終了

(2/17追記)

(2/7:1回目)
まず初回見て思ったのは日常に潜む恐怖をテーマにしたドラマ「世にも奇妙な物語」に似てる、ということ。

「標的」となった3組の家族を描く、とあるが、奇妙な世界への扉は意外に身近にある(しかもキノシタ家に至っては善意が仇になる)。

リアルなイジメが次第にエスカレートして非現実的になり、スズキ家を群衆が取り囲むシーンはもろに「奇妙…」っぽい。きっと外にはワイドショーのリポーターも立っているだろう。

ラストシーンも、あれだけ不気味に盛り上げておいて「不発」というひっくり返し方。しかしそれでは終わらないという余韻。

現在のキノシタ家がビデオの中に5年前のスズキ家を見ている、という時間軸を揺らす展開のため、キノシタ家も何かのビデオに収まっても不思議に感じない。

ラストシーンの直前にビデオを止めたタモリ: いかがでしたか?次の標的はあなたかもしれません
(ガシャン!!)
タモリ: (カメラを向いてニヤリ)

なんてエピローグをつけたらピッタリ。


(2/9:2回目)
この作品では、「合格」「肩の荷がおりた」というキーになる台詞を使って、標的が移動していくのを表している。観客も最初は台詞の意味が分からないが、そのキーワードを何度も聞くことで、冒頭に遡って理解できる仕掛けになっている。1回目はそんなに早くからキーワードが出てきたことに気付かなかった。

配役の妙。
冒頭シーンで、ノグチ家をストレス解消の道具にしたと証言する男女を演じるのはそのままノグチ夫妻だし、坂井香奈美演じるスズキ娘をイジメる同級生はノグチ母娘。さらにノグチ父はスズキ父を陥れる友人であり、スズキ兄に標的を感染させた松葉杖の男でもある。人物の相関に配役を重ねてみると面白い。

ラストシーン直前のスズキ家が襲われる演出では、客席天井の蛍光灯が点滅する。黒ずんだ蛍光管の両側が橙色に光り、パッチンと音を立てて管の中心部が点滅する、かつてはよく目にした古い蛍光灯。でも今時の蛍光灯はスイッチ入れれば即点灯するし、古くなっても点滅しない。よく見つけてきたものだ。

社会性昆虫という言葉は聞いたことはあった。でも人類との相似や、集団のストレスを解消するためだけの存在・行動はホントなのかな? とりあえずステッペン博士は実在しないようだ。
2010/02/09 20:34
東京都 新宿区
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