Hokkaido Nikkan Sports

メインメニュー
スポーツ
ファイターズ
コンサドーレ
タウンガイド
ライフ
レジャー
趣味・娯楽
グルメ
ショッピング
イベント
テレビ・ラジオ
芸能
プレゼント
クイズ
特集
WEB連載
スペシャル
北海道日刊スポーツから
ぽたりとうるる


天気予報
 ハイキングなび
 サーフィンなび
 つりなび

キーワードサーチ



詳細条件入力

北海道日刊スポーツの紙面から


■「逆境ナイン」島本和彦氏が北の高校球児にエール

 「昨夏に続き熱い夢を見せてくれ!」。全国公開中の映画「逆境ナイン」の原作者・島本和彦氏(44=札幌市在住)が、甲子園を目指す北の球児たちに熱血メッセージをくれた。第87回全国高校野球選手権は今日16日、旭川スタルヒン球場で開幕する北北海道大会で熱戦の火ぶたを切る。昨夏は駒大苫小牧の優勝に感激したという島本氏。今年も雪国という逆境をはね返せとエールを送った。

 島本氏は自身の原作「逆境ナイン」と、甲子園への最後の戦いに挑む球児をだぶらせた。同作は数々の逆境をはねのけ、甲子園優勝を果たす高校球児の笑いと感動の物語。「でも逆境は苦しむだけはない。それを楽しむことで、乗り越えることもできる」。作品に込められた思いは、そのまま球児へのメッセージになっている。

 同作は「月刊少年キャプテン」(徳間書店)に89年から91年まで連載された。島本氏にとっては作品がまったく当たらない不遇の時期でもあった。「自分にとっても逆境の中で書き、一番思い入れが深い作品。だから、みんな逆境に負けず頑張ってほしい」。甲子園への道は苦難の連続。漫画家として成功した島本氏は、絶対にあきらめない気持ちが大事だという。

 「自分が高校生の時は全然思わなかったんですが、(試合の結果は)心の持ちようが実に大きいと思う。実力を超えるものが絶対にありますよね」と熱っぽく語る。5年ほど前、あるファンからメールが届いた。不登校の生徒で成績的にも高校進学が絶望だった中学3年生が、冬休みに「逆境ナイン」を読んで発奮、その中学で一番の高校に入れたというものだった。

 逆境といえば、北海道の高校野球も雪でグラウンドが半年間使えないというハンディを持つ。北海道のチームは甲子園制覇など無理という、あきらめが多くの人にあった。だが昨夏、駒大苫小牧がついにそれを乗り越えた。自宅テレビで応援していたという島本氏も「感動した。北海道のチームが…。あり得ないと思っていたから」という。

 「逆境ナイン」の生みの親は「そういうコケの生えた既成概念をぶち壊してほしい。もう一度、夢を見させてほしい」と南・北北海道大会に出る32チームに強く呼びかける。映画の主人公「不屈闘志」は誰でもない、グラウンドに立つ北海道の球児たち自身なのだから。

◆島本和彦

 1961年(昭36)4月26日、北海道池田町生まれ。小学1年から札幌市。札幌清田高時代は陸上部、演劇部に所属。生徒会長も務めた。82年、大阪芸術大在籍中に「必殺の転校生」(週刊少年サンデー)でデビュー。代表作に「炎の転校生」「逆境ナイン」「燃えよペン」など。同人誌活動も行い、STVラジオの「島本和彦のマンガチックに行こう!!」ではパーソナリティーもこなす。

◆映画「逆境ナイン」あらすじ

 主人公は高校野球部主将の不屈闘志。彼の通う全力学園は「全力でないものは死すべし」が校訓。校長から廃部を命ぜられた弱体野球部を守るため、不屈は甲子園出場を校長に約束した。だが行く先には数々の逆境が待ち受ける。野球を知らない監督、赤点、追試、豪雨に雷、恋か野球か究極の選択、逆転不可能な9回裏112点差…。物語の荒唐無稽(むけい)さを笑いながら、逆境に立ち向かう不屈の姿にホロリとくる青春ストーリー。






戻る