I.W.A.JAPANプロレス
98/11/01 東京・荒川区南千住駅前イベント広場大会

 この前の週に「山田圭介主催プロレス大会」が行われたものの、I.W.A.JAPANプロレスの興行としては、9月にザ・グレート・カブキが引退試合を行ってから最初の興行となる。AK(アフター・カブキ)第1戦。

第1試合 タッグマッチ
 三上恭平<DDT>、木藤祐次 VS アジアン・クーガー<フリー>、山下義也


 三上組の入場の後、山下の入場から遅れてクーガーが入場。私服姿のファントム船越と西野勇喜(金髪)が後に続く。ZIPANGで「インディーに熱い風を吹かせる」と宣言したばかりの、後に「ジョルト・ジョーカーズ」を名乗ることになる男達だ。クーガーはリングに上がるなり、パートナーの山下を「お前は、いらない」と突き飛ばし、「せっかくだから、俺は船越と西野のどちらかをパートナーに選ぶぜ」と言い出す。この異常事態に社長である山田若社長も飛び出してくる。つまみだされた山下が怒り、「だったら俺が向こうに入って3対3でやってやる」と。結局、社長も承認してカード変更。

第1試合 6人タッグマッチ
 三上恭平<DDT>、木藤祐次、山下義也 VS アジアン・クーガー<ZIPANG>、西野勇喜<SPWF>、ファントム船越<SGP>


 クーガーのギロチンとか、三上の自殺プランチャとか、西野のランニング頭突きとかみどころはあったが、特に試合の流れもできぬまま終わってしまった感じ。クーガーは29日の後楽園大会にも参戦することをアピール。

第2試合 タッグマッチ
 トルトゥガー、新岩大樹 VS 矢口壹琅<神格闘十字軍>、エキサイティング吉田<神格闘十字軍>


 「葛飾エキスプレス」神格闘十字軍に客席から「千住統一だー!」とか「荒川区統一だー!」の声が飛ぶ。新岩がちょっと流れについていけない感じだったが、いいテンポで試合が進み、最後は矢口様がジーザスボンバーで新岩を仕留める。

第3試合 女子シングルマッチ
 元川恵美 VS 西堀幸恵


 元川が強い。現状では西堀が元川に一矢報いることは当分なさそう。デビューして、いつの間にか1年半も経過している今、西堀はここからどうステップアップをはかっていけるだろうか。

第4試合 シングルマッチ
 SHINOBI<フリー> VS 江川英知<メビウス>


 SHINOBI、久々のIWAマット参戦だが、なんか・・沸かない。どれもSHINOBIの半端っぽさが原因か?勝利しても客の反応は今一つ。もう呼ばなくてもいいなぁ、とか考えてみる。95年の暮れに、俺の好きなボブ・バラゲイルと12月シリーズの出場をかけて戦い、SHINOBIが勝ってしまったのをふと思い出す。

第5試合 シングルマッチ
 松田慶三 VS フレディ・クルーガー with MAYA様


 フレディの反則やMAYA様のちょっかいに苦しみながらも、松田が勝利。

第6試合 6人タッグマッチ
 佐藤竜騎士、月岡明則、ザ・グレート・タケル VS 折原昌夫<メビウス>、小野武志<格闘探偵団バトラーツ>、マッハ純二<格闘探偵団バトラーツ>


 リーダーの折原、営業部長の小野に連れられ、ヒラのマッハがIWAマット初登場。折原、小野の入場時のコスチュームがかっこいい。月岡のハードコア・ムーンサルトプレスやタケルのスモーピオンなどが出るが、ペースは常にトンパチが握りそのまま完勝。

第7試合 タッグマッチ
 山田圭介、奥村茂雄<新東京プロレス> VS 福田雅一<レッスル夢ファクトリー>、平野勝美


 I.W.A.JAPANプロレス、AK第1戦のメインイベント。今年、ずっとタッグを組み、カブキ&昭和パートナーの壁にぶつかっていた山田と奥村が引き続きタッグ結成。対するは平野さんと夢ファク福田のテクニシャンコンビ。目立ったのは山田の強さ、うまさ。カブキにしごかれてきたのは伊達じゃなかったということか。福田は、ちょっと流れについていけないようで、場外戦などの荒っぽい展開ではやや苦戦を強いられ、ファンからの檄が飛んでいた。終盤、山田が平野さんを仕留めにかかるが、隙をついた平野さんが強烈なショートレンジラリアットで逆転、そのまま押え込んで平野組の勝利。福田も「平野さん、やればできるんですよ!」と嬉しそう。眠れる獅子、遂に起きる、か?

 若手陣、三上、クーガー達、神格闘十字軍、EYE'S、トンパチ、そして純プロレスなメイン・・なんだか未来が見えてきた。山田も敗れたものの、なにか手応えをつかんだ様子で晴れ晴れとしたマイク。細々と、でも着実に・・。

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 ・・・のはずだったのだがね・・・。

20世紀の観戦記録