僕が言ったり言わなかったり
誰かが言ったり言わなかったりした言葉たち
と、小話をいくつか

第三章

「もし科学が海や土や大気をよごしながら進んでいくとすれば、それは科学と呼ぶにはあまりに下等である」
 (ギトランド博士「ペンギン草紙」)

「約束する。そのひなに、飛ぶことを教えてやる」
 (ゾルバ「カモメに飛ぶことを教えた猫」)

「サンキュー・ベリー・キャット」

「オシャレ魔女狩り」

「一言言っておく。ロマンチではない、ロマンチストだ。変なところで切らないで欲しい」
 (榎本武揚「新選組!! 土方歳三最期の一日」)

「吸盤アサシン」

「ここらで一発、存在感示しておかないと。ギャグキャラだと勘違いされちゃうかもしれないしぃ」
 (リリアーナ・ルン・ルン・ギュンスター「プリンセスワルツ」)

「記録更新だ!『仮面ライダーが実在すると信じている最年長記録』の!」

「これは・・重度のネコチン中毒です」

「氷の精神、インプット完了!」
 (ウォーズマン「キン肉マン」)

「今でも別に、おまえのことを怒ってはいないんだ」
 (蛙「山椒魚」)

「悪魔騎士は情け深い!!」
 (ジャンクマン「キン肉マン」)

「美しい国、日本」
 (安倍晋三)

「携帯のアンテナが2本以上立っている場所にいるのは耐えられない!」

「レッサーパンダはみんなの心の中にいます!何度地を這いつくばっても、その後、必ず二本の足で立ち上がるのです!!」

「みんな死んじゃえばいいのにとあたしは思い、それを大声で言いたくてたまらなかった」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「げっ、肉じゅばん!」
 (キン肉マン「キン肉マン」)

「2006年自己満足度ナンバー1」

「ゴメン!ラーメンの好みだけは、長崎より福岡なんだ」

「支配してないのに支配者気取り」
 (「みつどもえ」)

「ほら!黄色いサンタクロースがお前を連れに来たぞ!」

「実はあまり、秋刀魚さんが美味しさうなものだからですよ」
 (猫「焼かれた魚」)

「待たせたな!」
 (土方歳三「新選組!! 土方歳三最期の一日」)

「体育座りの日」

「その後はずっと、猫たちの『We are the Cat』の大合唱に耳を傾けて朝まで過ごすんだ」

「ニャムラビ法典に則り、被告を崖から突き落とす!」

「しかし、何とも意味不明のショーです。だいたい、ロープに投げられた人間がその反動で戻ってくるなど、力学的にあり・・・」
「なんだって〜!?」
「わ、私は、何故コーナーポストに上ると、対戦相手が着地点まで来るかと・・・」
「アンタ今、何を敵に回したか分かってんだろうね!プロレスを馬鹿にする奴は、この私が許さない!」
 (ノーマッド、蘭花フランボワーズ「ギャラクシーエンジェル」)

「苦しいです。サンタマリア。」
 (象「オツベルと象」)

「キラル殺法、曼荼羅円陣!!」
 (キラル・メキレル「機動武闘伝Gガンダム」)

「秋葉はなぁ!買い物をする所だ!カップルが動物園感覚でデートする所ではなぁい!」
 (リィン・レジオスター「ハヤテのごとく!」)

「しゃべっているんじゃありません、鳴いているんです。でも、あなたのことばで」
 (ゾルバ「カモメに飛ぶことを教えた猫」)

「だけどあたしはやっぱり、みんな死んじゃえばいいのにと思う」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「トリック・オア・トリート。それが問題だ。」

「ゲーム脳とはまた異なる、ギャルゲー脳を提唱したい」

「切腹で吸血鬼の血が断ち切られたのだ」
 (ケンジ「ヴァンパイア侍」)

「猫人間が猫耳である必要はないと考える派」

「丑の刻ならぬ、猫の刻だよ」
 (サナギさん「サナギさん」)

「横綱審議委員会審議委員会を作りたい」

「不細工なやつめ、これをくらえ!!」
 (「ゴールデンラッキー」)

「それから、ぬかるみの中でもバラ藪の中でも駆け抜けられるように、長ぐつを一足こしらえてください」
 (猫「長ぐつをはいた猫」)

「おしりかじり虫を噛み殺してやる!」

「にゃんまげが飛びついてくるぞ!」

「もう嫌ー!こんな生活ー!」
 (蘭花フランボワーズ「ギャラクシーエンジェル」)

「あの大名行列さ、並んでるの全部大名じゃね?」

「ありがとうございました・・・っていうか、すいませんでした・・・」

「レッサーパンダが・・・立ち上がって追いかけてきた!」

「いつかの朝、食料品店に入っていくと、だれもかれも苦痛に泣き叫びながら転がっていて、死にかけていたらすてきなのに」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「行け!!ティアマンテサイプル」
 (「ゴールデンラッキー」)

「ネコキュート」

「乳酸菌摂ってるぅ?」
 (水銀燈「ローゼンメイデン」)

「それゆえに愛は戻っていくのです、愛のもとに」
 (「それゆえに愛は戻る」)

「ねぶくろをかいに」

「毎月一日サルバンの破砕日はポイント5倍」

「喰い殺すッ!」
 (ネコ娘「ゲゲゲの鬼太郎」)

「ぼくがなんにもしないのにあんなことを云うのはザネリがばかなからだ」
 (ジョバンニ「銀河鉄道の夜」)

「チームが3連敗以上した後に田中投手が登板すると、なんと勝率が10割なんですよ」
 (インタビュアー)

「静電気に殺される!」

「荷物、持ってくれないの? 」
 (遠藤晶「センチメンタル・グラフティ」)

「ノスタルジック複合」

「キラー猪木 VS イノキキラー」

「その程度の振る舞いで『ツンデレ』とは笑止千万!」

「みんな死んじゃえばいいのに、そしてあたしが死体の上を歩いているならすてきなのに」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「明日という日はいつも暖かい南の風が吹く日だっていうことを忘れるなよ」
 (ジャック「ペンギンズメモリー幸福物語」)

「目の付け所はSHARPなんだけどなぁ・・・」

「ゆる〜い試合でも楽しく戦える明るさ」
 (週刊プロレス記事の松田慶三評)

「バスカヴィル家の犬め!」

「ナースコールを頼む・・・違う、ダースモールじゃない!!」

「G(ジャイアント)・サラバ!」
 (葉隠散「覚悟のススメ」)

「ルパン・・・何世?」

「キャット・アップ! キャット・ダウン!」

「うおーっ 長いものの切断とものすごいいじわるを同時にやりたいよ〜!!」
 (「ゴールデンラッキー」)

「コンピューターおばあちゃんがウイルスに感染して挙動不審」

「これであんたの好きな、サンドウィッチだ」
 (土方歳三「新選組!! 土方歳三最期の一日」)

「生きてる間くらい、笑ってなさいよ」
 (ソシエ・ハイム「月に繭 地には果実」)

「やはりハサミのことから始めなきゃね」
 (キム「シザーハンズ」)

「凶器はソムリエナイフか」

「その子たちが腐れはて、苦痛に身を丸め、大声で泣き叫ぶところを思い浮かべる。目の前で地面に転がり、身体を二つに折って泣き叫んでいればいいのに」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「魔技!ダブルフェイス!」
 (ジャンクマン「キン肉マン」)

「何故ハシミコフの水車落としだけが何故フィニッシュとなり得るのか、真剣に理屈を考えたこともあった。プロレスを守りたいがために」

「ふとっちょやさしさコンビコンビトリオコンビコンビ〜!!」
 (「ゴールデンラッキー」)

「ネコは何匹鍋の中で熟睡できる?」

「毅然とした態度ではぐらかす」

「オー・マイ・キャット!」

「ぼくだけはまあ、この猫をたべてしまって、それからその毛皮で手袋をこしらえると、あとにはもうなんにも、のこりゃしない」
 (末の息子「長ぐつをはいた猫」)

「ピツウは猫を撫でている」
 (「ペガーナの神々」)

「最近、野良獅子舞を見なくなったな・・・」

「これについて市の担当者は『自治体が萌えキャラをマスコットにしたのは、これまで例がないのではないか』と話しています」

「秘技!磐石のばし!」
 (社内竜王「サラリーマンNEO」)

「あいつか?ピンポンダッシュ世界記録保持者ってのは」

「地獄が満員になると死者は地上を歩きだす」

「これはただの夢なのよ、エンリル!あなたは猫たちの見る夢なのよ」
 (メスランテア「星を見つけた三匹の猫」)

「猫がそう言ったのならしかたないな」
 (丸井草次郎「みつどもえ」)

「そしていつの間にか、猫を愛しているように」

「みんな死んで地面に転がっていればいいのに」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「『スマイル』は頼んでないんですけど?」

「ああかがやきの四月の底を はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ」
 (宮沢賢治「春と修羅」)

「魚のいちばん美味いところは頬なのです。それはたいていの動物に言えることでしてね」
 (コック「ハンニバル・ライジング」)

「もっと熱いコーヒーはないのか?」
 (ウォーケン「バオー来訪者」)

「ペンギン術師」

「しかもトカゲの中で最もおそろしいエリマキ・トカゲだ」
 (スニゲーター「キン肉マン」)

「え?『なか卵』じゃなかったの?」

「正ちゃんはもう子供じゃないってことだな・・・」
 (Q太郎「劇画オバQ」)

「可愛いなぁ、猫ほどじゃないけど」

「あったかいふとんで、ぐっすりねる!こんな楽しいことがあるか!」
 (野比のび太「ドラえもん」)

「ネコは休養ときれいなベッドルームとネズミを要求しています」
 (「シムシティ3000」)

「裁きロボ・ダンザインで世の中のいろいろなものを断罪したい」

「原材料費の高騰につき、スマイルは有料とさせていただきます」

「脳内シミュレーションでなら何度やっても勝つんだがなぁ」

「あの子たちの舌は火を食べたように燃えてしまう。言葉が出てくるとき、喉も燃えてしまう。お腹の中では一千の炎より熱い苦痛を感じる」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「無理な借り入れへの注意を促すより、無理な貸し出し、取立てに注意しろ!」

「首と左腕のない巨人が銃を持って追いかけて来るっ!!」

「浜崎あゆみと倖田來未の違いが分からない」

「全てのドアに猫用の出入り口を設けることが消防法で定められています」

「あなたが毎日を健康に過ごすためには、カロリーなどの栄養が必要です」
 (マクドナルドのトレーに敷いてある紙)

「オレだって伊達や酔狂でこんなこと言ってるんだ!」

「2枚1組のティッシュを1枚ずつバラして畳み直す、それがお前の仕事だ」

「おーい山田くん、楽さん殺して!」
「はい!喜んで!」

「空腹は最大の調味料とはよく言ったものね。こんな粗末な食べ物が、こんなに美味く感じるなんて」
 (アンジェラ・ヴィクトワール・ブレンディン「プリンセスワルツ」)

「じゃあ、次の質問。『家庭的』と『意外と家庭的』ではどちらが良い?」

「醜い鏡餅!!」
 (丸井みつば「みつどもえ」)

「ヘリトンボで逃げろ!」
 (ドラえもん「ドラえもん」)

「あのネガティブ思考・・やつには目が後ろについているとでもいうのか!?」

「如来予想図」

「驚異の新システム!!ラストスタンド搭載!!」
 (「アシュラバスター」)

「これが血の海地獄だ!」
 (ジャンクマン「キン肉マン マッスルグランプリ」)

「ネコの話は出だしがいつも決まっている。『最初のネコだった母さんから聞いた話なんだけど』というのだ」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「今度もまた、負け戦だったな」
 (勘兵衛「七人の侍」)

「セミっぽくない?」
 (神尾観鈴「AIR」)

「俺が、ゴーストライダーに?でも免許・・・いいの?原付ので?」

「ここは猫が歩くぐらいの速さで」

「諦めろって、でんこちゃんは人妻だぞ?」

「だ、大丈夫!?・・じゃないのはなんとなくわかるが・・・ど、どんな感じだ!?」
 (三千院ナギ「ハヤテのごとく!」)

「いや、萌えとかそういうの抜きでも、本当に良い作品なんだって!」

「いたちごっこする者、この指止まれ!」

「おみくじで大吉を出すのに運勢を使い果たしてしまった・・・」」

「メンマ?あれは飾りだろう?」

「死に場所はグラウンドしかない。胴上げと同時にポックリ、そんな夢を描いているよ(笑)」
 (野村克也)

「ママ〜、宝が持ち腐れちゃった〜」
 (「ゴールデンラッキー」)

「絶望を、ぶった斬れ。」
 (「どろろ」)

「ぼくの飼ってる猫のピートは冬になるときまって夏への扉を探しはじめる」
 (ダニエル・ブーン・デイヴィス「夏への扉」)

「わー!巨大アンジェラが出たぞー!」
 (「プリンセス狂想曲」)

「あたしは扉に身をもたせて考えた。玄関を開けたら、あいつは私道の上で息絶えている」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「お前は火星に帰れ。地球は危険だ」
 (シン「少林サッカー」)

「実は俺、人間以外の生物と5分以上一緒にいると煙を出しながらくしゃくしゃにしぼんでしまうんだよね〜」
 (「ゴールデンラッキー」)

「人間というのは、なんとも不可解じゃからなぁ!ときに、最高の善意から、最悪の事態を引き起こす」
 (大佐「カモメに飛ぶことを教えた猫」)

「いつかミノワマンに『だって、オラは人間だから』と言わせたい」

「実験をしてゐるのですよ。人どうしが激しくぶつかつた時、中の人格が入れ替わるかどうかの」

「ココホレ詐欺」

「亀です・・なんちゃって、ネコです」
 (ネコ「シャープのCM」)

「それが終わったらこのダブルのトイレットペーパーを解いて、シングル2巻を作ってもらおう」

「あ、いつもカラスコTシャツ着てますよ♪」
 (一場靖弘)

「プロレスに筋書き 高裁が認定」
 (ジニアスの裁判を伝えるどっかの新聞)

「人口の減少に歯止めをかけようと思ってやった」

「あいつ、力士生命どころか、生命そのものを賭けやがった!!」

「よし、そこでサミング!・・違う、ハミングじゃない!」

「人にあげても痛くもなんともない金額の最高峰だよ1円は」
 (虚山実「ムーたち」)

「考えろ。そして勝利を掴め!」
 (楽天イーグルスの2007年のチームスローガン)

「地上波デジタルに移行するのは構わん。だが『地デジ』って略するのはやめろ」

「だけどあの大きな白い顔が、テーブルごしににやにやしたり、あたしが動くたびにじろじろ見たりしたのを思い出すと、あいつが逃げ出すまでなぐりつけてやりたくなる。死んだあとも身体を踏みつけ、草の上の死体を見物してやりたくなる」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「そして豊島園は宇宙地獄」
 (悪魔騎士「キン肉マン」)

「当然さ。だってこれ、メルカトル図法だもん」

「レディース・アンド・ジェントルキャッツ!」

「なーに、地獄で会えるさ」
 (ウォーズマン「キン肉マン」)

「復讐?今誰か、復讐という私のイケてるミドルネームをお呼びになりました?」
 (烏丸ちとせ「ギャラクシーエンジェル」)

「”希望”、それが俺とルナの子供だ」
 (東鉄也「CASSHERN」)

「それではあんまりアラビアンナイト型です」
 (宮沢賢治「春と修羅」)

「楽しいムーミン一家の面汚しめ!」

「おれは、動物には地獄なんてないと、今まで思っていた」
「そうだ、モーゼス!動物には地獄がない。だから、人間がそれを創ったんだ」
 (モーゼス、マードック「星を見つけた三匹の猫」)

「地球の温暖化を食い止めたくてやった」

「エアコンの温度を控えめにしても、ネコを抱いていると暖かいんだって」
 (ネコ「シャープのCM」)

「空気を読めないんじゃない!読まないだけだ!」

「張り子打法」

「メタボリックゴーショーグン」

「祝日が増えると思ってやった」

「サラダの中のネコの毛ほどおいしいものはないわね」
 (コンスタンス・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「え、何でそこ疑問形?」

「そう、そこは猫を撫でるように優しく・・・」

「こんな日に限って帰宅支援マップを忘れた!」

「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」
 (ジョバンニ「銀河鉄道の夜」)

「死ね!はらわたをぶちまけて死ね!」
 (丸井みつば「みつどもえ」)

「待て、ここはキャット・ファーストだ」

「ダッチワイフであるユリア105式にとってのクールビズは裸なのだ!」
 (「ユリア100式」)

「山椒魚(生まれつき黒い)に対する国際委任統治は、有色人種の代表として日本がおこなうべきである、という日本の提案であった」
 (「山椒魚戦争」)

「私が落選したのは、有権者が馬鹿だからだ」

「武将の具足の前に立つと、ハンニバルは短刀をかざして伊達政宗の面を覗き込んだ。」
 (「ハンニバル・ライジング」)

「何いい話っぽくまとめようとしてんだよ!」

「地獄?この程度で地獄だと?・・よかろう、見せてやる。本当の地獄ラーメンというものをなぁ!」

「ニヒヒヒ!我ら悪魔騎士は常に合理的な攻撃法を計算しながら戦っている!!」
 (ジャンクマン「キン肉マン」

「いわゆる、ホールドアップってやつ?」
 (ガロード・ラン「機動新世紀ガンダムX」)

「あいつをハエに変えて、クモの巣の上に落としてやる。死にかけてブンブンいってるハエの身体に閉じこめられ、巣にからまって手も足も出ず、じたばたしている姿を見物してやるんだ。あいつが死にますようにと願い続けていたら、いつかは死んでしまうだろう。木に縛りつけてほうっておいたら、身体は幹に呑みこまれ、口は樹皮に覆われるだろう」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「『いただきます』はたった一言で膨大な殺生を一瞬でチャラにできる夢のおまじないなんだ」
 (虚山実「ムーたち」)

「『美しい国、日本』の実現のために、格差社会の是正のために、まずこの国から弱者どもを一掃します」

「なにかが、ぼくを、たべにきたあ。なにかが、ぼくを、たべにきたあ。」
 (「さかな1ぴきなまのまま」)

「赤ワインはほんとうは、かなわぬ恋のために流された血の涙なのです」
 (メスランテア「星を見つけた三匹の猫」)

「俺たちも負けずに、考えただけでもゾッとするんだ!!」
 (「ゴールデンラッキー」)

「ひとコマひとコマ、愛をこめて」
 (「こまねこ」)

「よせ、それ以上やったら『メルヘンだから』じゃ済まされないぞ!」

「これからはスノッブだよな〜」
 (「ゴールデンラッキー」)

「刀には刃こぼれ一つ、生じていません。あの肉屋、バターみたいにすんなりと切れたから」
 (ハンニバル・レクター「ハンニバル・ライジング」)

「うーむ、『恥じらい機能』が作動しちまったか」
 (蓮見優一「アイアンメイド・アリス」)

「易しいけど、優しくない」
 (サナギさん「サナギさん」)

「さっきからずっと考えていたが・・・やはり無理だ。諦めてくれ」
 (クレア「クレイモア」)

「11月は『いい○○の日』禁止!!」

「歯に衣着せる物言い」

「僕は笑い転げながら、リチャードの不意を突かれた哀れな顔のまんなかに弾をぶちこんだ。」
 (トーマス・アビイ「死者の書」)

「さらに長ぐつをはいた猫に近づくためのポイントは、ピカピカの新しいブーツを手に入れることです!」
 (シュレック診断の結果)

「残念なのは、一場が思うように育ってくれないことだね」
 (野村克也)

「責任能力がないわけじゃない!責任感がないだけだ!」

「はうっ!閃いた!じゃあ予言するよ!予言!」
 (アマビエ「ゲゲゲの鬼太郎」)

「パスティーシュ監獄」

「全部正直に話したのに『意味の分からない供述』で片付けられた!」

「マーダーライセンスの発行申請用紙をください」

「参加資格:健康で常識のある者」
 (「Mr.カラスコ監視隊参加者募集要綱」 )

「ジャンクにしてあげる」
 (水銀燈「ローゼンデイデン」)

「このテルテル坊主、足がないな」

「キャット・ブレス・ユー」

「あ、もしかして『トリノ』だと思いました?違うんです、『鳥の』オリンピックです」

「こんなに人を愛したのはあなたがはじめてよ。あなたに危害を加えようとする人間は誰だって殺してやる・・・誰だってよ、これからは」
 (モーナ・ジェンセン「マスク」)

「みんなが笑ってる!子犬までアタシを嘲笑っている!!」

「あいつらの食べ物に毒を入れて、死ぬところを見ていてやるわ」
 (メアリ・キャサリン・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)



Birth of Baikinman

 その小屋は、深い森の奥深くにひっそりと建てられていた。表面を苔や蔦で覆われた一見廃屋とも思えるその小屋を見ただけでは、これがどのような建物なのか理解できる者はおそらくいないだろう。ただ一つ、半ば傾いた煙突から時折立ち昇る香ばしい香りだけが、そこがパン工場だと窺わせるものだった。
「バターよ、そっちはいい。次はこっちじゃ、窯の温度を上げるんじゃ」
 大きな鍋や器、様々な調理器具の散乱する小屋の一角を占めるパン工房では、一人の老人がバターと呼ばれた若い娘に指示を出していた。パンを焼くための大きな窯が彼らの目の前で高熱を発し、二人とも汗だくになっていた。彼らは新しいパンの製造の真っ最中だった。
「はい、アンクル・ジャム」
 娘は額の汗を拭いながら老人に応え、彼の指示を的確にこなしていった。
「もうすぐじゃ・・もうすぐわしの理論が正しかったことが証明されるのじゃ・・・。わしの『新造小麦理論』は間違ってなどいないのだ・・・」
 アンクル・ジャムと呼ばれた老人は、窯の炎を見つめながら一人呟いていた。かつて『パンの大神』とも呼ばれた伝説的なパン職人だった彼は、彼の発表したある理論が原因でパン学会を追放されて以来、ひたすら己の信念を貫くために研究を続けていた。手足が衰え、思いどおりに体が動かせなくなってからは、姪のミズ・バターを助手として、更なる研究を重ねていた。
 小麦の遺伝子組換実験の最中の不慮の事故により偶然生まれた『新造小麦』は、まさに『生きた食材』だった。この小麦から作られた小麦粉は『命』を持っていた。その小麦粉から作られたパンは、命を持ち、知能と運動能力を備えていた。
『生きてるパンをつくろう』
 新造小麦を使用した全く新しいパンの創造という、アンクル・ジャムによる論文は、当時、世界パン学会を震撼させた。保守的な学会員たちはその研究を異端であるとして猛烈な批判を浴びせ、結果、アンクル・ジャムは学会を追放され、彼のいた全ての痕跡が学会から抹消された。生きて、動くパンなど、我々全ての生物の命を作りだした神への冒涜でしかないというのが、彼らの意見だった。
「よし、あとは焼きあがるの待つだけじゃ。バター、ご苦労だった。休んでいいぞ」
 ミズ・バターの働きによるここまでの経過に満足しながら、アンクル・ジャムは笑みを浮かべた。ミズ・バターは美しく、利発な娘だった。あのロクでなしの父親の元でどうやってこのような娘が育ったのだろうと、アンクル・ジャムは常々思っていた。彼の弟が自業自得とも言うべき理由で無残な死を遂げてからは、その娘であるミズ・バターを引き取り、彼とミズ・バターと、愛犬チーズ・ザ・ドッグの2人と1匹でこの小屋でパンを焼きながら暮らしているのだった。
「今度こそ、成功するといいですね」
 ひと段落つき、帽子とエプロンを外したミズ・バターが、彼の隣に立ち、そう言った。
「バター、お前はわしの研究を異端だとか冒涜だとか思ったりはせぬのか?」
 いつも不平一つもらさず、彼の指示を忠実に遂行する姪に彼はそう尋ねた。
「新造小麦を使ったパンを捏ねて生命を生みだそうだなんて、素晴らしい研究だと思います。その成果を見れば、学会の人たちだってきっと、アンクル・ジャムのことを見直すはずです」
 ミズ・バターはアンクル・ジャムに向かってはっきりとそう答えた。
「そうか・・・ありがとう」

 やがて、パンが焼きあがり、窯から取りだす時間となった。先ほどまで外で静かに降っていた雨はいつのまにか雷雨となり、小屋の中にいてもその激しさを感じることができた。
「よし、窯を開けよう」
 アンクル・ジャムがそう言った瞬間、窯の中が目のくらむほど輝き、間を置かず、ドーンという大きな音が小屋全体を揺るがせた。小屋の煙突に、雷が落ちたらしかった。落雷の轟音が響く中、ミズ・バターはもう一つの音が窯の中から聞こえてくるのに気づいた。苦しげな、うめき声のような音が。
 先に落雷のショックから立ち直ったのはアンクル・ジャムだった。光と音が消えた後も、窯の方を見つめて呆然とするミズ・バターに、急いで窯を開けるよう指示した。我に返ったミズ・バターは慌ただしく、窯の蓋を開きにかかった。
「・・・アンクル・ジャム、蓋が、開きません!」
 どうやら先ほどの落雷で窯の石組がずれてしまい、蓋が開かなくなっていた。アンクル・ジャムも手を貸し、どうにか窯の蓋を開くことができたのは、それから三十分以上経ってからのことだった。窯の中の人型をしたパン生地は、真っ黒に焦げ、端の方は既に炭化していた。
「これではコゲパンマンだな、これでは生存は不可能だ」
 アンクル・ジャムが残念そうに言いながら、裏口のドアを開け、それからその失敗パンを未だ大雨の降り続く屋外へと放り捨てた。
「アンクル・ジャム、さっき、私・・・」
 ミズ・バターはそう言いかけたが、先ほど自分が耳にした音が現実のものだという確信が持てず、その先を続けることができなかった。
「なぁに、全ては外の雨が洗い流してくれるさ。今日はここまでにしよう」
 アンクル・ジャムは如何にも落胆した様子で、自室へと引き上げていった。

 全身を覆う、痒み、疼き、痛みで、”彼”は目を覚ました。
(痛い!体中が痛い!一体何がどうなっているんだ!?見えない・・視界が・・・)
 痛みから逃れようと身を捩るのだが、痛みは消えないばかりか、動いたことで更なる痛みが”彼”の体を襲った。
(助けて・・・誰か、誰か助けて!!!)
 両手で己の全身をかきむしりながら、”彼”は声にならぬ声で助けを求めた。

 落雷による実験の失敗から三日経ち、アンクル・ジャムがようやく研究を再開する気分になった原因の一つには天気の影響があったかもしれない。雨は落雷のあった晩のうちには止んだのだが、続く二日はどんよりとした曇り空で、失敗で落ち込む彼の気分をいっそう滅入らせていた。今日になってようやく晴れ、しかも快晴となり、気分の良くなったアンクル・ジャムは長くこもっていた自室を出た。
「バターよ、今日から研究を再開するぞ」
 彼がふさぎこんでいる間も、いつでも研究が再開できるよう準備を整えていたらしいバターに声をかけると、アンクル・ジャムはパン工房に入り、何の気なしに裏口のドアを開けた。
「!!!」
 ドアを開けた彼の目の前に、一体の醜悪な怪物が立ちはだかった。それは人の形こそしているものの、炭のように真っ黒な全身をカビや泥、その他様々な汚れが覆い、周囲に悪臭を放っていた。それは黒い全身の中で唯一白い目をギラギラとさせながら、アンクル・ジャムをねめつけ、不快な音を発しながら、その汚らわしい腕のような棒を彼に向かって差し出そうとしていた。
「tと・・うs・・n・・tttたsす・・・け・t・・・・」
 頭部、それが頭と呼べるものであれば、に開いた口のような穴から、発された音を、アンクル・ジャムは最後まで聞いていられなかった。
「ば、化け物!!」
 彼は恐怖の表情を浮かべながら後ずさり、壁に立てかけてあった帚を震える手で掴むと、小屋に侵入してこようとするその怪物を、激しく打ち据えた。
 普段はパン工房への出入りが禁じられているチーズ・ザ・ドッグも、主人の叫び声を聞いてパン工房にかけつけた。
「yyyyyiや・・め・・t・・とoう・・・s・ざ・・・」
 怪物が再び何事か音を発したが、アンクル・ジャムはもはや聞いてなどいなかった。
「出て行け!出て行け!!化け物め!!この!この!!」
 彼は必死でその怪物を打ち、チーズ・ザ・ドッグも主人に加勢するかのように、怪物の足に噛みついた。やがて諦めたのか、怪物はくるりと背を向けると、よろめくような足取りで森の奥へと消えていった。
「アンクル・ジャム、何があったの?」
 ミズ・バターが騒ぎを聞きつけてパン工房に駆けつけると、そこでは床にへたりこんだアンクル・ジャムが、開け放たれた裏口のドアから見える森の奥を呆然と見つめており、また、普段はパン工房に出入り禁止のチーズ・ザ・ドッグが彼のそばに座り込んで、ゲーゲーと何かを吐き出していた。
「化け物が現れて、わしを襲ったんだ」
 落ち着きを取り戻したアンクル・ジャムは、ミズ・バターの用意した紅茶をすすりながら、先ほどの怪物について話して聞かせ、何故あのような怪物が現れたのか、その原因はわからないが、研究を急がなければならないという結論に達した。

 泣きわめこうにも、口の中にまでカビや苔が密生して声が出せぬまま、”彼”は森をさまよい続けていた。先ほど自分を激しく打ち据えた老人の顔、 ”彼”は以前にも一瞬だけ、この世に生を受けた直後にその老人の顔を見ていたことを思い出した。

「これではコゲパンマンだな、これでは生存は不可能だ」

 老人はその時そう言った、コゲパンマンとは自分の名前だろうか?”彼”は老人が何者か理解していた。あの老人こそ、自分を創造した”父”であるのだ。
 意識もはっきりせず、わけのわからぬまま冷たい水の打ちつける闇の中へ放り出されて”彼”の意識は一旦途絶え、次に意識を取り戻した時には、激しい痛みや痒みが”彼”の全身を覆っていた。パン生地でできたその体は、激しく雨に打たれてそのまま放置されてたため、無数のカビやその他様々な菌の温床となっていた。やがて、痛みに耐えて小屋の壁にすがりながら立ち上がった”彼”の目の前に、再び、父が現れた。父ならばこの痛みを取り除いてくれるはず。”彼”は父に助けを求めたが、それに対する”父”の反応は、あまりにも惨いものだった。恐怖と嫌悪の表情を浮かべた父はその手を払いのけ、手近にあったほうきで、彼の体を激しく打ったのだ。
「yyyyyiや・・め・・t・・とoう・・・s・ざ・・・」
 口内にもカビが繁殖して上手く言葉を発することができない”彼”は、父に事情を伝えることが出来ず、とうとう諦めたそれは、その場を後にしたのだった。

 それから数日して、口内のカビや菌を取り除いた”彼”は、どうにか人間が聞き取れる言葉を話せるようになっていた。
「これで父さんにも、理解してもらえるはずだ」
 話さえすれば、今度こそ父は自分のことをわかってくれるだろう、そう思いながら”彼”は、足取りも軽く我が家へ向かった。間もなく全てが解決することを考えると、全身の痛みなどもうささいなことだった。
 我が家へ帰りついた”彼”は、父を脅かさないよう、そっと窓から小屋の中を覗きこんだ。そこには”彼”が想像だにしなかった光景が広がっていた。

 小屋の中にもう一人の自分が・・自分と同じパン生地で造られた存在がいた。但しそれは自分のように、焼き過ぎて黒焦げになどなっておらず、風雨にさらされカビに覆われたりてもいなかった。ちょうど窯から出されて誕生したばかりらしく、上半身起こして不思議そうに周囲を見回すそれを見て、父や若い娘が歓声を上げているところだった。
 そこに、”彼”の居場所はなかった。
 父と若い娘は互いに苦労をねぎらい合ったり、新しく生まれたもう一人の自分に声をかけたりしていた。
 やがて父がこう言った。
「このアンパンマンさえいれば、この間わしを襲った化け物も、もうやってはこれまい」
 自分のことを言っているのは明らかだった。”彼”は父や弟の前に姿をあらわすことなく、来た道を戻り、大きな声で泣いた。

 弟は美しく、皆から愛されているというのに、その兄である自分は、醜く、父から化け物と呼ばれ追いたてられてしまった。森の動物たちも、”彼”の持つ醜さ、放つ悪臭に耐えかね、”彼”を目にすると一目散に逃げて行った。この違いはなんだというのだ。自分が一体何をしたのだ。自分は何のために生まれたのか。
 森の中の、小さな池を覗きこむと、水面から見るもおぞましい怪物が自分を見つめ返した。これが自分なのだ。悲しくて仕方がなかった。そして、その水面に自分の他にもう一つの顔が映し出された。美しい女の顔だった。
「あなた、そこで何をしているの?」
 突然近くから女の声が聞こえて”彼”は驚いた。顔が上げると彼の傍らに美しい女が立ち、彼を見下ろしていた。氷のような美しさ、そして冷酷さを備えた美女だった。
「お前は・・俺が恐ろしくはないのか?」
 初めて自分を恐れない者の出現に戸惑いながら”彼”は尋ねた。
「あなたを?あなたを恐ろしいだなんて全然思わないわ。むしろセクシーだもの」
「からかうのよせ。俺は自分がどんな姿か分かっている」
 そう応えながらも”彼”は、自分を恐れないこの美女に興味を抱いていた。ゆっくりと立ちあがると、その女の前に立ち、
「それで、お前は誰だ。この怪物に何の用だ?」
 と尋ねた。
「私はマドモアゼル・ドキン。手伝いに来たのよ。あなたの復讐のね」
 ドキンと名乗った女があやしく微笑んだ。
「復讐だと?何にだ?」
「あなたを捨てた父と、あなたが得られなかった父からの愛を一身に受けるあなたの弟、あなたを恐れて逃げ出した森の生き物たち全て・・・。復讐の相手ならいくらでもいるじゃない?」
「・・・・・」
「ところで、あなたに名前はあるの?」
 マドモアゼル・ドキンが尋ねた。
「俺の名前は・・・コゲパンマン、と・・・父は言っていた」
「ダサい名前ね。いいわ、私があなたにふさわしい名前をつけてあげる。あなたの名前はバイキンマンよ。あなたの全身にこびりついた黴や細菌、それら全てがあなたの武器。あなたが得られなかった幸せを謳歌している連中全てに、そのバイキンを浴びせてやるのよ。この世に生きるもの皆に、あなたと同じ苦しみを味わせてやるのよ」
「・・バイキンマン・・か・・。全くだ、全くもってこの俺にふさわしい名だ。そうだ!俺は・・俺はバイキンマンだ!!」

 続かない



「なら、ココアも期待できますわね」
 (リリ・ボルジャーノ「∀ガンダム」)

「今宵もアンニュ〜イ」
 (水銀燈「水銀燈の今宵もアンニュ〜イ」)

「ラブソリュート・ゼロ!愛の絶対氷結ッ!」
 (リリアーナ・ルン・ルン・ギュンスター「プリンセスワルツ」)

「いままでよりしっかりと閉じこもっていましょう」
 (コンスタンス・ブラックウッド「ずっとお城で暮らしてる」)

「そうだな・・あとは・・」
「・・猫も?」
「あぁ、もちろん猫もだ・・・」

第二章 第四章

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