1998.3.29 作成
1998.4.6 更新

スカルマンのひみつ


島本版スカルマン

コミックアルファにて連載

コミックス第3巻 発売中

連載時からのコミックス版での修正はこちら



石ノ森版スカルマン

『少年マガジン』新年100頁読み切り企画の第3弾として、1970年3月に発表された。翌71年から始まる「仮面ライダー」の原点となった作品とされている。

単行本は、

の三つに加えて、メディコム・トイで制作されたフィギュアの初回生産分の特典として添付されたコミックブックがある。


石ノ森版スカルマンの
あらすじ

・テレビの人気女優が殺害される
・貨物列車が転覆
・代議士秘書、乗用車ごと崖から落ち死亡
・三形KK電子研火災
一見バラバラに見えるこれらの事件は全てスカルマンの仕業だった。骸骨男、死の国からのおそるべき使者、異常な殺人鬼――

立木興信所の一員になることになった神楽達男は、今まで報道管制によって隠されてきたスカルマンの存在を知る。立木興信所の所長は言う。スカルマンの両親の異常な力のこと。その両親の力を受け継いだ彼が怪物の力を発揮しないうちに抹殺すべく、15年前からその子供を探しつづけてきたこと。2、3年前から彼が「スカルマン」を名乗って活動を開始したこと。そして、スカルマンが我々立木興信所の存在を恐れ、あせりはじめていることを。

一方、スカルマンはガロとともに銀行家の道楽息子を殺害し、悪徳代議士の乗った飛行機を墜落させていた。ガロはスカルマンの従者で、オオカミ、コウモリ、ワニに変化することのできる謎の生物だ。

これらの事件は神楽達男の不在中に起きていた事から、所長は神楽達男こそスカルマンであると確信する。達男も育ての両親に別れを告げ、秘密のアジトに捜査員をおびき寄せる。スカルマンの目的、それは彼の両親を殺し、自分までも殺そうとしている人物の名を、日本中のあらゆる企業・・・財界や政界までも牛耳っている大物の名と居場所をつきとめる事だったのだ。催眠術を使い、所長からその名を聞いた達男はガロを連れ、千里邸へ向かった。

千里邸では千里虎月が孫娘の麻耶とともに待っていた。達男は、虎月への恨みをはらすべく、彼につながりのあるすべての者を血祭りにあげてきたのだった。千里が黒幕として影から支配している政党、銀行、宗教団体、TV局、新聞、警察、鉄道…。彼は言う。人々の精神を腐らせているTV、大量殺人をするための戦車用武器弾薬を作る会社、それを運ぶ貨物列車!こんな仕事に手を染める連中を殺すことがなぜ悪い!?

摩耶に銃を向ける達男。摩耶が心の中で叫ぶ。

「まって!! おじいさまを撃たないで! おにいちゃん!!」

麻耶は達男の妹、虎月は達男の祖父だったのだった!虎月は告白する (以下は原文まま)

…しかたがない では 話してやろう …達生――おまえの父…わしのひとりむすこでもあったおまえの父は 異常な天才だった…そう それはもう天才などという ありきたりのよびかたができないような超天才…ミュータント 新人類とでも呼びたくなるような…とにかく ふつうの人間とは二けたも三けたも度はづれた体力と頭脳をもって生まれてきた子供だった しかも どこからか連れてきて結婚したおまえの母もまた…似たような女で…やがて おまえが生まれた…

そして かれらのやっている研究や実験…それはもう 人間を何度でもほろぼしてしまえそうな身も毛をよだつようなものだった! わしは …おそれた この怪物たち…新人類たちには この世界は早すぎた このまま ほうっておけば 人間たちは…そこで この麻耶…おまえの妹が生まれたとき わしは決心し…ふたりを殺した!

…じゃが おまえはそこの…ふたりが作った変身自在の人造生物に連れられて逃げられてしまい…

自分の出生の秘密を知り、愕然とする達男。虎月に促されるままガロとともに千里邸に入った達男。突如あらわれた壁に閉じ込められる一同、そして壁からは炎が。

達男!・・・死のう

みんなで・・・・!!

ワシらは
生まれてくる時代を
間違えたのじゃ!!

自らの命とともにすべての精算を図る虎月。絶叫とともに炎に包まれる達男。



講談社 P-KC シリーズのNo.2として1997年8月22日に発行。P-KCは、ポケットコミックスの意(?)で、B5サイズと小さ目なサイズ、320円という低価格で大御所のマンガ家の幻の名作を提供するシリーズ。

巻末には石ノ森氏のコメントが掲載されている。



これがメディコム・トイのフィギュアの初回生産分の特典としてついてきたコミックス。

巻頭のカラーページもそのまま収録され、最後のエピローグ部分についてはやまもと孝二氏がカラーリングしたCG版が掲載されているという素晴らしい出来。



これがメディコム・トイから発売されているフィギュア。

ちょっとデビルマンを意識して座らせてみました。



おまけ

スカルマンと人造生物ガロ