初めて書いてみました(大汗^^;;)。「身の程知らずめ!」と鉄拳を喰らわして
やって下さい。
「…こんな場所でも懐かしい気持ちになるとはな」
“神羅屋敷”の地下室で、ヴィンセントは一人つぶやいた。
戦いの日々は終わった。
セフィロスの野望は崩れ、星の危機は回避された。
全て終わったのだ。
「…そして私は再び悪夢と後悔の待つ永き眠りにつこう。それがこの悲劇を止められなかった私への、永遠の罰なのだから」
棺に手をかけ蓋を開けようとした時、部屋の隅にある黒い箱がヴィンセントの目に入った。
「見慣れぬ箱だな。取り残しの宝箱か?何か紙が貼ってある」
めぼしい宝箱はクラウド達が目ざとく見つけて持ち去っているはずだが、と思いながら黄色く変色した紙にかろうじて残された文字を読んだ。
『ヴィンセントへ
後悔したくなければ絶対開けるな
宝条より』
「…宝条よ。何を後悔するというのだ」
端正な横顔に苦い笑いを浮かべ、ヴィンセントは自分が手にかけた男を思った。
哀れな男。自らの研究のために多くの人を悲劇に巻き込み、そして自分自身をもジェノバの生贄に捧げてしまった。
「すっかり面変わりしていたな。もともと老け顔だったが。いや、変わってしまったのは宝条だけではない。街も、人も、神羅カンパニーも…全て」
30年前に時を刻むことを止めた自分の居る場所は、もうこの世界には無かった。
「…今更後悔が一つ増えても何になる。宝条、せめてもの弔いに、この後悔も悪夢の眠りに持っていってやるぞ」
そう言って、ヴィンセントはその白くほっそりとした指で箱の蓋を持ち上げた。
一瞬白い煙がヴィンセントを包んで、消えた。
いやな予感がしたヴィンセントは急いで壁に掛けてある鏡を見た。
そこには30年分の時を取り戻し、すっかり白髪になったしわだらけの、赤マントの老人が立っておりましたとさ。
すみません。バカな奴なんです…私。魔晄炉に入ります。
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