スパークする熱血マンガ家、炎尾燃の闘いを描いた作品。
No | タイトル | 初出 |
1 | 漫画家死闘熱涙編 | シンバッド 90.6 |
2 | 弱肉強食激闘編 | 90.7 |
3 | 漫画家悲恋号泣編 | 90.8 |
4 | アシスタント無情激涙編 | 90.10 |
5 | 偶像憧憬敗北編 | 90.11 |
6 | 熱血指南炎上編 | 90.12 |
7 | 起承転結激情編 | 91.1 |
8 | 忘年会特攻参加編 | 91.2 |
9 | オリジナルアニメ制作接触編 | 91.3 |
10 | オリジナルアニメ制作発動編 | 91.4 |
外敵遭遇孤立編 | 燃えよペン総集編(91/5) | |
11 | 完全無欠計画編 | ヤングクラブ 91.6 |
12 | 全世界放浪充電編 | 91.7 |
第2部 | 91.8 |
ところで、最終話(第12話 世界放浪充電編)のネームは雑誌掲載時と単行本収録時とでかなり内容が変わっている。私はどちらかと言えば連載時の方が好きだ!というわけで、ここでその比較をしたいと思う。
シーン | 雑誌掲載時 | 単行本収録時 |
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新宿 | 新宿…高層ビル…それは世界の頂点を目指すマンガ家にとってひとつの憩いの場所かもしれない。夜空にそびえ美しくきらめくその勇壮な姿は日本男児の心に熱いものを呼びかけてくる。しかし下手にビルのふもとにいい気になって行くと、熱いカップルがここぞとばかりにラブシーンを展開している。こんな人の通るような所でイチャついてんじゃない!みっともないぞ!!だからマンガ家は高層ビルを遠くからながめる。それでいいのだ。 | 新宿…高層ビル…こいつと並んで立つとき、マンガ家は、頂点を夢に見る。ここにはトップをめざす男のハートを熱くさせる何かがあるような気がする。 |
八ヶ岳渓谷 | 八ヶ岳渓谷…マンガ家は常にゴミゴミした都会にいては死んでしまう。時には大自然に帰って自然のエネルギーを吸収しなければ、狭い世界で狭い解釈や判断力しかもたない狭い人間になってしまう。だから八ヶ岳へマンガ家は行く。イワナ釣りはスポーツだ。待ちの釣りでなく攻めの釣りだ。男の戦いである。向こうの上流で釣っているのは藤岡弘のようだ。俳優としてアクションをやるだけでなく真の武術家である彼も又、自然のエネルギーを吸収しながら戦う男の中の男なのだ。 | 八ヶ岳渓谷…マンガ家は常にゴミゴミした都会にいてはならない。時には大自然に帰って自然のエネルギーを吸収しなければ死んでしまう。そこには岩魚を釣っている藤岡弘もいる。 |
ゴビ砂漠 | ゴビ砂漠…マンガ家はラクダのようだ。このコブがなくなったら力つきて死んでしまう。つらい炎天下の砂の上を一歩一歩人をのせて進んでいく。だからマンガ家はラクダにのるのだ。マンガ家は思う。ひとこぶラクダでなくふたこぶラクダの様になりたいと。そしていつ見るか分からないオアシスを求めてひたすら炎天下の道を進むのだ。迷ったら負けだ。不安になっては歩けない。ただ自分を信じひたすらまだ遠く見えない目的地に向かって進んでゆくのである。たまには蜃気楼も見る。 | ゴビ砂漠…マンガ家は蜃気楼を見る。 |
グランドキャニオン |
グランドキャニオン…この雄大な眺めはいつもB4の原稿用紙しか見ていないマンガ家に痛烈なショックを与えてくれる。マンガ家は常に全ての物をB4にしたがる。しかしこれだけはB4に収らない。マンガ家は敗北し謙虚になり、神を知る。だが人間が神の子であるならば、いつかは親を超えねばならない。子は親を超えて一人前になってゆくのだ。親もそれを願う。だからマンガ家は思う。いつかは自分もこのような壮大な感動を人々に与える存在になりたい…と。学園マンガや内輪うけ日記マンガなど描いている場合じゃない…と。だがいきなりでかい事に挑戦しても器がないと自覚するマンガ家は、学園マンガを描きながら目を光らせその 時の為に全てを投入して自らを鍛えてゆくのだ。 |
グランドキャニオン…この雄大な眺めはいつもB4の原稿用紙しか見ていないマンガ家に痛烈なショックを与えてくれる。マンガ家は敗北し謙虚になり、神を知る。だが人間が神の子であるならば、いつかは親を超えねばならない。子は親を超えて一人前になってゆくのだ。 |
本屋 | 本屋…多くのマンガ家はここで旅に出る。ミクロの世界から宇宙に至るまで、マンガ家は常に疑似体験を続ける。その中で新しい物に出会うマンガ家もいれば、何を思ったのか本当に旅に出てしまって編集を泣かせてしまうマンガ家もある。本当は現実の旅に出たい彼らも時が許してくれなければ何も出来ない。本の中での旅…それはB5の世界で読者を常に旅へといざなっているマンガ家のひとつの罪滅ぼしなのかもしれない。だから今日もマンガ家は本屋へゆくのだ。たまに自分の本が売れてるか、ちゃんと並んでいるかな、などと確かめるのも悲しい習性かもしれない。 | 本屋…ほとんどのマンガ家はここで旅に出る…。地球上でも宇宙でも、どこでも旅立つ…。どこでも…自由に…行けるのだ。 |
ヤングクラブ91年7月号 「燃えよペン」より |
竹書房刊「燃えよペン」より |
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