ぶち先生の第三弾

いい気になって続き書いたら・・・ユフィちゃん性格が昨日と違ってる・・・。
でも一応、あの山のてっぺんでヴィンさんがにっこり笑ったその続きです。



なんかなんか、こういう状況ってすごくいい。2人っきりだぜ。やったーって感じ。しかもおあつらえ向きに雨なんか降って来ちゃったよ。うん。生あったかい風が強くなっていたから降るとは思っていたけどさ。
「早く下へ降りた方がいいな。」って、へっ、冷静な奴。
でもここの雨っていつも山の下の方が上より強いんだよね。よく知ってる人なら雨が降ったら山を下りたりしないんだけどさ。案の定下へ降りて行くほど雨が強くなって行くよ。っとその時あたしの頭の上からふわってマントがかぶさってきた。
えっ。えっ。これって。思わず興奮しちゃったらなんだマントだけか。普通こういう時ってこうマントでくるむようにして抱きしめたりしてくれるもんじゃないの。中身の方はさっさと先行っちゃってるよ。
「そんな格好で濡れると風邪をひくから貸してやる。」ってなんか期待しちゃって情けないよなあたし。ま、雨は冷たいのは確かだし奴のマントならたっぷりしてるから頭からかぶれば濡れないけどさ。

「さて、どちらが下へ行く道だったか・・・。」
道が二手に分かれているところで奴がつぶやく。左に行くと下へ降りる道、右に行けばダチャオ様の洞窟だ。
「確か右だったな・・・。」って歩きだそうとする。雨はますます強くなって、奴はびしょぬれ。あたしの方もマントを通して雨が服に浸みてきている。このまま歩くと洞窟の前に出ちゃってさ。
:仕方ない。ここで雨がやむのをまとう・・・。
:服がずぶぬれじゃないか。乾かさないと風邪をひくぞ・・・。
:さあ脱いで、もっと火の方へ・・・。
:震えている。寒いのか・・・。
って。きゃーもうこれってなんてお約束の展開。実はわざと道間違えてるんじゃないの。
「おっと、登る時右だったから勘違いしてたな。降りるなら左だ。」
えーっ、何ですぐ気がついちゃうんだよ。お約束はどうしてくれる。なんかあたしって・・・なんなんだ。

「ふむ、ユフィの家が降りてすぐのところで助かったな。」
やっと下までたどり着いてあたしも奴も濡れねずみだ。あたしんちの前であいつってば、「じゃ、私はゴドーのところへ行くから早く家に入って服を着替えるんだな。」って、えー一緒にいてくれるんじゃないの。
「いいよ、いいよ、入んなよ。あそこまで行く間にまた濡れるよ。ここだって親父の着替えくらいおいてあるからさ。とりあえず服乾かしてあったまってよ。」って言っても
「いやしかし、一応女性が一人の家に入るのもな・・・。」ってためらってる。
「ひとりじゃないって、猫がいるよ、猫が。あれだけいればひとりじゃないって。」って折角ここまで来たのにこのままですますもんか。

「済まないがシャワーを借りられるか。髪が冷たくて風邪をひきそうだ。」
シャワー!!そういう手があったか。やー大人って感じの展開だ。なんかどきどきだぞ。
「うん、じゃタオルはこれで、着替えは上にあるからとってきて後でおいとくからさ、。」
「悪いな。お前も早く着替えてくるといい。」って、さあどう来る。着替えてるところで後ろからぎゅっとか、それとも服を届けたところでいきなりドアが開いて中から出てくるか。
:ほんとは×××××××××××××
:×××××××××だからね×××××
:××××うん×××××
:×××××××××××××えっ××
はっと我に返るとこの妄想状態って、自分でもコワイ。あたし、奴のこと好きなだけだよね。うーんこの妄想の山ってあたしってほんとは変な奴なのか・・・。

なんかぼーっと考えながら着替えたせいか結構時間経ったみたいでさ。おっと早く服とどけてやんなきゃね。
って。えーっ。裸だ。奴が居間のいすに裸で腰掛けてるよー。腰にバスタオル巻いて頭からもタオルかぶっているけど、裸だー。おお。左手もむき出しだ。なんだ別におかしなとこないじゃん。いや、ティファとあの左手の下には何が・・・?ってよく話してたんだけど、リミットブレイクなお手々とかそういうんじゃなかったのね。
「服・・・見つからなかったのか・・・。悪いがのぼせてしまうからこんな格好であがらせてもらったが・・・。」
ふと時計見るともう30分も経ってるよ。じゃあたしって着替えながら30分もあーだこーだ想像しちゃってたわけ。
「やーもう普段親父がこっち来ることなんてないからさあ。どこいったかわかんなくなっちゃって。」
奴はさっさと服をとってバスルームに入っていってしまった。今、誰かがあたしの考えてることさっくり脳味噌から取り出して奴に見せたら驚くだろうなあ。いや・・・見せたい気もする。はーもうあの山の上であの笑顔見てからあたしってほんと変だよ。

でも親父の服来て落ち着いている奴見てるとこっちの妄想もやっとさめてきて。ま、現実なんてこんな物よ。
うん、なかなかいいじゃない。雨はまだ降っているけど部屋の中は暖かい。あたしは長椅子の上でゆっくりお茶を飲んでいるこの人が大好きだ。何もしゃべってくれないけどまあここにいてくれるだけでいいや。そうして目をつぶって考え事しててくれるともっといい。心おきなくこのきれいな顔を眺めさせてもらうよ。

と、目を開けてカップをテーブルにおいた奴が座っている長椅子を軽くたたいてこういった。
「来るか。」

お楽しみはこれからだ。


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