ケロ先生の第3弾

反省文番外…(死)
ケロオフィサルではルー21歳ツォン34歳でーす。これは更に10年以上前のお話〜。
ケロ難しいことわからないから、かなりえーかげんな文章だとおもうけど…スマン…グフ。



ルーファウスは、窓の外をぼんやりと眺めていた。
このところ、ずっとだ。
ここはミッドガル中心の神羅ビル内の彼の自室である。デスク、ベッド、クローゼット、ありとあらゆる帝王学の記された本ばかりの本棚のほかには、目に付くものはない。白い、殺風景な部屋である。子供の部屋とは、到底思えない。
その部屋の、一つだけ存在する小さな窓…そこから見えるものといえば、工場から吹き上がるる黒煙と、星の嘆きの声がかすかに聞こえる魔光炉のみである。その間からわずかに覗く空は、暗く、よどんでいた。
しかし、その窓の外を、なにかを求めるかのように、幼いルーファウスは見つめ続けていた。

『…ツォン…』
『どうなさったのですか、ルーファウス様…?』
ツォン−若く優秀なタークスの一員である。自分のことしか頭にないような神羅カンパニーの人間の中に於いては珍しく、周りによく気がまわり、誰もが鬱陶しがるルーファウスの話し相手にもなっていた。子供にしては無口なルーファウスも、ツォンにはよく口を開いた。
そんなツォンが、突然ルーファウスの自室に呼び出された。またいつものように神羅の<実状>等について語るのかと思っていたところ、
『ぼ…僕は…空が見たいんだ…』
『そら…?』
空…どうしてそんなことを唐突に言うのですか…と、言いかけたところで、ツォンはこのところのルーファウスの様子を思い出した。
『…ミッドガルの空は…いつも鉛の色をしている。…僕は…青い空を見てみたいんだ…』
まるでとらわれた籠の中の鳥のように、空を焦がれ、見つめ続けていたルーファウス…だが…
『…ルーファウス様、お気持ちはわかります。しかし、貴方は将来この神羅カンパニーを率いる方。そのような私情での外出をしている暇などはありません。では、失礼いたします。』
ツォンは感情を込めず、しかしなだめるようにさらりと言いのけ、ドアに向かって踵を返そうとした。
『…ツォン!』
ルーファウスはツォンにかけより、小さな手でスーツの袖をつかむ。
『お願いだツォン…外界(そと)が…みてみたい…。すぐ帰るから…勉強もすもっともっとるから…お願い…だ…ツォンにしか…こんなこと頼めないよ…』
ルーファウスが懇願する。瞳が、潤んでいる。こんなルーファウスを見るのは初めてだ。
そういえば、こんな子供が青空も見たことがないというのは余りにも…哀れだ。
『…わかりました。少しだけ…御一緒に外出しましょうか…。ちょうど私もミッドガル外での調査の仕事がが入っていたところです。…プレジデントには内緒ですよ。』
『ほんとう…ほんとうに!?…ありがとうツォン…!』
ルーファウスは心から喜んでいるようだ。子供の、顔をしている。
ルーファウス様も、こんな表情をなさるんだな、とツォンは少し嬉しかった。

翌日、1機のヘリがミッドガルから飛び立った。
今ごろ、神羅ビル内では大騒動だろうか…。秒単位で動くルーファウスが突然、姿を消したのだから…。
ばれたら私は大目玉だな…とツォンは苦笑する。
しかし、そのとなりで希望に胸を躍らせている<子供>を見ていると、それでもいいか、と思ってしまう。


[ 感想を書こう!!] [小説リユニオントップへ]