write 1999/07/09
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「週感ジョジョンプ」増刊第8号

PAGE D [デッドマンズ・Q]後編内容概要


[デッドマンズ・Q(クエスチョンズ)]

「後編」

 さて、週感ジョジョンプ番外編、といった感じで続けてきたこの「デッドマンズ・アンサーズ」もいよいよ最終回となりました。ジョジョとはまた違った青年誌の連載、何よりも大河的な所に対して、「岸辺露伴は………」以来ひさびさの短編。皆さんは、どう思いながらご覧になりました? こんな事を書くと、今後の投稿に差し支えありそうですが、私はやはり今後は青年誌で活躍して欲しいな、と思いました。それもある程度まとまった話しで。活躍の場が青年誌である事のメリット・デメリットはいろいろあるかと思いますが、やはり表現とメッセージの幅が主なポイントでしょうか? テーマというものは、伝えるに手段を問うものではありません。しかしながら、それに至る過程に、少年誌ではある程度のわかりやすい話や、整合性など、枷が有る訳です。
 更新状況でもちょっと書きましたが、最近、トマス・H・クックの小説をよく読んでいます。ちょっと前まで、ずーっとキングだったので、胃薬にはちょうどいいんですよね。クックの小説は過去の過ちと充足願望への確執を少ない人数の人生を軸にして少しずつ掘り起こしていく部分に魅力があるのですが、これも「読む」事に対して自分の中で流れが無いと、面白くないでしょう。とまぁ、一般論を述べてしまいましたが、もっと可能性を見たい、というミーハーな部分からですね。さて、ちょうど半画面きましたでしょうか? いってみましょう。

●心の洗濯 × 魂の掃除

 生きている事を実感する際に、「自分が死んでいる事を実感する」ヤツっているのか? ………そんな調子で始まった[デッドマンズ・Q]ですが、今回で泣いても笑っても最後になります。

 前回の最後に出てきて話題を呼んだ「卵」
 肝心なのは、「屋敷幽霊」の主人であって、こりゃ演出だろう、なんて踏んでいたのですが、スタッフ一同大ハズレ。何と卵から「ランゴリアーズ」(これはJJNリアルタイムでも言われていましたね)、ちょっと植物………ジョルノも入っていて………。

 生命の始まりである「卵」がここまで扱われるとは、あの電車の中の母親と子供のエピソードもまんざら捨て石ではなかった訳です。

「………やはり………みんなの言うように『あの世に』ってのがどこかにあって、そこから母親のところにやって来たのがあのガキなのか?」

 「ブレードランナー」のレプリカントは「死なない事」に対しての挑戦を行っていた訳ですが(違うか?)、すでに死んでいる吉良の関心が「生きている事」と「あの世」に向かうのは当然かもしれません。

 では、その「あの世」に突然「答え」が出てきたら………?
 それは、どんな形をしているんでしょうか?

 それが今回の「卵」になる訳ですが………。
 「いつ………なぜ自分が死んだのかはどうしても思い出せない………」、吉良は、どこから来たのかも解らない状態で、唯一すがれるのが、自分の習性っぽい奇妙な行動。人間らしい行動。少しづつ、自分の過去を埋めていく行動。

 じゃあ、自分の生きている時の行動は何か違ったのか?
 恐らく、何も違わなかったはずだ………。
 こういう話になっていったはずです。しかし、ここで吉良が吉良である所。自分の過去の殺人にスポットが当たる事がでてきた訳です。

 「標的」は外出中だと?

 これもよく考えると意味深な台詞ですよね。
 死者は「生者」から外出中なんだ、そうとも取れます。外出中だからこそ、「あの世」の事も少し考える………とか。

 今回の「デッドマンズ・Q」は「死者からの質問」という、直球のストーリーだと思っていたのですが、いろんな要素が絡み、簡単に「死者」と言えなくなってしまった話でした。何度もいうようですが、「吉良」だというのが細大の仕掛けでした。ジョジョの読者は、吉良が死んだ事も知っていますし、殺人者ということも知っています。
 知らない人は、正体不明の殺し屋。どこから来たのかも全く解らない。そこから出される質問は、ゼロからの質問です。
 だからこそ、吉良の事がすんなり解るのかもしれませんね。
 そうでない人は、ひたすら、迷う。
 死ぬまでの間、みたいですね。


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