投稿者 姫 日時 1997 年 8 月 01 日 18:36:57:
お待たせの(誰も待ってないって!)根暗セフィクラ(^^)
ようやく、書き込みができます!!
実はネタは、以前別ジャンルで進めていて、未発表のまま、終わっていたものを起こしました。FF�札凜 璽献腑鵝福亜亜�
セフィとクララと、どうなるのかな?(書いてる本人も、まだ、わからないという・・・・(汗))
「夢の棺」
生気のない冷たい空気を裂いて、所々に点在する火の明かりに薄い影が揺れる。まるで迷路のように複雑に入り組んだ薄暗い石畳の廊下の先は、闇に溶けて見えない。
足音は、響く前に闇へと吸い込まれた。
おそらく、頼りない明かりを作り出している炎も、触れたら冷たいような気がした。
「ここは・・・・・。」
一度、後ろを振り返ったクラウドは、軽く舌打ちすると微かにあるカンだけを頼りに前へと進んだ。
とうに、次元の違う空間に迷い込んでいる事に、気付いている。未だ足りない力でも、抜け出せるだろう事にも。
だが、クラウドはそうしなかった。
誰かが存在していた。生気の感じられない、時の流れすらもないような迷宮の向こうに。
その『誰か』に呼ばれているような気がして、クラウドは進んだ。『誰か』が、誰であるのかも知っているような気がした。
憧れ続け、指標とした人。殺されたのは、いつだったか?殺したのは、いつだったか?
「セフィロス・・・・。」
どれだけ歩いたのか。永遠に続く迷宮の中でその人の名を呟いた時、不意に視界が揺れ、踏みつけていた筈の石畳が消滅し、クラウドは落下していた。
何もない宙から、どさりと目の前に落下してきた『もの』に、セフィロスは目を見張った。突然の事で、声も出ない。
落下してきた『もの』は意識がないのか、横たわったまま動き出す気配はなかった。
セフィロスだけが存在できる、他の一切の干渉を受けない筈の『ここ』に、どうやって入り込めたのか?
「・・・・・クラウド。」
やや暫く迷った末に、セフィロスは静かに歩み寄った。
「クラウド・・・?」
膝をつき、呼びかける。が、何の反応も示さずクラウドの瞳は閉じられたままで、セフィロスの眉間がよる。今度は躊躇うことなく抱きかえると、夜具の上にそっと、横たえた。
柔らかな獣の羽をふんだんに使っているらしい上等な寝具の中に、クラウドの身体は半分ほど埋まる。
まだ少年のようなあどけない幼さを残しているクラウドの表情は、何故かとても安らかだった。
今なら、細い首を締め付けるだけで、容易く息の根を止められるだろう。意識を取り戻す前に、死の淵へと沈める事が出来る。
だが、セフィロスは首を締め付ける代わりに、そおと、額にかかる乱れた前髪を撫でつけた。
「クラウド・・・。」
己を殺した者。滅ぼそうと、刃を向けた者。
憎くて、憎くて、排除しなければならない・・・。
なのに、誰よりも愛おしい者。
ただの1度もその身を抱きしめる事もかなわず、触れ合ったのは、互いに刃を抜いた時。とうに狂っている自分。自分を止める者が彼であればいいと、それほどに愛しい唯一の者。
外傷がない事を簡単に確かめた後、再び、乱れた金色の髪を撫でつける。幾度も幾度も、愛しげに。
指に絡まりさらさらと零れる髪の毛の柔らかさが、セフィロスのきつい眼差しを溶かしていた。
微かにクラウドの閉じられた瞼が動いたのを捕らえて、セフィロスは呼びかけた。
「クラウド・・・。」
「・・・・・・セフィロス?」
薄くうっすらと意識を取り戻したクラウドは、焦点の合わない瞳でセフィロスを認め、
「夢かな・・・?セフィロスがいる・・・。」
腕を伸ばして、セフィロスの首に巻き付けると、呆然としている彼の胸元に子供が甘えるように頬を擦り寄せた。
「・・・ああ、夢だ。」
我に返ったセフィロスは、意外にも甘えてくるクラウドに、そう応えた。
夢でもなければ、ありえない自体。クラウドが夢だと思っているのなら、それで構わない。
夢の中ならば、何をするのも自由だ。クラウドを、抱きしめる事も・・・。
そして・・・夢は目覚めと共に消え去る。いつか、必ず。
だから、セフィロスは、そう応えた。
「夢でも・・・いいや・・・。」
クラウドは柔らかく笑って、けだるそうに柔らかな夜具の中に身を沈ませた。
次元が異なるせいなのか、思考ばかりではなく、身体も弛緩しているようだった。
「クラウド?大丈夫か?」
「ん・・・。気持ち、いいな。セフィの手。」
額に当てられたセフィロスの掌の感触に、目を閉じる。けして感じる事など思っていたセフィロスの温もりは優しく、冷たいのにどこか暖かくて、ずっと触れていて欲しいと思った。
思ったとたん、涙腺が緩んだ。
クラウドは己の感情を、殺してきた。だから、せめて、夢の中では正直になっても、いいと思ったのだ。泣きたい時に、泣いてもいいのだと。
「クラウドっ?」
頬を零れ落ちる涙に、セフィロスは慌てる。美しい端正な作りの表情が崩れる。
そんなセフィロスにクラウドは、はにかんだ笑みを見せた。
「ほんと・・・良い夢だなぁ。俺、セフィロスを殺そうとしたのに。夢の中のセフィは優しい・・・・・。こんな風に、優しくしてもらえるなんて・・・。ずっと見ていたいな、こんな良い夢ならさ。」
「・・・そうだな。クラウド・・・。」
『今』が夢だと信じて疑わないクラウドが愛しくて、セフィロスは両手で一回りは小さな肩を抱きしめた。
『夢』でなければ、抱きしめる事も出来ない。誰よりも愛しい者を。
傍に互いの存在を認める事が出来たのは、時にしたらあまりに短くて、運命は二人を引き裂く。戦いへと誘う。
ならば、時の流れさえ干渉しない『ここ』にクラウドを留めてしまえと、セフィロスの瞳が暗い火を灯した。
セフィロスは、安心しきった子供のように己の腕の中で微睡んでいるクラウドの顎を上向かせ、その瞳を覗き込んだ。
クラウドの瞳は、陶酔しきっているあやふやな魔晄の色を浮かべてセフィロスを見た。
「・・・・ずっと、ここに居ろ。」
「・・・・ん。」
何の躊躇いもなくクラウドは頷く。夢だと信じて。
夢でも、良かった。クラウドにとって、幸せな『夢』だった。
セフィロスに優しく抱かれている。本来なら、ありえない事。
憧れ続け、指標にし、しかし、親友を殺したセフィロス。狂ったセフィロス。
それでも、なお、焦がれる強い英雄。ほんの一時だったが、自分に優しかった憧れの人。
ふわりと無防備に微笑むクラウドに、セフィロスは瞳を細めると、その額に唇を寄せた。
「・・・セフィ?」
額に触れた唇がそのまま生え際を辿るのがくすぐったくて、肩を微かに竦めながら、クラウドは呼びかける。
「嫌か・・・?」
頬に口付けて、セフィロスは問うた。
微かに上気する頬。クラウドは、首を横に振った。
殺し合いをし、嫌われている・・・憎まれているだろうと思っていた彼に、抱かれ口付けられる。まるで、母が子を慈しむように優しく。嫌な事である筈がなく、むしろ、嬉しい。
再び近づく唇に、ゆっくりと瞳を閉じながら、心の中で呟た。
「夢だ・・・。」と・・・。
クラウドの輪郭をセフィロスの唇が静かに辿る。
額に頬に鼻先に、瞼の上に、顎に触れて、唇に触れる。幾度も幾度も繰り返し。まるで、何かの儀式の様に。
やがて、母が子を慈しむような優しいだけではない口付けで、唇を塞がれても、クラウドは黙って受け入れていた。
「っ・・・、あ、つい・・・っ、セフィ・・・。」
鍛えられた、しかし、少年のような裸体がセフィロスの腕の中で跳ねる。
しなやかな小獣のように、あるいは若い魚のように身を撓らせるクラウドの喉元に、セフィロスは唇を寄せ軽く歯を立てる。
過敏なほど、敏感になっている肌が、細やかな刺激に震えながらのたうつ。
「・・・・ぁぁ!」
二人の身体を繋いでいる処から、身を一瞬に焼き尽くす熱が幾度も生じた。
撓うクラウドの身から立ち昇る『力』が、焔のようにセフィロスを押し包み、失った何かが戻ってくるようなその感覚に、セフィロスは陶酔した。
「クラウド・・・。」
愛し子の名を幾度も呟きながら、焔の中に進んで身を投じた。
クラウドは強い快感に霞む脳裏で、その声を聞く。
―――――――――― 夢ではないのだと・・・確信する。
それまでの脳を溶かす快感に身体を投げ出し微睡んでいたクラウドの身体が、悲鳴を上げた。
突如、時空の裂け目が現れ、クラウドを吸い込もうと見えない力を発していた。その強大な力。容易くクラウドの身体が、宙に浮く。
「な・・っ!」
驚愕に瞳を見開きながら、セフィロスはクラウドの腕を追いかける。
「セフィロス!」
クラウドも歪んだ力に引かれ苦痛に表情を歪めながら、離れまいと、セフィロスに手を差し伸べる。
しかし、セフィロスがクラウドの両の腕を掴む寸前、よりいっそう強い力に引かれ、クラウドは時空の狭間に消え去っていた。ほんの一瞬、切ない瞳でセフィロスを射て。
セフィロスは、ただ呆然とクラウドの消えた虚空を見つめていた・・・・。
―――――――――― 時が滑る。
クラウドとセフィロスの想いを、時空の彼方に残したまま。
セフィロスは、ぼんやりと己が造り上げた石の壁を見つめている自分に気付き、微かに苦笑いを浮かべた。
誰かが、共に居たような気がしたが、深くは追求せずに目を閉じる。そんな事は有り得ないのだから・・・。
「よう、気が付いたか?」
クラウドは視界に飛び込んできたシドの瞳に、軽く頷いた。記憶が曖昧で、はっきりしない。
「外で倒れていたんだ。何があった?」
シドの隣に、険しい表情をしたヴィンセントがいた。
「さぁ・・・。」
クラウドは素直に首を振って見せた。いくら考えても、何があったのか思い出せない。
「ただ・・・夢を見ていたような・・・気がする・・・。」
「夢・・・?」
「ああ・・・。どんなだったか、忘れたけど・・・。」
「そうか。まだ、顔色が悪い。もう少し、休んでいろ。」
ヴィンセントは険しい瞳を隠すと、打って変わって優しくクラウドの髪の毛を梳きすかした。
何があったのか気にはなりはしたが、クラウドのことのほか安らかな笑みを見て、ひとまず疑問を留めたヴィンセントだった。
労るように優しい動きで額を愛撫するヴィンセントの指先に、クラウドの瞳が自然と閉じる。眠りに落ちる寸前、ほかの誰かに、同じ事をしてもらったような感覚が蘇った。
あれは・・・誰だったのか・・・?
朧げな影が、浮かんで消えた。
『ここに、居ろ・・・。俺と一緒に、ずっと一緒に、永久に・・・。』
「ん・・・。」
夢うつつ。
クラウドは微笑む。
嬉しそうに。とても、嬉しそうに。
他に望む事はないのだと、微笑む。
夢の棺・終
ほう・・・終わった(^^;;)
はっと!気が付くと・・・真っ暗シリアスのセフィクラじゃなくて・・・
単に不幸なセフィロスを書いただけだったような(^^;;)
:とりさーん!すんません!!またまた、はずしちゃったね!!(^^;;)
いい加減、懲りろってーの!!(怒)
むーん・・・・修行がたりーーーん!
再び、姫は修行の旅にでるのであった(涙)
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