ミュウ先生の第5弾 |
---|
投稿者 ミュウ 日時 1997 年 8 月 14 日 11:24:35:
ザックスと豆の木
昔々あるところに、一人の青年がおりました。
青年の名はザックスといいました。
ザックスは神羅でソルジャーをしていましたが、
先日神羅がつぶれたため、ザックスは無一文になってしまいました。
仲間のソルジャー達は、みな神羅のテレビやら、展示物やらを盗っていきましたが、ザックスは居眠りしていたため、出遅れてしまい、彼が来たときにはもう、何も残っていませんでした。
彼に残されたのは、一本のバスターソードだけでした。
とりあえず今日の飯を食うために、ザックスはバスターソードを売ろうと、街を歩いていました。
しかしバスターソードはどこの店に行っても、売れません(そりゃそうだ)。
ザックスは途方に暮れてしまい、近くの石の上に、座り込んでしまいました。
すると・・・
「やあ、お困りのようだね、青年。」
向こうの方から、白衣を着た科学者らしき怪しい男が近付いてきました。
「あんたは?」
怪訝そうにザックスは聞き返しました。
「まあそんなに警戒しないでくれたまえ。怪しいものではない。きみを助けてあげようと思ってね。」
「・・・・・。」
「君のそのバスターソードと、この細胞を、交換しないかね。」
「!?」
「損はさせないよ。さあ。どうかね。」
男は思いっきり怪しかったのですが、ザックスは神にもすがりたいと思っていたところだったもんだから、なんと交換してしまったのでした。
「まいどあり。クアックアックア!!」
男は怪しく笑うと、元来た道へと、去っていきました。
後にのこされたザックスは、シャーレに入った細胞のかたまりを、ぼーっと見つめていました。
我に返り、とりあえず家に帰ろうとザックスが思ったときには、もう周りは真っ暗でした。
ザックスはおなかもぺこぺこでしたので、今日はもうここで眠ってしまえ!とシャーレを下に置くと、深い眠りに落ちていきました。おなかの音といびきで、辺りはとてもうるさくなってしまいました。
翌朝、鳥のさえずりで目を覚ますと、ザックスは我が目を疑いました。
ザックスの隣には、天にも届かんとするながーい触手が生えていたのです。
その複雑に絡み合う触手の根本には、割れたシャーレが転がっていました。
そのときザックスは、ひょっとして自分は、とんでもないことをしたんじゃなかろうか・・・・と思い、その場から一歩も動けずに、硬直してしまいました。
つづく