荷物は重かったけれど、足取りはとても軽いものでした。

今日は何を食べようかなあ。

そんなことを考えて、ザックスはうきうきしていました。

つづく(?)


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