ミナモザ#10
エモーショナルレイバー
木村キリコ出演

長いことミナモザに客演していた木村キリコが正式加入して2本目(だったかな?)の公演で、加入後は初見。
ストーリー上は主役ではないものの、手紙の朗読シーンから始まり最後は出演者を代表して挨拶するなど扱いは大きかった。

エモーショナルレイバーとは
「肉体労働、頭脳労働に続く第三の労働である“感情労働”」
のことで(ちなみに労働の綴りはlavorではなくlabor)、
「究極の感情“労働”をおこなう集団『振り込め詐欺グループ』に焦点をあて、彼らの“働く”青春を観察」
とのこと。

詐欺グループのリーダーから、弁護士なり損ない、新入り、出し子、居候と役柄がはっきり別れていて、舞台が全て一つの部屋の中だけで構成されるにしては多い登場人物ながら、混乱することもなくしっかり描いてあった。例えば詐欺反対という押し付けがましいところも全くなく。

印象に残った台詞は2つ

「月収15万とか20万なんてコジキだろうが」
昨年の詐欺の被害額は200億以上、今年上半期は減ったとはいえ50億。こういう感覚でないとできない"商売"なのかも。

「みんな意外と馬鹿なの。え?こんなんで?で振り込んじゃうの」
詐欺対策が強化されて、銀行員や警察官の制止を振り切って振り込む報道も相次いだ。詐欺グループも本当にそう思っているに違いない。

以前から個人的に詐欺に関してはあっち側とこっち側から思うところがあり、大変参考になった。
2009/08/08 21:54
東京都 新宿区
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