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手下げ型の箱もチャーミング

東京駅弁はやっぱりいつも

『チキン弁当』


 東京在住の自分が「オススメの東京駅の弁当は?」とたずねられると困惑する。江戸名物ということで深川メシという提案も手だが、自分で食ったことがないものは薦められない。誰もが知るメジャーな駅弁・シウマイ弁当は東京駅でも買えるが本場は横浜。

 では、自分は何を買うか? 実はいつも同じものを買っている。それが「チキン弁当」。にもかかわらず「オススメ」としたくないのは、それほどおいしくないから。比較の対象は、横川駅(信越線)の「峠の釜飯」や森駅(函○○線)の「いかめし」のようにそれを目的にしたくなるほどおいしい駅弁。「オススメ」といった瞬間、その表現は一人歩きをはじめ、すすめられた相手があのうまさを期待してしまう。しかしそれが不幸のはじまりで、理由のいかんにかかわらず食べもの、こと駅弁に関しては「オススメ=うまい」の図式が暗黙のうちに成立するのだ。なので「東京駅でおいしい弁当ない?」とダイレクトに聞かれたら「ない(あるいは知らない)」と答えられるし、「名物は?」「いつも何買ってる?」という問いかけも同様で回答に窮することはない。

 さて、駅弁談義が「上手な質問のしかた口のきき方講座」にそれつつあるので本題にもどって、わが愛しきチキン弁当の魅力、なぜかいつも手にしてしまうその弁当の中身を解剖してみよう。まず、どーんと左半分をしめているのか弁当の定番ともいえる唐揚。定番たる所以はいわずと知れたその大衆受けする味と、冷めてもキープされるそこそこの味。多少硬かったりしても、牛やブタほどはずれもない。そして原価の安さもあって量的にも満足いける点であろう。 

 残る右半分をドーンとしめているライス、これ、単なる白米でないところがミソ。なつかしのケチャップ色のチキンライスなのだ。しかも上には卵そぼろ。「チキン」を弁当名の冠につけているだけのことはある。この二つによって堂々とした本格的「チキン」の「弁当」として完成しているのだ。うーん抜け目なし・・・。

 そして実はどちらも考えてみれば見事にこども時代の好物にオーバーラップする。当然現代の子にも受けるにちがいないであろう裏づけは一緒にはいっているデザートからもうかがえる。なんと最近(以前はなかった記憶がある)はプラムとアンズまでついている。しかもどちらも種なし。食べやすさの工夫にも手抜かりがない。つい手をだしてしまう謎は解き明かしてみれば「まずいわけがない」といった安心感と、「久々にたべてみたいな」と思わせるノスタルジーかもしれない。

 チキンライスの上にはそぼろのほかに緑のいろどりが美しい、数粒のグリーンピースも。こればかりは子供には不人気かもしれないが、アクセントに丁度いい。残念なのは目を引くおかずがチキンのみであり少々野菜不足な点。せっかくついているノンオイル梅しそドレッシングもチキンの下にしいているレタスにかける程度にしか使い道がない。ミニトマトもはいってはいるがたった1つ。まあたまにしか食べない弁当なので、これくらいの食物摂取バランスの乱れは大目にみよう!

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