姫先生の第2弾


こんにちは!またまたお邪魔しますぅ!!
くせになってるらしい(^^;;)
またまた・・・腐った小説を書いたので投稿させていただきます(^^;;)
はぁー、でも、暗いんです・・・とても、暗いんです・・・。
今回も、とり頭さんの期待に添うものじゃなくて・・・・すんません!!



生暖かい風が吹く静まり返った夜の中で、草ずれの音に混じる密やかに乱れる息の音を、確かにヴィンセントの耳は聞きとる。
ヴィンセントはゆっくりと体を起こすと、少し離れた木陰で、木の幹に凭れて眠っているクラウドの側へと歩み寄った。
ここ数日間、同じ行動を、彼は繰り返していた。
原因不明の悪夢に囚われているクラウドを、現実の世界へと引き戻す役目を・・・。


目が覚めると、いつもそこは、暗闇だった。
何も存在しない黒の世界に、クラウドは漂っていた。
天地も縦横もわからないその世界は、言いようのない不安を、クラウドに与えた。
時間の経過すらわからない黒の檻の中で、クラウドは叫びだしたくなる。助けてくれと。
誰に向かって救いを求めているのかは、わからない。ただ、そこに居たくない。
しかし、そこで、クラウドは気が付く。声も、出ない事に。
そして、いつものように、黒の檻の中の戒めに恐怖するのだ。

微かな光が射して、それを救いだと思っていたのは、始めのうちだけだった。その光こそが、クラウドの恐怖の源なのだと、今はもう知っている。
光の中から差し伸べられる手が、救いではなく屈辱を与えるものなのだと、今はもう知っている。
『俺に触るな!』
心の中で、叫ぶ。が、いつもその手は止まる事はない。
どこに逃げても、その手は、クラウドを捕らえる。まるで、何本もの手がそこかしこに存在するかの様に。
『嫌だ!』
身を守るガーターを難なくすり抜け、素肌に触れてくるそれは、手の様でいて、何か湿った生き物の触手のような感触がした。
『いや・・・だ!!くそ・・・っ!』
するすると肌の上を這い回る触手に、鳥肌が立つ。まるで、クラウドの震えを楽しむように、敏感な肉の薄い部分を執拗に刺激する動きに、目尻に涙が滲んでくる。
『う・・っ』
胸の突起を突つかれて、ぴくりと反応を返してしまう。そんな自分に気付き、クラウドは赤面した。
これから、もっと、恥ずかしめを受けるのだと思うと、我慢ならず大きく身を捩る。
しかし、そんなクラウドの行動すら楽しむように、触手は蠢いた。
振り上げようとした手を捕らえ、逃げようとする足を捕らえ、宙に吊り上げる。
『や・・・やめろ!』
宙に大の字に張り広げられた青年の裸体が、暗闇の中で白く浮かび上がる。気が付くと触手は何十本と、増えていた。
『あぁ・・・!』
体中を、ずるずると音を立てるように動き回る触手に、クラウドは悲鳴を上げる。最も敏感なその部分へも、容赦なく巻き付く触手に、身体だけは反応する。
幾度も強制的に与えられる、快感。幾度も迎える、達する瞬間。
身体だけは、確実に慣らされ、心が悲鳴を上げる。
『もう、嫌だ!セフィロス!!!』

黒の檻の正体を、無意識の下で、知っている。
彼の心に捕らえられながら、彼の為だけに泣く事が出来ない自分の事も、クラウドは知っている。
本当は、泣きたいくらい彼を、救いたかった事も・・・。


ヴィンセントは、小さくため息を吐くと、クラウドの肩を揺らした。少しだけその瞳に憂いを浮かべつつ。
「クラウド・・・。」
クラウドを目覚めさせる声は、いつもの冷静な声だった。
「クラウド・・・。」
しかし、どこかしらやさしい響きで。
「ん・・・・。」
ゆっくりと、星の色を宿した瞳が開く。微かに潤んでみえるが、ヴィンセントは、気付かない振りをする。
「ヴィンセント・・・?」
ぼーっとぼやける視界に、長い黒髪を認めて、クラウドは真っ赤になった。
「俺、また!ご、ごめん!!」
「気にするな。」
赤面して俯くクラウドの肩をポンと軽く叩いて、ヴィンセントはその横に腰を下ろした。
「そのうち、悪い夢なんて見なくなる・・・。」
「そ、そうだよな。」
「ああ。お前は、まだ身体の疲れが取れていないんだよ。明日は、大きな街で、ゆっくり休もう。」
悪夢がどんなものなのか、ヴィンセントは聞かず、クラウドも話さない。もっとも、クラウド自身、覚えていないのだが。
「うん。」
木に凭れかかり目を閉じたヴィンセントに答えて、クラウドも再び眼を閉ざした。
長かった冒険の疲れが、本当にまだ残っているのだろう。星を救った者は、すぐに眠りの中に誘われる。
微かな整った寝息を確かめ閉じていた瞳を開いたヴィンセントは、哀れむような悲しむような、そして、少し怒りを含んだきつい眼差しを、空に向けた。
「お前は、馬鹿だ・・・。」


白い輝く光の中で、銀糸を揺らして微笑むセフィロスがいる。
クラウドは、彼の元へ駆け出す。
その後ろに、暗闇が潜んでいる事を知っていながら、クラウドは、セフィロスの胸に飛び込み、抱きつく。
セフィロスが見せる夢。
それが、永久に続く黒い檻の戒めでも、セフィロスが望む事ならば甘んじてクラウドの無意識は受け入れる。
――――彼の為に泣けない事を知っているクラウド。
――――彼の事を救いたいと、心底願っていたクラウドの事を知っているヴィンセント。

光の中で・・・彼は、言葉もなく涙を流す。

『黒の檻』ANHAPPY END



お、おかしい!!
おかしいぞー!!今度こそ、リミットレベル5の危なーい話を書く筈がただただ暗ーい話になってしまった(^^;;)
な、なぜ?
うーん・うーん・今回もとり頭さんに捧げるには、相応しくない小説・・・。
さすがに今回は、押し付けるわけにもいかない話になってしまったからとりあえず、書き込みだけにしよう(^^;;)
暗い話だなー(^^;;)(うーん)
姫の明るい話は、別のHPで書いているので・・・、良かったら見てやって下さい(^^;;)読みたい人、いたらですが(^^;;)


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