1974年。タカラから発売された身長10数センチのアクションフィギュア。それがミクロマンだ。それ以前のSFトイシリーズ、 変身サイボーグ・アンドロイドAを経て完成されたその卓越したオリジナリティーと、サイボーグシリーズの弱点でもあった、大きさと価格をクリアしたことに よって生じた拡張性とコレション性の高さは当時の子供のハートをガッチリ掴んだのだ。昭和40年代前半生まれのメンバーで構成されるオリエンタルテクノロ ジーにとってもベストオブフェイバリットアイテムなのである。

シリーズは10年間にわたって続くロングセラーとなり、1984年までのブランド展開終了までに、五百数十種類の商品が発売された。

その後10年余り、新たな展開は無かったが、1996年には玩具メーカー浪漫堂から、当時の金型を整備して利用した復刻版が展開され、再評価熱が高まってくる。

そしてついに、1998年には俗に平成ミクロと言われる『ミクロマン・マグネパワーズ』がアニメ・雑誌等と連動する形で大々的に展開。初めてミクロマンを 見る子供には新鮮に、すでに父親世代になったオールドファンには懐かしさを喚起させる、二世代向けコンセプトを掲げ、アニメ終了後も『LEDパワーズ』等 のオリジナル展開を行い2年間にわたり好評をはくした。
また、同時にハイターゲット向けのファーストシリーズ復刻版が本家タカラから続々とリリースされる。

そして、21世紀を迎え、海外でも70年代にMEGO社で展開されたMICRONAUTSがパリセイズ社から復刻され、アメコミでのニューシリーズが展開される。

2003年には、タカラがハイターゲットを中心とした可動フィギュアMICROMANシリーズを展開。新たなミクロマンワールドは既存アニメキャラクター やムービーキャラクターとのコラボレーションなどの新機軸を打ち出し、2005年現在も展開を継続している。

当サイトでは、現在70年代のファーストシリーズの人形を中心に紹介を行っている。ほんの一部ではあるが、膨大なミクロマンワールドの魅力を感じ取っていただければ幸いである。






(上)1974年2月8・9日 大手町の都立産業会館にて開催された
『第19回ビッグ6社トイ・フェア』のタカラブース、ミクロマンコーナーの様子。
この時が初めてのミクロマンの公開と思われる。
試作品と思しき黒いタワー基地などが見える。





(上)1974年6月25・26日 大手町・都立産業会館にて開催された
『74東京ニュー・トイフェア』と同時開催の『ビッグ6社トイ・フェア』のタカラブースの様子。

写真は玩具商報1974年8月号の同イベントレポートページから。オイルショックの影響で
省エネが叫ばれていた世の中、オモチャ業界にもその波には無関係ではなく、
製品群のサイズが小さいミクロマンは、そこをセールスポイントの一つとしてアピールされている事がわかる。


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