安藤の第3弾

何の音もしなかったはずだ。しかし振り向いた闇には、まるではじめから居たかのようにそこに存在していた。
長い銀の髪、黒ずくめのいでたち、緑色に光を放つ双眸…。

(身体が・・動かない・・・?!)
静かにはりつめた部屋にはね返る長靴の音。
その冷たい手がほおにかかる。
「剣もとらないのか・・・。ソルジャー失格だな・・。」
誰にとも無く発したセフィロスの声が身体中にこだました。
「それとも・・・」
セフィロスの端正な顔が近づく。
「待っていたのだろう・・?」
「ん・・っう・・・」
唇が押し付けられるのと同時に口腔に舌が入り込む。
少しざらりとした感触がクラウドの舌をからめとり、角度を変えて合わせられる度に、唾液が糸を引いて淫らな音をたてた。
波紋のようにゆっくりと、快感が全身に広がる。
・・・と、突然離された唇から、名残を銀糸が引いた。
自分の身体に戸惑いながらも、切れ切れにかろうじて抗議の台詞を吐く。
「何・・しに来た」
感情を映さぬ瞳がわずかに瞳孔を縮める。
(何かに似ている・・・この瞳・・)
頭の奥で、およそこの事態にそぐわぬ事を考えていた。
「呼んだのだろう・・クラウド・・?」
(セフィロスは生きていた)
「違う・・・」
まるで身体が動かない。
何故自分は剣をとらない。何故抗う事が・・。
「私が欲しいのだろう・・・?」
(セフィロスは生きている)
「そんな・・・」
(ああ・・・そうか・・。これは・・)
蛇を思わせる爬虫類の目だ。
一度魅入られれば、その哀れな犠牲者は、食われるか自らを崩壊させながら発狂して息絶えるという。
薄く横に開いたセフィロスの口端から、ちろりと舌と共に犬歯が見える。
伸ばされた手がクラウドの服にかかった。
「・・っ?!」
突然の音。
何が起こったのか判らなかった。
力任せに服が引き千切られ、一瞬中に浮いたクラウドの身体がベッドの上でバウンドする。
ちぎれた服の残骸が飛び、ボタンが床で乾いた音を立てる。
「や・・やめ・・」
恐怖に顔がひきつる。
「こうして欲しいのだろう」
緑色の瞳。
縦に裂けた瞳孔。
身体から2メートルも離れていない己の大剣が、ひどくよそよそしく見えた。
「殺しはしない」
「・・・・」
「恐怖と・・苦痛と・・絶望を・・・」
「っ・・!」
動けないクラウドの喉に歯をあて、片手でクラウド自身を乱暴に刺激する。
セフィロスの残酷な愛撫に、クラウドの身体は過敏な程に応えようとするのが信じられなかった。
「っぅ・・、ぁ・・や・・やめっ」
弱々しく吐かれる抗議の声に、セフィロスは興味無さそうに顔を上げた。
「随分と身の程を知らぬ台詞を吐くものだな」
かちっ…
ブレストベルトを外す音。
「よせっっ!やっ…っ!」
クラウドの両手を片方の手でいとも簡単に拘束し、空いている手と口で、なかば立ち上がりかけていたクラウド自身の快楽の出口をベルトできつくしばる。
「っあ…ぅ…」
一番敏感な所を、ぬるりと舌の快感が、出口を求めて身体中を内側から圧迫する。
「っん…ぁ…っ」
セフィロスの手が這うと、それだけでそこの部分の皮膚がちりちりと増幅された快感を伝えた。
酸欠の魚のように口が空気を求め、胸をせわしなく上下させる。
「くっ…は…ぁ」
頭の中が、心臓の鼓動にあわせてどくどくと脈打つ。
「…っ、苦‥し…」
苦痛にシーツの上に震える四肢をつっぱってもだえるクラウドを眺めて、セフィロスはちろりと下唇を舐めた。
何て美しい人形だろう。
自分の吐く糸にからめ取られて苦しみもがく美しい蜘蛛を見ているようだ。
クラウドの顎に手をかける。
「どうして欲しい…?」
震える唇が言葉をつむぐ。
「おね…がい…、いか‥せて…」
喉の奥で笑うセフィロスが霞んで見える。
(そうか‥)
「それから…?」
(そうなんだ)
「俺…を、抱…いて…、っあぅっっ!!」
セフィロスの長い指が今さっき口で含んでいたクラウドのものをはじく。
「違うな」
再び乱れた呼吸をなんとか言葉を出せるように整える。
震える膝を叱咤して、それはシーツの上を滑って、たどたどしくセフィロスに向けて開いた。
「セフィ‥ロス‥の、で、俺を…犯して…」
(犯して…)
満足そう細められた瞳が目に焼き付く。
(…セフィロスを忘れないように)

------------------------------------+って、ぎゃあーー!
また続いちゃったのか?!
もうやだよーーこんなん誰が採点するんじゃ!
小学校から国語の勉強しなおせ、私!!


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