バウムクーヘンレコーズ  渦を巻く徒然なる日々の記述 

『プラハ〜ウィーン珍道中日記03.3.2〜9』はこちら

03.12.3〜4
眠るのです…深く深く眠るのです。

ライブ後、朝まで原稿書き。気がつけば数時間後に学校という時間になっていたため、化粧も落とさずにそのまま気絶し、ハッと起きて着替えて5分で外に出る。家庭内乞食じゃん、これじゃ。がんばって学校に行ったら先生のネリーがガストロンで休んでいた。他の生徒さんものきなみガストロンだの風邪だのにやられている。うーむ、恐怖の病気蔓延都市パリ…。代理の先生に文法を習う。家に戻って顔を洗って私も気絶。夕方ハッ、と起きて別な締め切り原稿に取り掛かる。そのまま10時間ぶっ続けで書く。朝の4時ごろUP。辛い。何か自分の中でいっぱいいっぱいになり、切れる。タバコ吸ってベッドに入る。が、頭の中をいろんなものが動物のように駆け巡り、わあああ〜〜〜〜〜っ!!!となって、今日の予定をすべてキャンセル。学校に欠席の留守電を残し、ステファンにメールを入れてとにかく全部なし。ホントはクレディリヨネに「おえ!2回も申請したカルトブルーどうなっどんじゃ?!」と啖呵切りに行く予定だったが、もうそんなのもどうでもいい。雨戸を閉めて、電話線を抜き、携帯もオフ。きのこご飯と永谷園のゆうげを食べて深く深く眠る。夕方起きる。電話線を繋いでメールを立ち上げたらラパレイユフォトの梶野くんからクリスマスカードのデザインが着てた。留守電にも梶野くんから。夕方やりとりをする。梶野くんは今日、ジャン・フィリップ・トゥーサンとご飯食べたって。いいなあ〜。鏡を見ると、顔が腫れていた。おお、やられているな。いっぱいになるとたまにこうなるの。自分がタフなのかヤワなのかわからない。感じやすいってことは確かかもなー。落ちているわけではなく、漂っているような気持ちの静かな夜。

03.12.2
一個目のバンド。名前は忘れちゃった。

ハイ、トイレでこんにちわ。後ろの絵がかわいいです。

マックメルドTはS・L・XLのスリーサイズ。少数ですがフライングのライブで発売予定!お楽しみに♪
夜、クリニャンクールのはずれにある面白いライブハウスに行く。‘MainsD'oeuvres’という素敵なライブハウスが、クリニャンクールの市場をずんずん越えていくと突如現れる。Bicaの神田ちゃんと行ったのだが、蚤の市が閉まっていて時々怪しい人がうろつきもし、なかなか怖い。蚤の市以外で来たのは初めてだなあ。ライブハウスの中には広い社食みたいなカフェがあって、手作りキッシュとかなかなかおいしい。今日はトリカテルレーベルの‘A.S.DRAGON’を見にきたの。他にも3バンド出るようで楽しみ。しかし今日のライブの趣旨は、レ・アールで1年以上もストをしているマクドナルドを応援しようぜ!というもの。レ・アールのマックは独自のストライキをしていて、めっぽう面白い。店の中で店員がサッカーもしていたりする。だいたいマックがストってのがスゴイでしょう?そして、ストTシャツを売っていた。それがとても可愛く、マックのMの字が‘Merde!’(くそったれ)のMになってるの。ポスターと抗議文がセットになっていて、これは今度の私のライブで売るには最高!と思い、「あのー、20枚ばかし下さい。」と言うと、黒人の組合員のお兄さんが「は?ゴメン。何言ってるのか理解できないよ。」だって。枚数が多すぎて何を言ってるのか混乱したらしい(笑)ゴミ袋にTシャツを詰めてくれて、ポスターなどももらう。そして肝心のライブはとってもよかった。‘A.S.DRAGON’もロックでマンダムでよかったけど、スロヴァキア民謡にラップが乗ったサウンドの‘JAVA’というバンドが最高で、そこのドラマーをやっているアレクシィと友達になった。猿の惑星みたいな容貌がナイスな男の子。やっぱこれからは(いつからだ?)ラップかなあ?♪ぎんこうカードを失くしたヨ、2回も失くしてどうしよー!ちぇけらっちぇけらっちぇけらっ…こんなのしか浮かばん。

03.12.1
今回ソーテルヌを購入したシャトーのマダム。明るくて素敵な人でした。

赤い顔していい気分♪会場前でパチリ。

午後、サロン・デュ・ヴァン(ワイン博)に行く。去年も行ったヴィニョロン・アンデポンドンのワイン博。ヴィニョロン・アンデポンドンとは独立ぶどう生産者という意味で、地方の小さなシャトーが直接自分ところのワインを大手の流通などを通さず売っていて、そうゆうシャトーが一堂に会して開くワイン博。日本に輸入されていないワインが沢山味わえて、作り手本人からこのワインはどんな土でどんな畑で取れたとか、そんな貴重な話も聞けるワイン好きにはたまらないサロン。しかし、体調が万全でないのもあって、今年は長時間飲み歩くのはちょっと無理めだよなあ。しかし沢山買ってもOKなように、カートはちゃんともってきたさ。去年とてもおいしかったシャトーめがけて試飲に行く。が、どうも胃がおかしいと味覚にも変調をきたすようで、味がわからん…。でも少しずつ飲んで行くと慣れてきて、香りなどがわかるようになってきた。フォアグラのコーナーでフォアグラブロックをはさんだサンドウィッチを買い、ソーテルヌという甘い貴腐ワインのあるシャトーばかりを巡る。これは私のワイン博、最大の楽しみ方。ソーテルヌというのはアルコール度数も高くてとても甘いので、1本開けてもなかなか飲みきるのは大変。こうゆう少しずつ試飲できるワイン博で、フォアグラサンドを片手にいろんなソーテルヌばかりを飲み歩くのは大変贅沢なことなのだ。ちなみにフォアグラにはソーテルヌが愛称抜群といわれている。日本にいたときはフォアグラもソーテルヌにもまるきし興味がなかったが、こっちへ来て変わった。だって、どっちもべらぼうに美味いのだもの。今回は夫婦でやっている小さなシャトーのソーテルヌを二本買った。うっひょー。先日、ものすごくいいフォアグラを買ったので、これと合わせたら昇天するだろうなあ…今年のクリスマスのご馳走としましょう。気がつくと結構ベロベロになっていてびっくり。病み上がりだしなあ。千鳥足でメトロに乗り込む。本日の戦利品、ソーテルヌを含む5本。元気になったらゆっくり楽しもう。(このワイン博の模様は次号の‘天然生活’(1月発売)に掲載予定です)

03.11.30
マックルーの新しいアトリエ入り口。この中は巨大なスペース。

久しぶりに再会のポーズ。相変わらずハッピーな人。

ラズーが描いているの図。
朝まで仕事という最高につまんない土曜の夜をすごし、その後ウトウト眠ったんだがすぐに起きてしまう。ゲッ…まだ朝の9時じゃないの。しかーし、映画の取材のことをハッと思い出し、飛び起きてデジカメを抱え出かける。日曜の朝は本当にみんな寝ぼすけなので街は静か。パリのメトロの中でも一番新しくちょっと東京気分を味わえるメトロ14番線にてクール・サンテミリオンへ。ここは新宿の南口みたいなの。古いカーブを改造した新しい店がずらりと並ぶパリの新しいデートスポット。気の利いた雑貨やなどがあって、買い物には便利かなー。日曜もやってるしね。UGCというスクリーンが30もある巨大映画館で朝1番、‘マトリックス3’を豪快に一番前で見る。ぐあ〜飛ぶ〜!飛ばされるぅ〜。などと面白おかしく見る。しかし、最後に心に残るものほぼゼロ。なんででしょうね?すごい映像世界なのは認めるのだが。でもこうゆうすごいCGに人間の心が動かないところがいいよな。そんなに人の心は安易には出来ていない証拠のような気がする。映画館取材、街の取材も終えて、ぶらりアニエスbに入る。久々ー。おっ、結構可愛いものあるなあ。ふと見ると、べべ服が猛烈に可愛く心ときめく。が、今日は文無しなの。残念。家に戻るとラズーから電話。新しくパリ郊外にアトリエを借りて、そこでドイツ人のグラフィティライターとコラボレーションして絵を描いてて面白いから見にきなよ、とのこと。再び出かける。そこは工場の跡地をそのまま丸ごとアトリエとして借りたという巨大なスペースで、久しぶりのポーズやコンゴなどとも再会できた。すっごいなあ。こうして見ると。そして私も壁にでっかい絵を描いてみたくなった。不思議だなよなあ。描いてる人見ると描きたくなるものなのかも。ドイツ人のアーティストは文字をカクカクした書体にしていて、ゲルマンな硬い感じがした。(安直な感想だけど)しかし先ほどから雨が降って猛烈に寒い。2時間ほど見学して今日はおいとま。次回は何かはしっこに描かせてもらおうかなー。ボンブ(スプレー)で描いたことなんかないけど、やってみたいな。巨大な龍の絵と鹿が死ぬほどいる絵が描きたいな。

03.11.29
ピキ、こんな病気じみたあたしたちでもホラ、希望が…に、にゃ〜(だいぶ迷惑)
超つまんない週末。そして、体調がまた悪い。昨日調子こいて茹でたにんじんとか食べちゃったからかもな。今日もビフィズス1本でがんばるかー。おなかが張って眠れなかったので、昼寝する。悪夢三昧。Oが北朝鮮の謎の島に上陸するが、その海はヘドロだらけの海で、高波をかぶると謎の奇病に襲われる。辞めろというのにOはへドロ波をかぶる…そこで現実のOから電話。ヘドロ夢の話を訴えるが、本人は至って平和。当たり前か。ちらかった部屋でくさくさ寝ていても気分が沈むだけなので、お風呂に入って掃除する。いやー、久々に体重計に乗ったら夢の3キロ減。いやった〜!などとぬか喜ぶ。げっそりと頬がこけて気持ち悪い顔のくせに嬉々として今まで履けなかったジーンズなんか履いてみる。うひょひょ。履けちゃうのねーこれが。(←馬鹿)ふらふらと掃除機をかける。ファブリーズもする。掃除したら随分気分も晴れて、メールの返事なぞ書いてみる。しかし今日は人気ないねー私。みんな土曜の夜だからフィーバーしているんだろうな。仏友達にメールを書いてたらすごく時間がかかり、あらためてあれもこれも勉強せねばならない自覚に至る。コンジュゲゾン(動詞活用)のみ毎日2時間やるか…ついに避けられない試練の時が来たようだ。つって前から逃げてただけじゃんよ。食べられないし、飲めないし、踊れないし、眠れないし。人としての全ての快楽を奪われた、そんな土曜日の夜は始まったばかり〜♪by山下達郎。

●業務連絡→LIVEページにて12月5日から「Desmots」〜デ・モ、言葉たちとの夜〜12月28日(日)渋谷・FlyingBooksのHP予約、並びに前売りチケット販売を開始します。要チェック★

03.11.28
こいつがフランスのミルミル。アクティミュル!ダノンが作ってる美味しくて腹に良い健康飲料。私は脂肪Oパーセントを愛飲。
 
朝早く目が覚める。また変な夢を見た。さしこみも治まって熱もない。けど、とにかく食べてないのでフラフラする。学校に電話して休む旨、伝える。こんなところでがんばっても仕方ない。ちゃんと今度こそ治さないと。午前中一杯眠る。午後、様子を見てビフィズス飲料を買いに行く。今回はこれのお蔭様様。薬ではなくビフィズスで助かった感じ。ヨーグルトなど食べられそうなものも買う。しかしつまんない週末となってしまったよ。本当は今日、サロン・デュ・ヴァン(ワイン博)に行こうと張り切ってたのに。去年行って、それは素晴らしかったので楽しみにしていた。沢山買っても平気なように、カートまで買ったのに。まあ、月曜までやってるから週末じっくり治して行くとしよう。幸いに回復も早いみたいだし。夜、ARTE(TVチャンネル)で映画を見ていたら突然France3チャンネルに切り替わった。「エ?」と思い、何度もチャンネルを切り替えるがARTEがFrance3になったまま。どうゆうこと?としばらくほっとくが、ハッとして一度電源を切って入れ直すと元に戻ったよ。なんなんだ?一体。こんなのアリ?日テレがフジテレビのチャンネルに重なってるようなものだよ。ますますフランスの全てがわからない…。チャンネルの混乱か?まあ、何が起きても別にフランスだからなー。しかし、TVも飽きて、かといって飲みに出ることもできず。(酒なんかもってのほか)こんなときはなんだかネガティヴなことばかり考えてしまうね。イカンイカン。読書でも…と日本から持ってきた本はあらかた読んでしまい、残るは多喜二の蟹工船のみ…。蟹工船かあ…。八方塞のパリの週末。

03.11.27
腹痛アンコール。みんなも厄には気をつけろ!
 
ぐわー。腹が痛いです。なんでー?この間、ガストロン(ガストロではなくトロンでした)治ったばっかじゃんよ。イチチチ…。ガストロンの時とは明らかに痛みのタイプが違うの。1時間に5回くらいぎゅうううっというさしこみが来る。学校休みたくない。でもとっても嫌な感じがする。無理やりシャワーを浴びて、薬を飲んで出かける。メトロのあたりで引き返したい状況になるが、こうゆうどうでもいいときに私はいつも無理をしてしまう。一体自分の中の何と戦っているのやら。学校について授業。明らかにどんどこ具合が悪くなる。病気収集機と化した自分。夏から様々な病を集め、戯れてきた。もうヤダ、と思う気持ちすら失せた。家に早々に戻り、寝込む。トイレに何度も行く。何も食べられないし、食欲もゼロ。そういえば、神田ちゃんもなんやらおなかの調子が悪いといっていた。もしかして、私のポトフにあたったんでは…?と心配になり、電話する。ポトフを食べたのは月曜なので、その可能性はないってことになる。よかった。たぶん、これも流行の胃腸炎なんだろうなって話に。日本よりも衛生観念が低いフランスじゃあいろんな菌がウヨウヨしているだろうし、私みたいに弱ってる人は格好の餌食となるんだろなー。夜、ビフィズス飲料を飲む。飲んでるそばからすべてが大自然へと帰る。しかし、ビフィズス菌はいい活躍をしてくれているみたいで、さっきよりも少しさしこみが緩まる。今日はとにかくこれ1本のみ。夜、恐ろしい夢にうなされる。引き続き、長いもの募集!!!(厄除けネ♪)

03.11.26
 
あんまりカワイイので皆さんにもお見せしましょう。この中にべべを…!ピキで実験してみたかったけど、猫毛がつくので辞めました。
 
夕べ、バレエでへとへとになって帰宅後、ばたんきゅうううと寝た。朝、目覚ましにてハッ、と起きると。ゲッ、腹がいたい。また?まさか、昨日のスポーツパンが胃袋を運動させてしまい結果…いでで。マジでー?胃薬飲んでみる。まあ、これならなんとか学校には行けるな。早めに起きたので宿題をやる。イテテ。先日、授業のテキストで新聞のル・モンドの記事をまんま訳すというのがあった。いやー、難しくて大変だった。が、これが結構無理やり上達みたいになって、その後の理解が前より簡単になっているのに気がつく。人間、時々身の丈に合わないチャレンジも必要ですな。授業中、先生のネリーから「フランス人の小学生は仏語と数学しかやらない。」という話を聞き、エー!びっくり。動詞活用だけ2時間ずっとやる授業なんかがあるって。じゃあさあ、ガイジンの私たちが1年でしゃべろうってのがそもそも無理は話なんじゃん。などと憤りを感じつつも‘やるしかないのよ、やるしか’などと呪文のように唱えつつ学校を後に。エチエンヌマルセル通りの赤ちゃん服の店、ボンポワンに行く。ズチヨさんにBebe(べべ。赤ちゃん)が生まれたからね〜。うっひょっひょーお祝いを買いに行くのー。前から気になってたものがある。刺し子のおくるみ。赤ちゃんが中に入ってぬくぬくするやつ。まだあるかなー?と店を見渡すとどれもこれもトオ・ミニヨン…!かわいすぎかわいすぎ!と連呼しながらおくるみ発見。お店の人と、かわいすぎだわよ、これは、などときゃっきゃ言いながら包んでもらう。プレゼント用の袋にシュッと香水を吹きかけて、いい香りにしてくれるところなんかフランスだなあ。袋を抱えて家に戻る。腹痛がまだうっすら残ってる。雨も降り出して外が暗い。後は細々と、家でおとなしく仕事を致しましょう。

03.11.25
パレ・ド・トウキョウのセルフサービスカフェ。大変サンパな店員さんがいて、食べ物が美味しく、いつもかっこいい音楽がかかってます。ヘタなクラブなんか行くよりもずーっと楽しくくつろげます。勉強もまた良し。
 
赤いです。これはヒーターの光なの。髪が伸びちゃったから最近まとめてます。
パリははっきりしない天気が続いてます。夏の最高〜にいい季節から見ればたしかに今の天気、地獄の様相。大袈裟な表現だけども。私も今年の夏がしみじみとパリの夏を体験した初めての年だったけど、アンタ、もうそりゃ最高。(正確に言えば初夏。今年の夏真っ只中は地獄の40度だったから)空気がキラキラして、嫌なこともぜ〜んぶ忘れてしまうような季節。毎日、最低限の仕事したら、後はもうビール飲んで人生楽しもうぜ!イエイ。である。そうさなあ、一番いいのはグレーブ(スト)もあらかた終わったバカンス直前の7月前半2週間かと思います。7月14日の革命記念日以降は店とか閉まっちゃって不便だしね。さあ、来年なんとか人生をサボろうと考えているアナタ!7月頭2週間休みを取りなさい。そしてパリに来るのじゃ〜〜。夏のパリを知らずに死ぬのは、キムラヤの酒種桜あんぱんを食わずして死ぬるのと同じくらいもったいないです。(たいしたことないんじゃ…)授業後、テクテク歩いてルーヴル・リヴォリまで行く。ルーヴル美術館のあるリヴォリ通りをまっすぐに。途中、モンブランで有名な‘アンジェリーナ’がある。昔食べたけど、甘すぎてもういいやって感じだったなあ。レ・アール近くのパン屋、ジュリアンに寄ってチーズホットサンドとスポーツパンなるものを買う。ここは1995年にパリのパン屋さん第一位に輝いたところ。いつも、レジ横にある‘スポーツパン’と書かれた謎のパンが気になってたの。頭脳パンみたいなものかな?(頭脳パンとは小麦粉100g中ビタミンB1を170ガンマー以上含有した頭脳粉で作られたパンです。・小麦ビタミンB1があたまをよくするとは「頭のよくなる本」の著者、慶大教授の林髞(たかし)博士の学説です。)と、店内を見回すと柔道教室のポスターが。おお、わかったぞ。オーナーが柔道好きで、そいでもって青少年のためにスポーツで必要なビタミンなどを豊富に含んだ安くて美味しいパンを作ったのだな…(猫沢勝手な学説)。ひとつ食べてみるとしよう。ふむ。チーズホットサンドを焼いてもらっている間に店の中でスポーツパンをかじってみる。おお、これは!スポーツ味。美味くない。というか普通。ナッツとかドライフルーツが入っていて、なんとも素朴な味。風邪を引いたときに「ママ〜、スポーツパンが食べたいよう。」と所望する子供はまずいない感じ。スポーツな気分になったところで、イエナにあるパレ・ド・トウキョウに向かう。ここのセルフサービスカフェで、バレエのレッスンが始まるまで宿題をすることにしよう。セルフなのに、うさぎの煮込みとかあるよ。さすがパリ。こうゆうところが大好き。しかし、スポーツパンでおなかが一杯で涙を飲む。スポーツパンのくせにおなかが一杯で眠くなる。こんちきしょう〜、快活な気分にならないじゃないか。仕方ないので、コーヒーをあおって眠気と戦いつつ宿題。しえー、疲れた。もう帰りたい。けどバレエを休んじゃいけないヨ。なんでもね、一度始めたら続けるんですよ。バレエはすこぶる楽しく、これもスポーツパンのお蔭かもと最後は少々感謝。*ちなみにジュリアンがよくわかるHPはコチラ(なんか無駄に大きい字が作り手の愛らしさを感じるHPです。)

03.11.24
先日紹介したソフィ・カルの展覧会がポンピドゥーセンターで!ひゃっほ〜う
 
神田ちゃんがくれたギリシャスリッパ。でっかいボンボンがついてて、すこぶるカワイイ代物です。神田ちゃん、アリガトウ!!!
 
月曜日。学校へ行く。ここのところ、仏人と長時間話すことが多かったせいだか、授業の聞き取りが結構出来てきている気がする。怠けずがんばろう。夜、ギリシャ帰りの神田ちゃんと共に鍋いっぱいのポトフを食べる。美味しいバゲットとケーキを買ってきてくれたので、大変有意義な美味しい時間となる。ギリシャの話、そしてお土産にカワイイ〜スリッパをもらった。民族調のものが大好きな神田ちゃんのセレクトはさすが。最近見たいろんなものの中でダントツにカワイイ。私も、カンタベリー大聖堂のクリスマスオーナメントをお土産で渡す。やっぱり旅はいいよなあ。旅はせねばな。私が次に行きたいところはアラスカだな。さっむいところにモコモコで行きたいな。オーロラ見て寒い寒いを連呼したい。そうそう、週末にバルカンイベントがシテ・ドゥラ・ミュージックというところであるの。バルカン。バルカン半島のことやね。ルーマニアとかクロアチアとかあの辺り。私はバルカンミュージックが大好きなので、ぜひ行ってみたいんだけど、これはいいのかどうか結構賭け。うーむ…誰かを誘って「なんじゃこりゃ?」だったら申し訳ないから1人で行ってみようかな?ボスニアヘルツェゴビナ〜〜〜〜!

03.11.23
ビデオ持ってるのに、オリベッティの番組をデジカメで撮っているアホな私。どう?!おしゃれでしょ

久しぶりの大熟睡。気がついたら午後3時。いっぺんも起きなかったよ。そういえば、夕べ面白い番組やってたな。朝の3時ごろかな?ARTE(アールテ)というTVチャンネルがあるんだけども、結構いいドキュメンタリーとかシネマとかやるので好きなの。そこで、広告のデザインの番組をやっていた。60年代から現在までの流れを追って。先週はたしか、オリベッティの特集だった。オリベッティといえばナイスなデザインのタイプライターで有名だよね。その広告宣伝の特集番組。いやもう、おしゃれでおしゃれでマイッタ。ビデオを折角買ったのだから、こうゆう番組を録画しなくては意味がない。(空テープを買ってきなさい!)もそもそ起きて、溜まったメールの返事を書いてるだけでもう夜になってしまったよ。そうそう、12月にライブを1本やることになった。万歳!本当は今回やらないつもりだったんだけど、パリでフライングブックスの山路さんと知り合えたという縁もあって、何か面白そうな気がしたので。(詳細・予約は→LIVEへ)がんばろうー。夜、窓を開けてお掃除してたら、U2(犬)の散歩中のマノンが窓からこんばんわ。マノン、会うたび大人になるなあー。最近、ちょっと嬉しいことがあった。それは、私の寝室にあるでっかいキャビネットをパトリスが解体して運び出してくれることになった。すると部屋がひろ〜くなって、くつろぎスペースを作ることができるの。ひやっほう!!(←死語だろ)念願のソファを買って置くことにしようっと。映画もゆっくり見れるし、ごろごろ昼寝もできるかな。明日は月曜日。いろいろがんばらねば。

03.11.22
朝からご苦労さん!たかぴん(実年齢25歳、精神年齢45歳)そして私(実年齢…精神年齢3歳)
 
私の愛する女の1人、デザイナーのズチヨ嬢。本当に赤ちゃん誕生おめでとう!!!(涙)
 
朝11時にたかぴんが家に来る。今日はマルシェで買い物する風景の撮影のお手伝いを頼んだの。原稿を書くための取材用写真を取りにゆく。でも1人じゃ撮れない部分をお願いした。彼女は、ファッション系のライター歴があるので、こうゆうことの手順をよく知っていて助かる。マルシェで買ったもので料理をして、その過程も撮影。全部ひと段落して、ワインでまったりする。何枚もCDを聴く。ご飯を食べてまたワイン飲んで…。ああ、パリは嫌いだと思う時もあるけど、週末だけは大好きヨ。美味しいご飯とワインとゆっくり流れる時間が何にも替え難い。夜まで本当にまったーりとすごして、その後「映画でも見に行くか!」とクール・サンテミリオンへ。パリのこうゆうところも大好き。ドア・トゥ・ドアというんですか?街がちっちゃいので、思い立って急にどこまで…というのがすごく気楽にできる。格好もさほどきにしなくていいし。20分ほどで到着。先日フレデリックと見た‘Elephant’をもう一度見る。もう一回見たかったし、たかぴんはまだ見てなかったから。2度目もよかった。ただ、場面展開が読めてしまう2回目は必ず監督の目になっちゃうって言うか、「ああ、ここの場面、編集大変だったろうな。」とか、「起草するときは撮影現場を見つけてから絵コンテ描くのかな?じゃないと、時間軸のずれが…」云々とにかく作り手側に気が回ってしまうのだ。それでもすごい作品です。映画後、たかぴんと別れて家に戻る。ズチヨさんに女の赤ちゃんが生まれたってー!嬉しい。本当に新しい命が生まれるのって素晴らしくって涙が出る。母子ともに健康とも。月曜からカワイイべべ服の物色だ!オー!

03.11.21
カワイイっす、兄貴!!なんかなああ〜もっとこうゆうのもらえるように女の子らしくしようっと…。
 
14.Avril生まれの俺たちこれからもシクヨロ!(ちなみにピキ之助も14.Avril生まれ)
 
夕べ久々に飲んじゃったら、久々に顔がむくんだ朝を迎えた。頭がぼーっとして授業でもすこぶるキレがない。もう、しばらく平日は飲むのがまんしようかな?(できるかな?)授業後、へろへろと家に戻る。パティシエのクボタユキちゃんから朝電話をもらってたので、電話する。久々にいろいろと話す。ここのところ本当に疲れてたから、ユキちゃんとのおしゃべりはすごく憩いになった。しかし、ユキちゃんは私の困ってるときに必ずいいタイミングで電話やメールをくれる。やっぱりウチのママと同じ誕生日だからわかるんだろうか?そりゃないか。もう一人、日本の仲良しズチヨさんから「陣痛が始まって腹がイタイ」というリアルタイムメールがきて狂喜乱舞。妊婦自ら陣痛報告…。さすがど根性ズチヨ。がんばって元気な赤ちゃん産んでー!夕方、こっちも久々、グラフィティライターのラズーが家に遊びに来た。ここんところ連絡が取れなくて「もしやまた病気でも…」と心配してたら、携帯失くしてみんなの番号がわからなくなり大変だったーとのこと。お土産にいろんなケーキをそのままちっちゃくしたプチガトーを沢山買ってきてくれた。ワオ!私、彼氏にもこんなカワイイ物もらったことない。(猫沢は酒。と皆が思っているのもある…)乙女心、久々にときめく。ラズーは「さっき、クライアントと打ち合わせだったから今日は作品ファイル持ってるんだよ。」と見せてくれた。ウワオ!画力に唖然。この人、基本的な絵の上手さが半端じゃない。雑誌、広告、かなり大手のところの絵を描いている。もしかしたら何気に見ていて気がつかなかったけどラズーの絵でした、なんてのが沢山あるに違いない。今まで壁とキャンバスの作品しか見たことがなかったからこれは新しい角度のラズーだった。凄い。私はこんなの逆立ちしても描けないなあ。それから「日本の雑誌に載ったよ。」と‘WOOFIN’(ウーフィン)という日本のHipHop月刊誌を持ってきて見せてくれた。私、こうゆう雑誌初めて見たかも。ほー、日本のHipHopカルチャーってこうなってるのか。パリにきてからHipHopがらみの友人が初めてできた。彼らはみんなジェントル、それぞれがいろんな分野のことを広く知っていて、ファッションも型どおりではない。私が日本に居たときのHipHopのイメージはすこぶる悪かった。(素敵な人もいたのだろうけど、接触する機会もなかった)てな話をすると、「それは、表層的部分しかみんなわかってないからだよね。たとえば、ファッションはこんなの。仕草はこんなの(ヨーメーン!)。それだけを踏襲してたら、ほとんどといっていいほど意味はないよね。」兄貴、同感っす…。それと今日は、ひとつ驚きがあった。たまたま年齢の話になって互いのパスポート見せてたら「…アッ!!誕生日が一緒…」4月14日生まれ。そして「何時に生まれた?」などと焦って聴きあったところ、なんと2時間誤差。まあ、ラズーがいっこ上なんで同じでも一緒に生まれたってわけではないんだけど。しかしどうも考えてることが本当によく似てて、気が合うなあと思ったよ。来年の誕生会は二人合同企画決定。その後、隣のチュニジアンカフェにてクスクスを食べに行く。タイタニック号が沈んだ日に生まれたもの同士、末永くよろしく!パリの生き別れの双子の兄よ。

●‘WOOFIN’(ウーフィン)HipHop月刊誌(10月1日発売号)の‘HOTSNAP’というページで、PARISのファッションを紹介していて、そこにMac-crewのメンバーが登場してます。

03.11.20
おかげさまで元気になりました!いや〜、病気をするとみんな心配してくれて(涙)。気合入れて健康体に近づきます!
 
学校毎日、なかなか大変。学校に行ってる時間はたいしたことないんだけど、予習復習を仕事の合間合間にやり、その上ちょっと外に出る時間を…なんてやってると、本当に寝る時間がない。寝不足はまた倒れる原因になるので避けたいところ。うー。授業後、ミュージシャンの友達、ステファンとカフェで映画だのの話で大いに盛り上がる。ステっちょ、アンタいい人。ステファンと友人たかぴんの3人でサンジェルマン・デ・プレにある‘円’というお蕎麦屋さんへ行く。ここはもう、ファッション業界だの芸能界だののセレブ御用達店となっているみたい。昔できたばっかりのころに一度行ったことがあるんだけどね。今日は純粋に久々に和食を〜てのと、日本酒がまったり飲みたかったから。久々にお店で飲んだ日本酒と手打ち蕎麦が、体の中で‘おめえ、日本人だってこと忘れるなよ’と言ってるね。ああ、そうそう今日久々にお酒飲んだなあ。ちょっとした快気祝いになりました。

03.11.19
灯台下暗し!ごく近所にこんなにかわいいアパルトマンが。隣の手芸屋さんもかわいいことが判明。いやー、幸せはごく近くにあるものなのネ。
 
銀行カードを10月末にまた失くした。1度目の時に2週間もほったらかしにしてたのに奇跡的に使われずに済んだが、あの時の冷や汗はもう二度と掻きたくないキモチなので、すぐさま申請しに行ったのだった。行員さんが2名も付いてくれて、その場でPCに打ち込んで申請したはずだったのに…。マダムは笑顔で「8日間で出来ます。」と言ったのに、通知がこない。私ももっと早く「どうなってるの?」と言いに行けばよかったんだけど、なんかもう、最近全てがフランスペース。「まあ、カードがなくてもシェック(小切手)がありゃあいいか。」なんて具合で結局ほっといたの。ハッ?!と気がついたのは、カードの申請を忘れているのは結構だが(本当はよくない)、失くしたカードの使用ストップ申請も忘れられていたとしたら…前よりも熱い冷や汗が流れ出る。午後、ダッシュで銀行へ行く。そしたら案の定、PCに申請がされていないという。何で?プルクワ?あんたら銀行だよね?銀行ってお堅いところなんだよね?ね?担当のおねえさんも「なんでこんなことになったのかわかりません。」だって。だよねー。だって、おねえさんは銀行の人だけど、おねえさんが担当したんじゃないもんね。個人主義なんだよね…幸いに、使用ストップ申請だけはされていた。メルスィ神様。申請をやり直し、何度も確認して銀行を後にする。フランスでは銀行はただの会社です。日本のように、何かこう硬く頑丈で確かな働きをしてくれるものと思ってはダメー。だいたい、フランステレコムの請求書だって、気をつけないと請求額間違えなんかしょっちゅうだしなー。もう、大概慣れたけど。慣れたってのがまた哀しいけど。でも、今日はスーパーでも文房具店でも優しくされた日だったからまあいいや。(いいのか?そんなんで)

03.11.18
やっぱりマルタンも「いらない」と根を上げたソファ…。TVと一緒に天国のぺぺの元へ…(ぺぺはひいおじいちゃんで、私の前の住人。TVとソファはぺぺの愛用品だった。)
 
最近、メトロに乗るとかならずと言っていいほど隣に気の狂った人が座る。気をつけて立ってれば立ってたで、その隣に立ったおじさんが狂っていたりする。今朝は行きが黒人の乞食さんで気狂いさん。ずーっと笑ってた。何ヶ月前のエビアンなのか大事そうに持っていた。帰りはどう見てもサラリーマン風のおじさん。こちらはずーっとしゃべってた1人で。でもよく見ると、革鞄のはじっこが破れていたりして、尋常でない雰囲気をかもし出している。リストラされておかしくなったのか?これで普通に会社の部長とかだったらスゴイなあ。気ぃさんに囲まれて止まる駅駅にも新たな気ぃさんが雄たけびをあげている。ウオーウオー言って。ノイローゼ大国フランス。個人主義の行き着くところは弱者に厳しい社会なのか?観光でない視線で見れば、パリは切ない街だ。みなぎりぎりで、みなどこか狂う寸前、あるいは狂ってる。お金持ちは強く、貧乏人は弱い。バレエの帰りにメトロで日本人カップルを見かけた。こちらだったら結婚式にでも出るかのように着飾って、いい匂いで幸せそう。そこだけが異次元の空間みたいに。日本が遠くにきらきらして見える。蜃気楼のようなわが祖国、ジパング。

03.11.17
ママにぎゅううとやられたの…やられたの…
 
うーむ。病気になって家に引きこもると外に出るのがやたら面倒に思う。でも行かねば。行かねばならないところがある方が人間精神的には非常によろしいと思う。それが会社でも学校でも。自由業をしていると、全ての時間が仕事のような遊びのような、ことになる。これを1人でコントロールするのは本当に大変。会社に通う人から見たら「いいなあ」と思うかもしれないが、辞めたほうがいい。そのくらいしんどいもん。向き不向きもあるけどね。というわけで、学校復帰。う〜。授業内容はそんなに大変じゃないのに、胃が痛む。まったく勉強ぎらいな体だなあ。馬鹿正直で笑えるよ。家にまっすぐ戻る。今日は出かける予定があったけど、辞めておとなしくしよう。ご飯を食べたらやっぱりまた少し痛い。ほんと、しつこい胃炎でやんなるな。夕方薬を飲んで少し寝る。ピキがキッチンの汚い水を何回叱っても飲むので「ピキ〜〜〜」と岸田今日子のような声を出しながら背中をぎゅううと引っ張ったら、キャンキャン言って逃げていった。いじけたピキのデコと自分のデコを合わせて「南無阿弥陀仏」と仲直りしていたら外は雨が降り始めた。夕飯は冒険して野菜のピザ2切れ。なかなかできなかった今月の収支計算やっと夜中に終わる。ファイルを日本に送ってホッと一安心。

03.11.16

 
‘Douleur exquise
 
今日は腹休日。または腹日曜日。出かけるのはやめて、とにかく家でごろごろ。腹をなんとかしないと社会に復帰できない。社会に復帰できないと、ご飯が食べれなくなり、その辺にいるシェパードを連れた半乞食のようになり、しょうがないので街角で歌っていたらマライア・キャリーの育ての親が(誰?)「む?!あの子は光ってる…!!」とアメリカに連れてかれて大金もちのビバヒル生活…いいじゃん。このままごろごろしていよう。昨日のパリフォトでソフィ・カルの‘Douleurexquise'を買った。日本でも何冊か彼女の作品集を買ったけれど、なぜか英語版ばかり。たぶん彼女が作品作りをする上での意図を一番読み取れるであろう仏語版はなかなか手に入らなかった。たぶん、英語の方が読める人が多いということなのかもしれない。‘Douleurexquise'は直訳すると‘心地よい苦しみ’だが、この2つの単語で医学用語の‘限局性激痛’となる。限局性とはとても狭い限られた部位という意味。ダブルミーニングという取り方でも面白い題名だと思う。日本では1999年に東京の原美術館で‘限局性激痛’のタイトルで個展が行われているので、聞いたことがある人も多いかもしれない。
(詳細は→http://www.asahi-net.or.jp/
~WF9R-TNGC/genkyoku.html http://www.dnp.co.jp/museum/nmp
/artscape/topics/9912/kato/kato.html)彼女のやっている行為はすごく簡単に言うと‘プロのストーカー’であり、執念と妄想を現実に放り投げる投擲者である。人によっては嫌悪感しか感じないだろうし、実際に彼女は何度かうったえられもしている。そんなどろどろに‘女’なアーティストをなぜ好くのかと言えば、彼女は限りなく自己陶酔しきった果てに、自分を切り離しているからだと思う。怨念を持ち、愛する人を追いかける。追いかけて追いかけてそれを記述して行く段階では彼女はすでに誰でもなく、アートの世界に浮遊する1つの塊でしかない。その解脱感というのかなあ。情念に身もだえするだけしきった果ての真っ白な無機質さをカッコいいと思わずにはいられない。人間は情念の生き物だ。勝手に人を愛し、勝手に恋焦がれ、勝手に振られた、遊ばれたと思い込み、時には勝手に死んだりもする。本当にどうしようもない勝手な生き物で、手がつけられない。それをここまでまっこうからやり遂げてしまって、その後、まったく見事な乾いた記録へと変えられる人がどこにいるだろう。彼女の作品を見ての感想は本当に千差万別だろうけど、私はそう感じる。もう、作品となったページの中の‘行為’は乾いていて、うすら哀しく滑稽だ。焼いた後の人の骨に似ている。私たちは彼女の焼いた誰かの骨を拾うためにページをめくる。美しい装丁も、まるで死者のためにあつらえたシックな棺おけのようだ。カッコいい…。情を潜り抜けずにとりすました作品なんか面白くもなんともない。人間も、アートもなんでも一度、自分の業にどっぷりつかってそこからどうするかを見据えたものでないと、底光りしていない気がする。ぺらぺらですぐに剥げる安いメッキのように思える。というわけで、ソフィ・カルの‘Douleurexquise'を仏語で少しずつ読み進んでみたいと思う。たぶん、また感じることがあるだろうな。

03.11.15
パリフォトは内外の写真愛好家、買い付けのプロなどがひしめいています。写真好きの方はぜひ一度!
 
ヘアジェル薬が大変良く効いている。さすがジャルダン先生ッ!!キャッ、カッコいいっ。いつもズバリな薬をくれるわ。しかしヘアジェル…どう見ても。この形状にしたってことは、きっと最も早く浸透するのがこのドロドロジェルなんだろうなあ。まさか、伊達や酔狂で開発者が「この薬はヘアジェルかな?とアッと驚かせて飲ませよう。」なんてことはないだろな?フランス人だからあり得るところが怖い…。朝、早く目が覚めてジェル薬とカプセル薬をすきっ腹に飲む。日本の胃腸薬も食間に服用するのが一番効くのと同じでフランスの胃薬もいろんな時間に飲んでみたけど、すきっ腹が一番効く。ミナちゃんにも言われたが、フランスには‘ガストロ’と呼ばれるウィルス性の腹痛があるらしい。こええ。たぶん私もこれじゃないかと。痛みが今まで経験したのと違ってたし。日本の胃腸薬がまったく効かなかったのも説明がつくなあ。やっぱり郷に入りては郷に従えですね。朝早く起きてしまったので、CD棚の整頓をする。にんじんを茹でて離乳食のようなものを作って食べる。うむ、痛くならないな。違和感はあるけども。早く起きすぎて一眠りする。半目を開けて寝ていたらしく、部屋の様子と夢が混じって奇怪なことになる。クロゼットにかかっているバスローブがそのまま夢に出てきて、バスローブを着た黒人さんが後ろ向きでずーっとラップをしているというもの。いくら声をかけても振り向かないの。たぶん、寝言で「あのー、あのー」とか言ってたんだろうな。午後、動けそうなので、前から行こうと思っていたパリフォトに行く。パリフォトは世界中の名だたる写真ギャラリーが集まって開く写真博覧会。先日のサロン・デュ・ショコラと同じルーブル美術館の地下の会場でやっている。しかし、ここ数日まともなものを食べてないので、体力がなく、すぐに疲れる。写真を見たり、感性を刺激されるのにも体力がいるものだなあ。今年は去年よりもアッ!と感じる作品が少なかった。いい作品は遠くからでもチラッとでも目に入ればわかる。そして近づいてみると、売却のシールが5枚も貼ってあったりするのだ。写真も絵も難しいことはない。いいものは多くの人が感じるように出来ている、それだけだと思う。しかし酒も食事もできない週末…。寂しいわー。夜、1人おとなしくにんじんを食べる。が、また痛くなっちゃった。やっぱりまだ無理できないのかもー。いででででーとのた打ち回っているとピキがにゃ〜と勘違いして腕の中に滑り込んできて死ぬほどカワイイ。けど死ぬほど痛いんだよ!ママは。TVで死ぬほど辛いインドの子供たちの虐待映画がやっていて、いでででと叫びつつ、ひどい!とも叫ぶ。これじゃ昨日の蟹工船の二の舞じゃんか!!が、「こんな地獄よりも辛い現実と戦う子供たちもいるのだな!」と励まされ、気がつけば痛みの山を越えていた。実話で、じゅうたん工場で働かせられている子供の話なの。そういえば何年か前に問題になってたような記憶が。本当に世の中にはいくらでも地獄の上の生き地獄がある。自分の幸せに感謝しつつも、無力な自分の手のひらをじっと見る静かな土曜の静かな夜。