写真は見ての通り、吸殻がたくさん捨てられている現役の灰皿。しかしその側面には「禁煙」「ここでタバコを吸わないでください」。東京に実在するこの灰皿、バリバリ活躍している現役。冗談やギャグで存在しているわけではない。一見矛盾する禁煙と灰皿の組み合わせが意味をもつ設置場所とは、全館禁煙となったビルの入り口脇。「ビルへの入館前に必ず設置してある灰皿で火を消してもらう」目的で設置されているというわけだ。「目的は火を消すための灰皿であって、ビルの入り口でたむろされては困る、吸うなら他の場所にしてくれ」というメッセージを理解するのにはいささか時間を要する表現。ある意味時代の寵児ともいえる最先端を行く灰皿であり、「灰皿の設置があること=喫煙可能場所」という常識は、非常識となる前触れを象徴しているともいえる 。
<Tokyo Tableauz> (c)Seiji.H