ミュウ先生の第1弾
走れセフィロス<1>

なんだか書いても良いらしいので、書かせて頂きます(笑)。
それからたかゆきさん、予想を裏切ってごめんなさい。ゲーム本編に近づけようとしたら、こうなってしまいました。
それでは長いから初めの部分だけ、気合いいれて、がんばります!!



セフィロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の人間を除かなければならぬと決意した。セフィロスには故郷がない。セフィロスは神羅のソルジャーである。人を斬り、自分のコピーと遊んで暮らしてきた。けれども、ジェノバに対しては、人一倍に敏感であった。今日未明、セフィロスはミッドガルを出発し、野を越え山越え十里離れたこのニブルヘイムの村にやってきた。セフィロスには父も母もない。女房もない。十六の、内気な少年と二人暮らしだ。この少年は、神羅のある不気味な科学者に、ちかぢか、引き取られることになっていた。引越もまぢかなのである。セフィロスは、それゆえ、少年のマテリアやら武器やらを買いに、はるばる少年の故郷のこの村にやってきたのだ。まずその品々を買い集め、それから村の北のニブル山を、魔光炉目指してぶらぶら歩いた。セフィロスには心の友(byジャイアン)があった。ヴィンセントである。今は、このニブルヘイムの神羅屋敷の地下に眠っている。その友を、このあと訪ねてみるつもりなのだ。一度も会ったことがなかったのだから、訪ねていくのが楽しみである。歩いてるうちに、セフィロスは魔光炉の様子を怪しく思った。ひんやりしている。もう既に日も落ちて、暗いのはあたりまえだが、けれども、なんだか夜のせいばかりではなく、魔光炉全体が、やけにさびしい。英雄セフィロスも、だんだん不安になってきた。村に帰り、屋敷で書物を読みあさった。それだけでは足りず、屋敷にいたゾンビーを捕まえて、何が起こっているのか、二年前、私の同居人がここで暮らしているときは、夜でも給水塔に人がいるくらい明るかったはずだが、と質問した。ゾンビーは、体を揺らして答えなかった。しばらくして老爺に会い、今度はもっと語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。セフィロスは両手で老爺の体を揺すぶって、質問を重ねた。老爺は辺りをはばかる小声で、わずか答えた。
「人間は、セトラを滅ぼします。」
「なぜ滅ぼすのだ。」
「人間は、旅することをやめ、安住を求めた種族です。セトラが創ったものを奪い、返そうとしませんでした。」
「たくさんのセトラが死んだのか。」
「はい。初めは旅に疲れた者が、星が定めた約束の地へ去っていくだけでした。しかし今から2000年前、この星を災害が襲ったとき、人間たちは、逃げ回り、隠れたおかげで生き延びました。結局、星の危機はセトラの犠牲によって回避されたのです。しかしそのせいでセトラはレポートに残るだけの種族になってしまったのです。」
「驚いた。人間は裏切ったのだな。」
「いいえ、裏切った訳ではないと思います。自分たちが生き延びるためには、何かの犠牲が必要だったのだと思います。このごろは、そんなことを覚えている人だって、一人もいやしないでしょう。」
 聞いて、セフィロスは激怒した。
「あきれた種族だ。生かしておけぬ。」
 セフィロスは複雑な男であった。買い物を背負ったままで、のしのし屋敷から出てきた。たちまち彼は村に火を点けようと、ファイガを唱え出した。しかしすぐに神羅の兵士に捕縛された。調べられて、セフィロスの懐中からは妖刀・正宗が出てきたので、騒ぎが大きくなってしまった。セフィロスは社長の前に引き出された。
「この妖刀で何をするつもりだったか。言え!」


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