I.W.A.JAPANプロレス
98/11/29 東京・後楽園ホール大会

 南側最前列の真ん中からちょい西寄りのあたりの席だ。リングの真ん前。いい席だ。MAYA様が大物を連れてくるとかいう話があり、ターザン後藤だけは、やめてくれよ、とか思う。客入りはさびしい。未来が見えてきたところなのだが、メジャー選手がいないというのは、一般客的にはやはり物足りないのだろうか。

第1試合 シングルマッチ
 新岩大樹 VS 宇和野貴志


 これまで7月の烏山で新岩相手にエキシビジョンマッチを、10月の逆井で練習生として、アマレスのマーティ浅見と異種格闘技戦を行っている宇和野貴志。9月の知立で話し掛けてみた時は「なかなかデビューさせてもらえないんですよ」と笑っていたが、この日ついにプロデビュー。
 なんていうか・・すごい、いい。体格もいい感じだし、気合も入ってる。そして下手さが感じられない(うまい、って言えばいいんだけども)。経験積んでいくといい選手になるんじゃないかなぁ、と思った。この日も最後は敗れたとはいえ、新岩との打撃合戦で打ち勝っていたし、格下っぽさを感じさせなかった。将来が楽しみ。そして新岩、デビュー戦から進歩があまり見られない。素材は良さそうなのだが・・頑張れ。

(と、宇和野のデビュー当時は思ったものだった)

第2試合 女子シングルマッチ
 西堀幸恵 VS 武藤裕代<Jd'>


 ちょっと大きめの武藤との体格差になかなか攻め込んでいけない西堀だったが、最後は逆転のウラカン・ラナ。

第3試合 8人タッグマッチ
 佐藤竜騎士、トルトゥガー、木藤祐次、山下義也
 VS <JJ>ザ・グレート・タケル、アジアン・クーガー、ファントム船越、西野勇喜


 コスチュームを似た系に揃え、そして連係プレーが冴えるJJ組。IWA側で光っていたのは山下くらいだろうか。山下は攻守にわたって人の目を惹きつける。佐藤は蹴りに調子いい時の(いつもの、ではない)キレがないし、カメは攻め込まれるシーンが多く、木藤は特に印象がない。最後はカメが仕留められたが、何人かがかりのフィニッシュって好きじゃないなぁ。下から期待できる選手が続々出てきている現在、今の位置でくすぶっているカメとか木藤、そして佐藤はもうちょっと頑張って欲しいなぁ、とか思った。

第4試合 シングルマッチ
 SHINOBI<フリー> VS ペルセウス<J.R.メビウス>


 SHINOBIの「折原挑戦ロード第2戦」。その折原もペルセウスのセコンドとしてリング下から見守る。SHINOBIの小さなミスが随所に見られ、雑な印象を与え、それでも強がってみせるSHINOBIに対して、場内はシラケムード。そんな中、ペルセウスがSHINOBIをロープに振った際、その先に折原が立っているのに気づいたSHINOBIは折原めがけて(無謀にも)トペを敢行。受けた折原だが、起き上がり、冷静に、いや、キレてる。椅子をSHINOBIめがけて振り下ろす。大歓声。散々折原に痛めつけられたSHINOBI、最後はペルセウスのもちつきパワーボムからのライガーボムで敗退。まだ上がるのかな。

第5試合 THE TITLEMATCH CHALLENGE
 山田圭介、奥村茂雄<新東京> VS 平野勝美、松田慶三


 「この試合の勝者がメインイベントでダグに挑戦することができる」ということでパートナーも敵。はじめからそんなムードを漂わせていたのが、奥村。序盤は、手の触れられる位置まできた山田と無理矢理タッチして試合権利を奪うとかだったが、中盤に入ると、敵方をフォールする山田に対してカットプレイ。雲行きが怪しくなってくる。平野組の方でも、グロッキー状態の平野さんを松田が自軍まで引きずっていってタッチ、とまぁ普通にも見られるような光景ながらそれ以上の意味が込められた行動。そして終盤、ロープに振られた奥村をロープ際で捕まえて止めて助けた(?)山田がそこで無理矢理試合権利を奪う。それに怒った奥村がついに山田を攻撃。山田とやりあう。だが、そこで冷静な平野さん、まずは自軍コーナーで控える松田に一撃加え、動けないようにしてから、奥村とやりあう山田を横入り式エビ固めに捕らえカウント3つ、勝利をものにする。頭脳プレイ。

第6試合 タッグマッチ
 月岡昭則、三上恭平<DDT> VS 折原昌夫<メビウス>、小野武志<バトラーツ>


 月岡と三上の「組んでも闘ってもいいコンビ」がトンパチを迎え撃つ。カンクーン・トルネードであわやカウント3?と、トンパチ相手に好勝負を見せた2人だったが、最後は月岡が捕まり、トンパチドライバー。

第7試合 女子スペシャルシングルマッチ
 元川恵美 VS ザ・ブラディー<Jd'>


 どちらが勝つかというのがなかなか読めない好勝負。ドラゴン・スープレックスでブラディーが勝利。ラ・マヒストラルを焦って失敗したのが、元川の敗因か。

第8試合 IWA世界ヘビー級選手権
 ダグ・ギルバート VS 平野勝美(第5試合の勝者)


 平野さん、初戴冠なるか?
 椅子の上へのパイルドライバー3連発でダグが王座防衛。
 ちょっと・・いやかなり唐突で観客が戸惑っているところにMAYA様登場。大物の姿はない。誰だ?MAYA様がMAYA笛を鳴らす。ピィーーーッ!!すると控え室扉向こうから、爆音が。チェインソー・・レザー?レザーが大物・・ま、いいかぁ、と思ったが、あらわれたのは・・「鬼レザー」。皮面の半分に黄色地に黒で「鬼」。鬼かぁ〜!やな予感的中。リングに上がり、マイクを持つ鬼レザー。正体は一体誰なんだ?「なんで俺が持ってたベルトをコイツが持って、平野なんかが挑戦してんだよ。それにしても平野、ずいぶんと化け物みたいな顔になったなぁ」と。IWAベルトを巻いてた?もしかしてディック・スレーター?(ヤケ)怒った平野さん、リングに上がり、鬼レザーにモンゴリアンチョップ一閃。一発でマスクが取れ、その下の素顔があらわに!後藤?ターザン後藤だ!大物の正体はターザン後藤だったのだ!(けっ)平野さんを返り討ちにした後藤、さっさと退散。

 明るい未来のはずが、どっと暗雲が立ち込めてきたぜ。

20世紀の観戦記録